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“結婚6ヶ月前” 幸せの絶頂から急転…“婚約破棄”。松たか子“節子”(24)「男なんてもう一生信じない」衝撃の幕開け【火9ドラ】

  • 2026.5.21

ドラマや映画の中には、最初は反発し合う2人の距離が少しずつ近づいていく過程に、思わず引き込まれる作品があります。今回は、そんな中から“一度みたら止まらない中毒性抜群の名ドラマ”をテーマに5本セレクトしました。本記事ではその第5弾として、ドラマ『お見合い結婚』(フジテレビ系)をご紹介します。

恋愛結婚に憧れる24歳の女性と、海外赴任の条件として結婚を意識せざるを得なくなった25歳の商社マン。最悪の事情を抱えた2人が、お見合いをきっかけに自分の本音と向き合っていく本作の魅力とはーー?

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です 
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

あらすじ 

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新ドラマ合同発表会見 阿部サダヲ、松たか子(C)SANKEI
  • 作品名(放送局):ドラマ『お見合い結婚』(フジテレビ系) 
  • 放送期間:2000年1月11日〜2000年3月21日 
  • 出演:松たか子(中谷節子 役)、ユースケ・サンタマリア(広瀬光太郎 役)、窪塚洋介(大畑純一 役)、さとう珠緒(河合ミカ 役) ほか

本作は、気乗りしないお見合いで出会った男女が、交際から結婚までに起こる出来事を描くラブコメディです。主人公の中谷節子(松たか子)は、結婚を6ヶ月後に控えて客室乗務員の仕事を寿退社した24歳の女性です。しかし婚約者が別の女性を妊娠させ、その女性と結婚することになったため、節子は恋と仕事を同時に失ってしまいます。

ユースケ・サンタマリアさんが演じる広瀬光太郎は、押しが弱いものの正直な性格の25歳の商社マンです。部長からミラノへの海外赴任の話を持ちかけられますが、海外赴任には独身者不可という条件があり、光太郎はお見合いをすることにしました。本作の面白さは、恋愛に傷ついた節子と結婚を現実的な条件として考えざるを得ない光太郎が、形だけの出会いから本物の気持ちを探していく点にあるのかもしれません。

第1話では、節子と光太郎がお見合いの席で本音を隠し、よそ行きの会話を続けます。ところが会話は弾まず、2人の間にはお互いを探るような気まずい空気が流れます。そのぎこちなさが、後に2人の距離が変化していくための出発点です。

「男なんてもう一生信じない」24歳の元客室乗務員を襲った最悪の婚約破棄

火曜日の21時から放送されていた本作。一気に視聴者を引き込んだ理由は、節子の人生が第1話の時点で大きく崩れてしまうからです。節子は先輩の結婚披露宴に出席した後、恋人のヒロシの誕生日を祝うために待ち合わせ場所へ向かいます。

ところが、そこで節子に声をかけてきたのは、ヒロシ本人ではなく妊娠している女性でした。ヒロシは節子と結婚を約束していながら、別の女性とも関係を持ち、その女性を妊娠させていたのです。

この出来事がより重く響くのは、節子がすでに客室乗務員の仕事を寿退社していたからです。恋人を失っただけではなく、仕事も失い、予定していた半年後の結婚も消えてしまいます。

節子がミカと暮らす部屋へ泥酔して帰り、「男なんてもう一生信じない。バカヤロー!」と叫ぶ場面には、裏切られた怒りと、これからどう生きればいいのか分からない不安が詰まっています。

その後、節子の母・絹枝(故・いしだあゆみさん)と父・良平(田山涼成)は、傷ついた娘のためにお見合い話を持ってきます。節子は「お見合い結婚だけは嫌だ」と反発しますが、流れに押されるように光太郎とのお見合いの席に座らされました。

ここで重要なのは、節子が前向きに相手を探しているわけではないことです。節子は、失恋の痛みを抱えたまま、親の心配と周囲の勢いに巻き込まれていきます。

光太郎は、上司から海外赴任の話を持ちかけられますが、独身では赴任できないと知って青ざめます。恋愛に傷ついた節子と、仕事の都合で結婚を意識せざるを得ない光太郎。2人とも自分の意思だけでお見合いに向かっていないからこそ、会話が噛み合わず、空回りする様子が笑いと切なさを生みます。

SNSでは「私の中のベストオブ恋愛ドラマ」「最高!大好き!!」「もう1回見たいと思ってた」といった声がありました。

フライト中の出会いから始まる、窪塚洋介さんの鮮烈な存在感

本作のもう一つの見どころは、窪塚洋介さんが演じる大畑純一の存在です。大畑は、節子の同僚でルームメイトでもある河合ミカがフライト中に出会う“ステキな男性”として登場します。この出会いをきっかけに、節子とミカそして羽田恭子(川原亜矢子)と、大畑と田沼謙介(故・今井雅之さん)そして遅れて現れる光太郎の合コンが開かれます。

大畑の役割が面白いのは、節子と光太郎だけでは閉じない恋愛模様を作品に持ち込んでいる点です。第1話では、ミカが機内で大畑を見て目の色を変え、その後の合コンにつながります。さらに第3話では、恭子が勝負服を着て大畑とのデートへ向かい、節子とミカの家に荷物を預けに来ます。大畑の存在によって、恋に浮き立つミカや嫉妬する田沼、友人の恋を気にする節子たちが一気に動き出す点に注目です。

窪塚さんの演技は、当時の大畑を単なる“かっこいい男性”で終わらせていません。軽やかに人を惹きつける雰囲気がありながら、周囲の恋愛関係をかき回す役割も担っていました。

たとえば大畑がいることで、ミカは積極的になり、田沼は自分の気持ちに振り回されます。第8話では、大畑をめぐって仲間たちが集まる場面でミカの恋心が明らかになり、田沼が「メシの食い過ぎで死んでやる!」と暴走します。恋愛ドラマらしい大げさな言動でありながら、誰かを好きになった時の不器用さが伝わる場面です。

つまり大畑は、節子と光太郎の関係を横で彩るだけの人物ではありません。友人たちの恋愛を動かし、物語全体のテンポを明るくしながら、恋をすると人は冷静でいられなくなるという本作のテーマを見せてくれる存在です。窪塚さんの自然な華やかさがあるからこそ、大畑の登場場面には視線を奪われる魅力があります。

すれ違いから始まる本作は、まさに“一度みたら止まらない中毒性抜群の名ドラマ”と呼ぶにふさわしい一作です。第11話では、光太郎から結婚できないと言われた節子が、その理由が光太郎の転職にあったことを知ります。

「アタシと結婚する気は本当にもう全然ありませんか?」と節子は光太郎に問いかけ、光太郎は「すみません」と返します。お見合いから始まった2人が、形式ではなく本心で相手を選べるのかが最後まで問われる場面です。

最初は傷心と打算が重なった出会いでしたが、節子と光太郎は何度もすれ違いながら、相手の弱さや優しさを知っていきます。恋愛結婚かお見合い結婚かという形よりも、目の前の相手をどれだけ理解しようとするかが大切なのだと感じさせてくれる作品です。明るい会話の中に人生の選択の重さがにじむからこそ、放送から20年以上たった今も、もう一度見返したくなる名作といえるでしょう。

※記事は執筆時点の情報です

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