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【NHK大河】で鮮烈に輝く“唯一無二の逸材”「ただただ尊い」“華麗なる一族”に生まれた『注目俳優(34)』

  • 2026.6.14

実力派と呼ばれる俳優の歩みをたどると、その背景に、由緒ある「家系」が見えてくることがあります。今回は「偉大な家系を持つ実力派俳優」をテーマに、5名をセレクトしました。

本記事ではその第4弾として、尾上右近さんをご紹介します。歌舞伎の舞台に立ちながら、映像作品でも確かな存在感を放ってきた実力派俳優の尾上さん。その家系をたどると、芸の世界に名を刻んできた、華やかな顔ぶれが見えてきます。受け継いだルーツとともに、その素顔と魅力に迫ります。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品を選定・構成しています
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「華麗な家系」だけじゃない…名門の血と自ら磨いた芸 

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尾上右近(C)SANKEI

尾上右近さんの家系は、たどるほどに華やかです。曾祖父にあたるのは、故・六代目尾上菊五郎さん。そして母方の祖父には、俳優の故・鶴田浩二さんがいます。歌舞伎と映像という異なる世界で足跡を残した人物が、親族として名を連ねているのです。

もっとも、尾上右近さんの歩みは、そうした家系の華やかさだけで語れるものではありません。わずか7歳のときに、歌舞伎座『舞鶴雪月花』の松虫役で初舞台を踏み、12歳で二代目尾上右近を襲名。さらに2018年1月には七代目清元栄寿太夫の名を継ぎ、歌舞伎俳優として舞台に立つかたわら、芸を磨き続けてきました。

華やかな伝統芸能の血を受け継ぎ、幼いころから自らの足で舞台を歩んできた——。その積み重ねがあるからこそ、近年の映像作品で見せる立ち姿にも、独特の厚みが生まれているのかもしれません。

映画『八犬伝』で演じた、三代目尾上菊五郎

歌舞伎で培った表現力は、映像作品でも確かな存在感となって表れました。

それがよく伝わる一作が、八つの珠に導かれた八人の剣士たちの数奇な運命を、壮大なスケールで描き出した映画『八犬伝』(2024年)です。

故・山田風太郎さんの小説を原作としたこの映画がユニークなのは、物語が二つの世界を行き来する点です。ひとつは、剣士たちが宿命に立ち向かう冒険の世界。もうひとつは、その物語を書き進める作家・滝沢馬琴自身の世界です。

剣士たちの戦いはダイナミックなVFXで描かれ、いっぽうの馬琴は、失明してもなお口述筆記で執筆を続け、28年もの歳月をかけて106冊もの大作を書きあげていきます。剣士たちの物語と、それを紡ぎ出す馬琴の歩み——。二つの世界が交わるところに、この作品ならではの奥行きが生まれています。

そんな『八犬伝』で、尾上右近さんが演じたのが三代目尾上菊五郎です。歌舞伎の怪談として知られる『東海道四谷怪談』で、亡霊・お岩を演じる歌舞伎役者という役どころ。つまり右近さんは、劇中で“歌舞伎役者そのもの”を演じているのです。

しかも役名は「尾上菊五郎」。曾祖父・六代目尾上菊五郎との結びつきを感じさせる役柄でした。長年の舞台で磨いた所作や、よく通る声がそのまま芝居に生き、出番の長さに関わらず、ひときわ印象に残る一役になっています。

そんな右近さんには、「さすが」「演技が妖艶」「配役が胸熱すぎる」「菊五郎の血筋を感じた」「まさに神演出」といった称賛の声が続出。

受け継いだ名と、自ら磨いた芸が一つの役に重なった『八犬伝』は、俳優・尾上右近さんの実力をあらためて感じさせる一作となりました。 

大河ドラマ『豊臣兄弟!』で魅せた室町幕府最後の将軍

歌舞伎や映画で確かな存在感を見せてきた尾上右近さん。その活躍の場は、いまテレビにも広がっています。現在放送中のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』も、そのひとつ。シリーズ第65作となる本作は、天下人の弟・豊臣秀長を主人公に、兄弟の絆と出世の物語を描いています。

その物語で右近さんが演じるのが、室町幕府最後の将軍・足利義昭。将軍としての立場の重みと、時代の大きな転換点に立たされた人物の複雑さ——その両面をあわせ持つ、見ごたえのある役どころです。

品格のあるたたずまいや、よく通る声、端正な所作は、『八犬伝』に続くこの歴史劇でも、視聴者を魅了しました。

そんな右近さんには、「声が聴き取りやすい」「気品とクセの匙加減が絶妙」「ただただ尊い」「所作が美しくて大河に沼った」「歌舞伎仕込みの存在感がすごい」「圧巻の演技力」といったコメントが多数寄せられています。

歌舞伎で培ってきた力を、足利義昭という一役に注ぎ込む——尾上右近さんの俳優としての奥行きが感じられる一作です。

尾上右近の最新作

歌舞伎の舞台に映画、大河ドラマと、表現の場を広げ続け、34歳を迎えた尾上右近さん。ここではそんな尾上さんの最新作をご紹介します。

映画『盤上の向日葵』(2025年10月31日公開)

柚月裕子さんの同名小説を原作とするヒューマン・ミステリー。坂口健太郎さん演じる謎多き天才棋士・上条桂介と渡辺謙さん演じる伝説の賭け将棋の真剣師・東明重慶を軸に物語が展開しました。そのなかで右近さんが演じたのは、壬生芳樹。上条が身を置く「表」の将棋界のライバルとして、勝負の世界に生きる人物を演じています。 

自主公演 第十回「研の會」FINAL

舞台では、尾上右近さんが自らプロデュースする自主公演「研の會」が大きな節目を迎えます。第十回となる「研の會」FINALは、2026年10月2日・3日に明治座で上演。演目には『藝阿呆』『鷺娘』『春興鏡獅子』が並びます。

曾祖父に六代目尾上菊五郎さん、母方の祖父に俳優・鶴田浩二さんという華やかな家系に生まれながらも、自らの足で芸を積み重ねてきた尾上右近さん。受け継いだものを大切にしながら、自分自身の表現へと磨き上げていく――その今後の活躍から、ますます目が離せません。 


※記事は執筆時点の情報です

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