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「ソーホーハウス東京」が初上陸。噂の会員制クラブについて知っておきたい9のこと

  • 2026.4.22
Edvinas Bruzas

1995年、ロンドンのソーホー地区に誕生し、アーティスト、デザイナー、映画監督などクリエイティブ業界のプロフェッショナルが集う場として30年の歴史を築いてきた会員制クラブ「ソーホーハウス(Soho House)」が日本初進出。新複合ビル・表参道グリッドタワーの11〜14階に、2026年4月「ソーホーハウス東京(Soho House Tokyo)」がオープンした。

CEO就任後に事業規模を倍増させてきたアンドリュー・カーニーに、世界で50番目の拠点となる東京の展望やメンバーシップの仕組みなど、改めておさえておきたいポイントをインタビュー。到着したての「ソーホーハウス東京」の写真とともにお届け。

<strong>アンドリュー・カーニー(Andrew Carnie)</strong> Soho House & Co CEO。英国・マンチェスター出身、ロンドン在住。ライフスタイルブランド「アンソロポロジー(Anthropologie)」で上級幹部職を歴任後、2022年11月より現職。90%超の会員継続率を達成し、事業規模を倍増した。 Hearst Owned

1.「ソーホーハウス」は“つながり”を育む場

――まずは「ソーホーハウス」について教えてください。公式サイトによると“世界中のクリエイティブがつながり、集い、インスピレーションが広がるコミュニティを育むメンバーズクラブ”とか。

はい。クリエイティブ業界で働く人たちに交流の場を提供することを目的に設立した会員制クラブです。ロンドンのソーホー地区にある小規模なタウンハウスからスタートし、今年で30年目を迎えました。イギリスには古くから「ジェントルマンズ・クラブ」という会員制のクラブがあるのですが、こちらは弁護士や銀行家といった、少し堅い職業の人々が中心です。そんななか、「ソーホーハウス」は、アーティストが多い街であるソーホーで、クリエイティブな人のためのクラブとして誕生しました。現在は、ニューヨーク、バルセロナなどで、ホテル、レストラン、スパ、ワークスペースなど多彩な施設を備えた複合型の会員制クラブを展開しています。

プールやバーがある14階と、ラウンジやレストランがある13階をシームレスにつなぐ、象徴的な吹き抜けの螺旋階段。 Edvinas Bruzas

2.会員継続率は9割超

――会員継続率(リテンション率)は90%を超えると聞いています。すごい数字ですね。

“すべてはメンバーのために”という設立時のビジョンを変えることなく、やってきたことがブランド力の構築につながったと確信しています。ハウスのデザインと仕組みはメンバーの“居心地のよさ”のために作られています。宿泊設備や料飲施設を備えていますが、私たちはホテルでもレストランバーでもナイトクラブでもありません。朝7時から夜12時まで丸1日、用途や利用者のアイデアで自由に過ごすことができる。これが私たちの強みです。朝食を食べた後はイベントに参加してもいいし、仕事をしてもいい。プールで泳ぐのもいいですね。

プールを例にあげると、私たちのプールではただ泳ぐだけではなく、シンクロナイズドスイミングを学べたり、プールパーティーや、オペラシンガーの歌声を聴きながらナイトスイミングが楽しめるイベントを開催するなど、複数のプログラムを用意しています。プールに限ったことではありません。

人はおしゃべりして交流するのが大好きな生き物です(笑)。すべてのプログラムがその“つながり”のためにある。私たちは30年前に掲げたビジョンを、ここ東京でも再現したいと考えています。

エントランスロビーで目を引く開発好明氏のアート作品。レシートの日付にはロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始した日が刻まれている。 Edvinas Bruzas

3.グローバル会員数は約20万人。ウェイティングに並ぶのは約11万人

――現在の会員数を教えてください。

現在、会員は約20万人。ウェイティングリストには11万人ほどの方がいらっしゃいます。メンバー構成は、男性50%・女性50%を目指しているのに加え、多様性のあるコミュニティを大切にしています。半年ほど通えばみなさんが顔見知りになるような設計です。

――11万人もの方が入会を待っているのですね。なかなかハードルが高そうですが(笑)、「ソーホーハウス東京」の会員募集も始まっています。会員になるにはどのような手続きを踏めばいいのでしょうか?

