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「2カ月延ばして」15年支えた会社からの執拗な引き止め。絶望の淵にいた「残業ねこ」が自由を手にするまでの壮絶記録【作者に聞く】

  • 2026.4.20
今日も残業。連日の残業続きでお疲れのねこ 画像提供:あおいし(@ao144444)
今日も残業。連日の残業続きでお疲れのねこ 画像提供:あおいし(@ao144444)

離席する同僚に「さよなら」は言わない。数時間後にはまた職場で顔を合わせるからだ。連日の残業は当たり前、昼食は片手で食べられる「ラップ飯」や賞味期限切れのパンで済ませる。そんな過酷な労働環境に身を置いていた「残業ねこ」が、15年分の怒りを爆発させた。あおいし( @ao144444 )さんの実録漫画『残業ねこ』は、転職先探しから執拗な足止め工作まで、退職に至るまでの壮絶な道のりを描いている。

今日もお疲れのご褒美は、ストロング缶 画像提供:あおいし(@ao144444)
今日もお疲れのご褒美は、ストロング缶 画像提供:あおいし(@ao144444)
残業ねこの「ごほうびめし」は半額で売られていたお寿司! 画像提供:あおいし(@ao144444)
残業ねこの「ごほうびめし」は半額で売られていたお寿司! 画像提供:あおいし(@ao144444)
残業ねこ「ごほうびめし」(4) 画像提供:あおいし(@ao144444)
残業ねこ「ごほうびめし」(4) 画像提供:あおいし(@ao144444)

「給料の安い現状に不安になり、イチからお金の勉強をしようと考えた」と、あおいしさんは当時を振り返る。学歴も資格もない現実に直面し、まずは転職サイトに登録したが、1週間たっても反応はなかった。自分の価値を底上げするため、激務の合間を縫ってファイナンシャルプランナー(FP)資格の取得に挑んだ。休日と仕事終わりをすべて勉強に充てる日々。その結果、資格を手にしたことが、大きな自信へとつながったのだ。

「2カ月延ばしてくれ」。会社側の猛烈な引き止めとベテランの葛藤

無事に転職先が決まっても、本当の戦いはそこからだった。民法では2週間前の告知で退職できるとされるが、上司からは「2カ月延期してほしい」と打診を受ける。繁忙期という事情に加え、15年支えてきたベテランの離脱は会社にとって痛手だった。「仕事量が多かったので、引き継ぎはきちんとして辞めようと思っていた」とあおいしさんは語るが、その誠実さがかえって退職を困難にした。

決断を下すまでには数年を要したという。長く勤めた場所だからこその葛藤があり、退職が決まってからも同僚の目が気にかかるつらい日々が続いた。あおいしさんは「円満退社はよほどな理由がない限り難しい。周りのことは気にせず、気持ちを切り替えて行動したほうがよい」と、実体験に基づく重みのあるアドバイスを寄せる。

努力でもぎ取った自由。ストロング缶に込めた自分への「お疲れさま」

あおいしさんは現在、FP資格が生かせる職種とは別の道へ進んだ。しかし、得た知識は公私ともに役立っているという。何より「自分の力で現状を変えた」という事実が、新たな一歩を後押しした。数年間の悩みを経て、ようやく手にした解放の瞬間。努力の末にもぎ取った退職という名の自由は、格別の味だったに違いない。

ストロング缶を片手に、かつての自分に「お疲れさま」を届けるねこくんの姿は、同じように苦しむ多くの人へ勇気を与えている。あおいしさんの作品は、会社を辞めることの難しさと、それでも自分の幸せのために行動することの尊さを教えてくれる。

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