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親切な隣人の正体──善意だと思っていた”お裾分け”がトンデモないものだった

  • 2026.4.28

新しい土地でのご近所付き合いは、最初の印象がとても大切ですよね。なるべく良い印象を持ってもらいたいですし、相手に親切にされるとこちらも心を開きたくなるものです。今回は、筆者の友人が引越しをした直後のエピソードを聞かせてくれました。

画像: ftnews.jp
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理想的な隣人

私は半年前、遠方から今の地域に家族で引っ越してきました。
不安だったご近所付き合いでしたが、幸いお隣の奥さんはとても気さくで、絵に描いたような「いい人」でした。

「煮物を多めに作っちゃって、よかったらもらってほしいの」
「サラダ、余ったから食べてくれる?」
と、頻繁に手料理まで届けてくれるのです。

食べ盛りの息子2人がいる我が家にとって、お裾分けはありがたく、「温かい街でよかった」と胸を撫で下ろしていたのですが……。

増えていく違和感

しかし、交流が深まるにつれ、お裾分けの頻度は週に5日、6日と増えていきました。
「久しぶりにあれを作りたいな」と思い立っても、冷蔵庫はすでにお隣さんからもらった料理でいっぱい。

自分で作りたいメニューを諦め、よその家の味付けで食卓を埋める毎日に、私の心は少しずつ削られていきました。

週に1度程度なら助かるけれど、毎日のように大量の料理を持ってこられると、正直困ってしまう……。
手料理を捨てるのは気が引けるし、善意で届けてくれるのにそんなことを考えてしまう私のほうが非常識なのだろうか?

迷いと罪悪感に苛まれながら、自分の家の食卓を自分の味で満たせないもどかしい日々が続きました。

残酷すぎる「本音」

ある日、返却する容器を持ってお隣さんを訪ねたときのこと。
玄関先で、お隣さんと別の近所の方がおしゃべりしている声が聞こえてきました。
盗み聞きするつもりはなかったのですが、ふと我が家のことが耳に入り、つい隠れるようにして立ち止まってしまったのです。

「うちは生ゴミが全然出なくて楽なのよ。余ったら全部お隣さんが処理してくれるから。生ゴミはあの家に持ってくといいわよ! あそこの子たち、本当によく食べてくれるの(笑)」

処理? 生ゴミ?

親切だと思っていた行為は、ただの“処分”……。笑顔の裏で私たち家族を馬鹿にした発言をするお隣さんに、ぞっとする感覚が背筋を走りました。

静かに引いた境界線

怒りに任せて言い返せば、これからの近所付き合いに影を落とします。
でも、我が家を「都合のいいゴミ箱」だと思っている人から何かを受け取るなんて、もうできる気がしませんでした。

私は考えた末、笑顔のまま境界線を引くことにしました。
次にお隣さんが料理を持ってきたとき、はっきりと告げたのです。

「最近、胃腸を壊してしまって、お医者様から『他人の作ったものは控えるように』と言われているんです。せっかくですが、これからはご自身で処理なさってください」

「処理」という言葉をあえて選んだとき、何かを察したのか、彼女の顔が一瞬凍りつきました。
自分の本音がこちらに透けて見えたことに気づいたのかもしれません。
それ以降、お裾分けはなくなりました。

相手を変えるより、適切な境界線を引いて自分や家族を守ること。
穏やかに、でもはっきりと伝える大切さを学んだ出来事でした。

【体験者:30代・女性主婦、回答時期:2026年3月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:藍沢ゆきの
元OL。出産を機に、育休取得の難しさやワーキングマザーの生き辛さに疑問を持ち、問題提起したいとライターに転身。以来恋愛や人間関係に関するコラムをこれまでに1000本以上執筆するフリーライター。日々フィールドワークやリモートインタビューで女性の人生に関する喜怒哀楽を取材。記事にしている。

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