ホームページからアプライできます。通常、既存の2人のメンバーの推薦が必要ですが、今回のように新しい拠点のスタート時には、コミッティーメンバーを立ち上げます。「ソーホーハウス東京」の規模ですと、約35名のメンバーを選出。その委員たちがそれぞれ5名ほどに声をかけるなどして、約500名の創業メンバーでスタートします。その後、創業メンバーが新たに友人に声をかけるといった流れです。そうやってコミュニティの輪が広がっていきます。さらに3ヶ月ごとにコミュニティが会議を開き、メンバーの状況を評価・審査。推薦がないとアプライできない、というわけではないので、コミュニティに興味がある方には、ソーホーハウスを知っていただけると嬉しいです。

伝統的な漆器から着想を得た、艶やかな深いマルーンレッドの壁がきいたラウンジ。会員はラウンジのみの利用も可能で、コワーキングスペースやリラックスできる場として活躍。 Edvinas Bruzas

4.年会費は50万円強から

――気になる会費についても教えてください。

世界中のハウスを利用できる「エブリハウス」が62万円。海外出張が多い人にとっては便利だと思います。最寄りのハウスのみ利用可能な「ローカルハウス」は50万5千円となります。来館して施設を利用する際には追加費用はかかりませんが、飲食・宿泊・一部のイベントへの参加は別途費用が発生します。

ウェルネスからカルチャー、エンタメまで多彩なジャンルのイベントプログラムがそろうのも魅力。 Edvinas Bruzas

5.月50本以上のイベントを実施

――イベントはどんなことを行っているのでしょうか。

それぞれのハウスで月50本以上のイベントを実施しています。ウェルネススタジオではピラティスなどのプログラムを行っていますし、クイズナイトやクラフト系のプログラムも。「ソーホーハウス東京」には、ライブ音楽のためのサウンドプルーフも備えた、最大150名ほどが集まることができるスペースがあり、世界トップクラスのアーティストによるパフォーマンスも計画しています。

東京の真ん中でアーバンリゾート気分に浸れるプール。 Edvinas Bruzas

6.美しいプールから富士山や神宮花火を望めるロケーション

――50番目の拠点として東京、なかでも青山エリアという街を選んだ理由を教えてください。

東京は大好きな街です。みなさん、世界最高の街に住んでいる幸せを自覚したほうがいい(笑)。本当にうらやましいです。青山という地を選んだのは利便性はもちろん、ファッション、建築、シャンゼリゼ通りのような商業エリアまですべてがそろっているため。クリエイティブな人々が集まる素晴らしい交差点です。そんな場所で、東京のアート、音楽、ファッション、食、テクノロジーと領域を超越し、またローカルとグローバル、伝統と革新という多彩なコミュニティをひとつの屋根の下で結びつけることができたらこれほどうれしいことはないですね。

――東京はどんなハウスなのでしょうか?

表参道グリッドタワーの11〜14階、4フロアに展開します。クラブフロアが2フロア、宿泊できる客室が42室。そのほか、ラウンジ、レストラン&バー、ウェルネススタジオ、プールテラスなどを備えています。レストランは朝7時から深夜0時まで通し営業。英国インスパイアのコンセプトをベースに、日本食と西洋料理を融合したインターナショナルなメニューが楽しめます。ピザ窯も用意しました。14階のプールも素敵ですよ。ルーフトップのテラスからは六本木方面を一望できますし、神宮球場の花火を楽しめる客室やプライベートダイニングもあります。

――都会のインフィニティエッジ仕様のプール、とても素敵です。このプールを利用するために会員になりたいくらいです(笑)。

私も気に入っています。東京の街並みを遮るものなく一望できます。晴れた日には、富士山に沈む夕日を眺めることができます。そうそう、プールテラスには岐阜県で製作された特注の多治見タイルを使っているんですよ。

一つひとつが個性的な存在感を放つアートピースも見もの。セレクションはインハウスで実施。写真は平子雄一の作品。 Edvinas Bruzas

7.日本の美意識が奥行きをもたらす、アートやインテリア

――他にもいろいろありそうですね。デザインにも相当なこだわりがあると聞いています。今日は準備途中の「ソーホーハウス東京」でインタビューを行っていますが、随所で気になるアートが目に飛び込んできました。

インハウスのキュレーターが、日本ゆかりのアーティストや日本人作家の作品を厳選しました。「ソーホーハウス」は、地域の文化やデザインを取り入れた独自のスタイルにこだわっています。私たちは“レイヤリング”と呼んでいるのですが、ヴィンテージ家具、こだわりの照明、繊細なファブリックなど、さまざまな要素を重ねることで“ホテルではなく家”にいるような、寛げる雰囲気を創出します。家具は英国を中心としたヨーロッパのヴィンテージと日本オリジナルのカスタムメイドを組み合わせています。

