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渋滞中で隣の車が「どうぞ」と譲ってくれ車線変更したドライバー、直後に後悔した“想定外の落とし穴”

  • 2026.5.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

渋滞中の道路や合流地点で、隣の車線を走る車が少しスペースを空けて「どうぞ」と譲ってくれる場面はよくあります。運転中にそうした親切を受けると、「確認してくれているから大丈夫だろう」と安心してしまう人も少なくありません。しかし、その安心感が思わぬ事故につながるケースがあるのです。

車線変更では、「相手が譲ってくれたかどうか」よりも、「車線変更をした側が安全確認を十分に行っていたか」という点が重視されます。そのため、「入れてもらったのに自分にも過失がつくなんて…」と驚く人も多いのです。

「譲ってもらったのに事故に…」意外と多い車線変更トラブル

ある日、渋滞中の幹線道路で事故に遭ったDさんが来社されました。

Dさんは混雑した道路を走行中、隣の車線へ移動しようとしていました。すると隣の車線を走る車が減速し、Dさんの車が入れるように車間を空けてくれたため、「入っていいですよ」という合図だと思い、そのまま車線変更を開始しました。ところが、進入した直後に後方から走ってきたバイクと接触してしまったのです。

Dさんとしては、「前の車が譲ってくれたから安全だと思った」「まさか後ろからバイクが来るとは思わなかった」と、納得できない様子でした。しかし、事故の当事者はDさんであり、バイクの運転者のけがに対して早急に保険対応するようにアドバイスしました。

このような事故は決して珍しくありません。渋滞中は周囲への注意が前方に集中しやすく、バイクや自転車など小さい車両を見落としやすくなります。特に、車の陰からすり抜けてくるバイクは死角に入りやすく、「見えなかった」というケースが非常に多いのです。

車線変更は進路変更側の責任が重くなりやすい

車線変更事故で重要になるのは、「誰が動いたか」です。

基本的に、今いる車線から別の車線へ移動する側には、安全確認義務が強く求められます。つまり、たとえ相手が譲ってくれた状況であっても、「安全確認を怠り進入した」と判断され、車線変更した側の過失が大きくなってしまうケースもあります。

譲ってもらった側が陥りやすい誤解として、「パッシングしてくれた」「手で合図してくれた」「スペースを空けてくれた」といった行為を安全保証のように受け取ってしまうことが挙げられます。

しかし、これらはあくまで「先に入っていいですよ」という意思表示に過ぎません。譲った側が周囲の安全まで確認してくれているとは限らず、後方から接近するバイクや自転車の存在までは把握できていないこともあります。そのため、合図を受けたとしても、最終的な安全確認は自分自身で行うことが不可欠です。

「見えなかった」が起こりやすいバイク・自転車の死角

車線変更の際、特に注意したいのが、バイクや自転車の存在です。車はボディが大きいため、どうしてもミラーだけでは確認できない死角が発生します。さらに渋滞中は、車の隙間を縫うようにバイクが進んでくることもあり、気づいた時には距離が近すぎるケースもあります。また、ドライバー側が「譲ってもらった」という安心感を持っていると、確認が甘くなりやすい傾向があります。

・ミラーを軽く見ただけ
・目視での後方確認を省略した
・焦ってすぐにハンドルを切った

こうした小さな油断が、接触事故につながってしまうのです。そして事故になると、修理費の自己負担だけでなく、自動車保険を使用したことによる等級ダウンで、翌年以降の保険料が上がるケースもあります。Dさんも事故後、「譲ってもらっても安心とは限らないんですね…相手が大けがをしていなくてよかったです」と話されていました。

車線変更でトラブルを防ぐためにできること

こうした事故を防ぐには、どんな点を意識すればよいのでしょうか。大切なのは、「譲ってもらった=安全」ではないと考えることです。相手の親切に頼り切るのではなく、最後は自分自身で安全確認を行いましょう。

・必ずミラーと目視で最終確認をする
・ウインカーは早めに出して周囲へ意図を伝える
・焦って進入せず、一呼吸置いて安全を確認する
・バイクや自転車が死角にいる可能性を常に意識する

譲ってもらっても、こういった点を日ごろから意識しなければなりません。

車線変更は日常的によく行う運転操作のひとつです。しかし、「大丈夫だろう」という思い込みが生まれやすい場面でもあります。相手が譲ってくれた時ほど、一度落ち着いて周囲を確認する。その意識が、思わぬ事故を防ぐ大切なポイントになるのです。


ライター:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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