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【至高ドラマ】14歳で“妊娠発覚”→お腹の子の父親は知らんぷり…中学生の少女が“下した決断”

  • 2026.5.17

忘れがたい台詞や場面が、放送後も視聴者の胸に長く刻まれ続ける――。卓越した脚本と俳優陣の演技が織りなす名作ドラマは、放送が終わってもなお語り継がれる、確かな価値を持つ作品でもあります。今回は、"記憶に刻まれる名作ドラマ"をテーマに、5作品をセレクトしました。

本記事ではその第2弾として、ドラマ『コウノドリ』をご紹介します。鈴ノ木ユウさんの同名漫画(講談社『モーニング』連載)を原作に、綾野剛さんが産科医・鴻鳥サクラを演じたTBS金曜ドラマ。中でも、当時14歳だった山口まゆさんが中学2年生の妊婦・吉沢玲奈を熱演し「神回」と称された第5話『14歳の妊娠 少女が母になる時』が放つ衝撃とは―。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

ペルソナ総合医療センターを舞台に届けた、命と向き合う産科医ドラマ

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映画「太陽の家」のキャスト発表会見 山口まゆ(C)SANKEI
  • 作品名:ドラマ『コウノドリ』(TBS)
  • 放送期間: 2015年10月16日〜12月18日(シーズン1)、2017年10月13日〜12月22日(シーズン2)
  • 出演:綾野剛、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋 ほか

『コウノドリ』は、鈴ノ木ユウさんが2012年から2020年まで講談社『モーニング』で連載していた同名漫画を原作とするTBS金曜ドラマです。シーズン1は2015年10月16日から12月18日まで全11話・毎週金曜よる10時に放送され、高視聴率を記録した話題作となりました。原作漫画は第40回講談社漫画賞・一般部門を受賞した、産科医療を真正面から描いたベストセラーです。

主演は綾野剛さん。岐阜県出身でトライストーン・エンタテイメント所属。劇中では、産科医でありながらピアニスト“BABY”としての顔も持つ主人公・鴻鳥サクラを演じています。舞台はペルソナ総合医療センターの産婦人科。リアルな出産現場を描きながら、毎話異なる妊婦の物語を丁寧に届ける群像劇として、多くの視聴者の支持を集めました。

そんな本作の中でも特に大きな反響を呼んだのが、2015年11月13日に放送された第5話『14歳の妊娠 少女が母になる時』です。新星女優・山口まゆさんが演じる中学2年生の妊婦・吉沢玲奈の物語が、視聴者を強く揺さぶりました。

「お腹張ってない?」「私、生理不順なんです」――妊娠8ヶ月で気づいた14歳の衝撃

物語は、中学2年生の吉沢玲奈(山口まゆ)がバスケットボール部の練習中に貧血で倒れる場面から始まります。保健室に運ばれた玲奈に、養護教諭が「お腹張ってない?」「最近、生理があったのはいつ?」と静かに問いかけます。

それまで何の疑いも持たなかった玲奈は、ためらいながら「私、生理不順なんです。そういえば半年くらい来てないかも」と自身の体の状態を口にします。

明らかになったのは、妊娠8ヶ月――すでに中絶手術が不可能な月数まで進行していた事実でした。ペルソナ総合医療センターを訪れた玲奈に、鴻鳥サクラ(綾野剛)は若い年齢での出産について丁寧に説明しようとします。しかし玲奈は、まるで他人事のような態度を取り続けました。

お腹の子の父親・元倉亮(望月歩)もその父親(螢雪次朗)とともに玲奈との話し合いに現れますが、両家の話し合いは平行線をたどります。

親にお金を出させて自分は知らんぷり――両家の話し合いを経ても、赤ちゃんを誰が育てるのか決まらないまま時間が過ぎていきます。そうした中、鴻鳥はNPO法人“ツグミの会”による特別養子縁組のサポートを玲奈に選択肢として提示します。

SNSでは「全人類観るべき」「いろんなことが詰まってるよ」と、玲奈の選択と出産シーンを受け止める声が次々と寄せられました。中学生で母になるという選択は、結末で玲奈自身が下します。産んだ命をどう育てるか、産まない選択肢があっても産まなかった意味とは何か――答えのない問いを視聴者にも突きつけ、本作のテーマが完結する構造そのものに、第5話の引力が宿っていると言えるでしょう。

14歳・山口まゆが体現した"中学2年生の妊婦"――10代屈指の実力派の名演

第5話を「神回」たらしめた最大の要因は、山口まゆさんによる吉沢玲奈の演技にあります。

東京都出身、株式会社みつあみ所属の山口まゆさん。小学4年生から子役として舞台を中心に活動し、2014年にフジテレビ『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』でドラマデビューを果たしました。第5話放送時(2015年11月13日)、山口さん自身も14歳――劇中の吉沢玲奈と同年齢でこの難役に挑んだのです。

役作りについて、山口さんは出演前、「シネマカフェ」のインタビューで次のように語っています。

出産する痛みは分からないので、近づけるように資料の映像を見たり、母親や身近な人に聞いたりして妊婦さんの気持ちを研究しました…中学生や10代の妊娠について、そういう子たちもいるんだっていうことも知ってもらいたい
出典:『新星女優・山口まゆ、中学2年生の妊婦を熱演! 綾野剛主演ドラマ「コウノドリ」』シネマカフェ 2015年11月11日配信

スクリーンに映し出されたのは、自身の妊娠を他人事のように受け止めながらも、出産の現実に直面して身体をのけぞらせ、痛みに泣き叫ぶ14歳の姿。同年代の役柄に挑む俳優の中でも、山口さんが見せた役と等身大で向き合う集中力は、第5話を10年以上経った今もなお"記憶に刻まれる名作回"として語り継がせる、確かな証左だと言えるでしょう。

10年経っても色褪せない"金字塔"――『コウノドリ』が今なお語り継がれる理由

第5話で示された山口まゆさんの演技と、産科医療の現実を真摯に描き続けるドラマ『コウノドリ』の姿勢は、シーズン2(2017年放送)へと引き継がれました。

2020年4月には、TBS『コウノドリ』傑作選が放送。傑作選では第5話の14歳の出産シーンが改めて注目を集め、SNSでは「号泣して苦しい…」と再びの感動の声が相次ぎました。

原作『コウノドリ』は2022年7月時点で累計950万部を超え、ドラマ放送から10年が経った現在も、若い妊娠・産科医療・命の選択をテーマにした作品の金字塔として参照され続けています。14歳で14歳の役を全身で演じきった山口まゆさんの名演を含め、これからも"記憶に刻まれる"名作ドラマとして語り継がれていくことでしょう。


※記事は執筆時点の情報です

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