東京では、そのレイヤリングに日本の素材と美意識を重ねています。コンセプトは“マキシマル ミニマリスト”。東京の大胆さと、京都に代表されるそぎ落としの美学のコントラストを宿しています。たとえば、和紙を壁紙や天井、照明器具などに使用。ヘッドボードには畳をあしらい、テレビ背面のタペストリーアートや客室のクッションカバーにはアップサイクルした着物を用いています。また鏡やベッドサイドテーブルには、京都で4代続く「牧野漆工芸」の漆を取り入れ、美しい奥行きをもたらしています。

「ソーホーハウス」は拠点によりデザインはまったく異なりますが、統一された指針を有しています。メンバーの方は、きっとどこに行っても「『ソーホーハウス』に帰ってきた」と感じていらっしゃるはず。これこそが私たちのDNAである“コンフォート(居心地の良さ)”です。

和食やインターナショナル料理を提供するダイニング。エグゼクティブシェフはミシュラン星付きレストランでの経験を持つ英国人のリチャード・マクレラン。 Edvinas Bruzas

8.南青山に次ぐ日本のハウスができるかも?

――「ソーホーハウス東京」をどのように利用してほしいですか。

新しいコネクションが生まれる場所であればいいなと思っています。ふらりと立ち寄って、ただパソコンを広げて仕事をしに来るだけでも構いません。ここに来ることで、何かしらのインスピレーションが得られる、そんな場所でありたいです。ぜひ知っていただきたいのは、「ソーホーハウス」は私たちのハウスではなく、会員のみなさんのハウスだということ。メンバー同士がつながるために何が有効か、どうすれば快適に過ごしてもらえるか、責任をもって考え続けています。

――少し気の早い話ですが、日本における東京の次の拠点は考えていますか?

もちろん考えていますよ(笑)。日本では複数のハウスを展開したいと思っています。

プールテラスに隣接するバーエリア。 Edvinas Bruzas

9.CEOは東京が大好き

――先ほど「東京が大好き」とおっしゃっていましたが、東京のどんなところが好きですか。

今年は東京マラソンを走りましたよ(笑)。「アンソロポロジー」(アメリカ発のライフスタイルブランド)に勤めていた頃から、クラフトやテキスタイルの仕入れでよく日本を訪れていました。私は、日本の建築、クラフトの大ファン。建築、カルチャー、フード、クラフトに魅了される私にとって、東京はエキサイティングでパーフェクトな街です。

――料理が趣味だそうですが、東京で特に印象に残っている食体験はありますか。

ベストは豊洲の魚市場でいただいた寿司ですね。マグロの刺身が本当においしかった。京都で体験したティーセレモニーも印象深かったです。ハイエンドな場所でなくてもいい。歩いていて出合うカフェや、路地裏の隠れたお店に素晴らしいものがたくさんあります。昨日は銀座でホットポット(火鍋)をいただきました。

スポーツ愛好家で、自身が理事を務める慈善団体の資金調達のためウルトラマラソンや耐久レースにも参加。趣味は料理とゴルフ。 Hearst Owned

――東京以外の「ソーホーハウス」で、個人的に気に入っている拠点があればこっそり教えてください。

どの子がいちばんのお気に入りかという質問ですね(笑)。英国オックスフォードシャーの「ソーホーファームハウス」、ロサンゼルスの「リトルビーチハウスマリブ」、そしてもちろんいちばん最初の拠点「40グリークストリート」など、それぞれが特別ですし、愛着もあります。ですが、この「ソーホーハウス東京」も私たちのベストのひとつになると確信しています。

――最後に、世界を飛び回っているカーニーさんに、東京以外でおすすめの旅先を教えていただきたいです。「ソーホーハウス」がないところでも大丈夫です。

いい質問ですね(笑)。そうですね、メキシコシティを強くおすすめします。我々のハウスもありますよ。文化が非常に豊かで、アートシーンも活気があるし、人もファンタスティックです。最近、訪れて心が揺さぶられた都市です。まだハウスはないのですが、ソウルの食やビューティをはじめとするウェルネス系の文化にも注目しています。反対に、日本でおすすめのデスティネーションがあればぜひ教えてください!

ソーホーハウス東京
東京都港区南青山3-8-35
公式サイト

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