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9年前“反感の声”も…「ネトフリで何度もみて唸ってる」「とにかくすごかった」主演女優の“怪演”で、今でも話題の【火曜ドラマ】

  • 2026.6.19

不倫ドラマは毎シーズン必ずといっていいほど登場する人気コンテンツだが、2017年に放送されたTBS系 火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』はいわゆる不倫ドラマとは志向が違う。禁断の関係のスリルでも、罪への罰でもない。人間の複雑な欲求と狂気が絡み合う、綺麗事なしの心理ドラマだ。その中毒性の正体を紐解いていく。

※以下、作品内容に関するネタバレが含まれます。

いくえみ綾原作の人気漫画を実写化

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波瑠(C)SANKEI

TBS系で放送された全10話の連続ドラマ。いくえみ綾の同名漫画を原作に、“2番目に好きな人”と結婚した主人公が再会した初恋の相手と不倫関係に陥るW不倫劇を描く。脚本は『大恋愛〜僕を忘れる君と』の金子ありさ。

主演の波瑠は、麻生久美子とのW主演で、先日最終回が放送された日本テレビ系水曜ドラマ『月夜行路 -答えは名作の中に-』に出演。銀座のバーのママ・野宮ルナ役で、文学の知識を活かして事件を解く痛快ロードミステリーだ。
夫・涼太を演じた東出昌大は、Netflixドラマシリーズ『イクサガミ』などに出演したことでも話題となっている。有島の妻・麗華を演じた仲里依紗は、2026年配信予定の松岡茉優主演Netflixシリーズ『ダウンタイム』への出演が決定している。

二組の夫婦が、しずかに壊れていく

“2番目に好きな人”と結婚した美都(波瑠)の日常は、一見穏やかだ。しかし結婚後も心の片隅に居続けた初恋の相手・有島光軌(鈴木伸之)と偶然再会したその日、美都はするりと一線を越えてしまう。有島に妻(仲里依紗)と子がいると知っても、関係をやめようとはしない。有島と会える日だけ心が弾み、予定が合わなければ落ち込んでしまう。夫・涼太(東出昌大)との会話はいつもどこか上の空で、それでも美都は自分の気持ちに正直なままでいる。

やがて涼太は美都のスマホを目にしてしまい、有島の存在に気づく。しかし怒りをぶつけるわけでも、問い詰めるわけでもない。ただ穏やかにいつも通りの生活を続けながら、静かに様子を見守る。しかし、美都への執着心をあらわにし始めた涼太は、狂気的な一面を見せるようになる。

波瑠の怪演によって完成した綺麗事なしの心理ドラマ

波瑠が演じる美都は、家事も愛情表現も欠かさない夫がいながら悪びれることなく不倫を重ねる。それは涼太に気づかれてからも変わらなかった。恋してしまったのだから仕方ないとでもいうかのような、その開き直った姿はまるで純情な少女のようでもある。
本能に従い、擦り寄ったり謝ったりしないその様子は、反感を覚える人もいるかもしれないが、むしろ清々しいほどだ。清純なイメージを気にせずこの役を演じ切った波瑠に対して、「ネトフリで何度もみて唸ってる」「波瑠、演技力がとにかくすごい」という声がいまだにSNSで上がり続けているのも頷ける。

美都は不倫の末に涼太も有島も失う。最終話の彼女の様子からは、愚かさに気づいたようでもあるが、本当に反省したのか、同じ過ちを繰り返さないとは言い切れない。不倫という罪を犯した美都と、許しているようで決して許せない涼太の執着はどちらも歪んでいる。善と悪がはっきりと明示されるような内容ではないからこそ、多くの人の隠れた共感や関心を生んだのだろう。


出典:TBS系 火曜ドラマ『あなたのことはそれほど』

ライター:山田あゆみ
Web媒体を中心に映画コラム、インタビュー記事執筆やオフィシャルライターとして活動。X:@AyumiSand

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