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15歳“初主演”で業界が驚き…!「すごい女優だと思った」8年前、多くの“映画賞”を獲得した実力派女優の代表作

  • 2026.7.23
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左は南沙良、中央は蒔田彩珠、右は萩原利久(C)SANKEI

映画『愛されなくても別に』映画『禍禍女』と主演作が続き、今や引く手あまたの実力派俳優・南沙良。映画『万事快調〈オール・グリーンズ〉』や有村架純らと共演した映画『マジカル・シークレット・ツアー』など、近年の活躍に、先日行われた第25回ニューヨーク・アジアン映画祭では、過去に鈴木亮平や小松菜奈らが受賞した“ライジング・スター賞”を受賞したことで、世界的にも注目が高まっている。

そんな南の映画初主演作が、映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(2018年)だ。撮影当時わずか15歳だったとは信じがたい圧倒的な演技力で、第43回報知映画賞新人賞、第61回ブルーリボン賞新人賞など多くの映画賞を獲得し、その実力が評価された。「すごい女優だと思った」「圧巻で素晴らしい」など賞賛の声を呼び、今も多くの人の心に刻まれている。

押見修造の実体験を原作に、ふたりの少女の友情を描く

漫画家・押見修造が自身の実体験をもとに描いた同名コミックを、映画『百円の恋』の足立紳が脚本を手がけ映画化した青春ドラマ。湯浅弘章監督にとっても長編商業映画デビュー作となった。

吃音症で上手く言葉を話せないために周囲となじめない高校1年生・大島志乃(南沙良)は、ある日校舎裏で同級生の岡崎加代(蒔田彩珠)と出会う。音楽好きなのに音痴という加代は、思いがけず耳にした志乃の歌声に心を奪われ、バンドに誘う。コンプレックスを抱えたふたりが、音楽を通じて少しずつ心を通わせていく。しかしそこに、志乃をからかった同級生の男子・菊地(萩原利久)が強引に参加することになり…。

自分自身と向き合う青春物語

沼津・下田でのロケにより、背景に海が広がる清々しい映像が印象的で、青春の痛みと成長、そして友情のぬくもりを丁寧に映し出す。志乃も加代もクラスに馴染めないもの同士、歌を通して打ち解けていく。野外ライブは、人前でうまく言葉を話せない志乃にとっても音楽活動を夢見ていた加代にとっても心地良く自分を表現できる場だった。

だが、二人のバンド活動に、クラスのはみ出し者である菊地が加わることになり物語は思わぬ方向に動き出す。加代と菊地が楽しそうに話している様子を見た志乃は距離を置き、また自分の殻に閉じこもってしまう。

文化祭で加代は、志乃と一緒に演奏するはずだった自作の歌を携えて舞台に立つ。音が外れて、観客の生徒たちから嘲笑の眼差しを向けられても、真っ直ぐとスタンドマイクの前に立ち、歌い上げた加代。その曲を聴いた志乃は、涙を湛えながら会場で声を発する。

志乃と加代を繋げたのは歌だったが、歌が全てを解決するわけではない。それでも二人は、コンプレックスや壁に向き合い続ける。自分を変えることが成長ではなく、自分を認めることで、決して戻らない毎日を強く豊かに生きるための力になる。本作はそのことを静かに伝えてくる。

目を離せない実力派若手俳優集結

本作は間違いなく南沙良の代表作のひとつだ。初主演ながらその実力で業界内外を驚かせ、その後のキャリアの土台を築いた。吃音に悩む少女の姿を声と身体で体現した南沙良の演技は、何年経っても色褪せない。

加代を演じた蒔田彩珠もまた、音楽という夢にひたむきな加代という人物を、蒔田ならではの自然体で素朴ながらも芯の通った少女として体現している。撮影当時中学生だった蒔田は、南と同じく第43回報知映画賞新人賞をW受賞した。
現在は是枝裕和監督×藤本タツキ原作の実写映画『ルックバック』(2026年9月11日公開)にW主演として出演が決定している。是枝作品には映画『海よりもまだ深く』、映画『三度目の殺人』、映画『万引き家族』に出演しており、今回が4度目の出演となる。その信頼関係の厚さがうかがえる。

さらに、菊地役を演じた萩原利久も現在めざましい活躍を見せている。映画『今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は』での主演、フジテレビ系 月9『サバ缶、宇宙へ行く』(2026年)など話題作への出演が続き、実力派俳優として定着している。

映画初主演で見せた15歳の圧倒的な演技力から始まり、今なお第一線で輝き続ける南沙良と蒔田彩珠、そして着実にキャリアを積み上げる萩原利久。三人の"今"を知った上で本作を見返すと、また違った感慨が湧いてくるはずだ。まだ観ていない人はもちろん、当時観た人にもぜひ見返してほしい一本だ。


『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』公式サイト

ライター:山田あゆみ
映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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