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【ネタバレあり解説】見苦しくない中年になりたいなら、ぜひ劇場で観て。『これって生きてる?』

  • 2026.4.17

ちょっとした時間があるとき、未見の映画やドラマに手を出したいんだけど、分かんないから好きなのを繰り返し観ちゃう……という方。映画ライターよしひろまさみちが実際に観て偏愛する作品を、ネタバレ上等な私見&本音でおすすめしますよ〜。

よしひろさん、「きのう何観た?」 『これって生きてる?』

story 長年連れ添った夫婦アレックス(W・アーネット)とテス(L・ダーン)は、ともに中年の危機を迎え、結婚生活は終わりに。失意のアレックスはたまたま訪れたコメディクラブで舞台に上げられ、夫婦生活のエピソードを話したところ大受けしてしまい……。
監督・出演:ブラッドリー・クーパー/出演:ウィル・アーネット、ローラ・ダーン ほか/配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン/公開:現在、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー中
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厄介な更年期、自覚しましょう

じつはあたくし、3月末くらいから猛烈な抑うつ状態に陥りました。「こんなの……初めて(きゅるん)」と茶化すだけの元気を失うほどだったので、過去一のダウン状態。マジこんなの初めて。そんなときに、こんなもん観ちゃったことで、「あかんで!」と自分を奮起したんですよ。それが公開中の『これって生きてる?』。ブラッドリー・クーパーが監督&出演し、彼の親友ウィル・アーネットが主演を務めたヒューマンドラマ。というか、お年頃の方がご覧になったらブラックコメディ。
 

こういう幸せなときがある人ほど、更年期を自覚しないと後悔します。マジで

ここで描かれているのは、いわゆる中年の危機。ミッドクライシスってやつです。これをテーマにした映画、特に笑い飛ばす系のコメディはけっこうたくさんあって、古くは『アメリカン・ビューティー』とか『サイドウェイ』とか『LIFE! ライフ』とか。あ、どっちも割とシリアスで笑い飛ばせないか……いや、笑わないときつい。で、『これって生きてる?』も前述ミッドクライシスの傑作群と同じく男目線。この手の映画が作られるのって、全世界どこにでもこういう苦悩を抱えた中年がいるってことですのよね。特に厄介なのは男ってことなんですよ。
 
っていうのも、女性の場合、からだの変化があったりで明確に「更年期」が分かるじゃないですか。いや、分かりにくい方や更年期なしの方もいるけど、でも男よりは明確。しかも、なんちゃらの母のようなドラストのおクスリも昔からあるのよね。加齢からくるホルモンのアンバランスによって、心とからだのバランスを崩してしまうのが更年期。こりゃ誰にも止められないし、もうどうにも止まらないわけで、おクスリでもなんでもぶっこんでバランスを保ったほうが世のため自分のためだと思うの。
 

ところがよ。男って世間体とかプライドとか、古くからある「男らしくあれ」みたいな価値観のせいで、更年期を認めたがらないのよね……。男にも更年期あるよ! っていう認識は以前よりは浸透したけど、いざ自分がそうだってのは認めたがらないもんで。あぁ、厄介。
 
と、前置き長くなっちゃいましたが、そんな厄介の真っ只中にこの作品を観ると、アレックスの微妙な心持ちや、妙な悲劇のヒロインモード、お友達に甘えムーブなどなどが手に取るように分かるのよ。恐ろしや〜。

離婚危機は『マリッジ・ストーリー』と似てますが、こちらのほうが厄介かつ等身大です

この映画と似て非なる『マリッジ・ストーリー』という傑作もあるんだけど、あれはもうちょい若い設定だし、なんなら公私が近過ぎてアラばかり目につくようになった夫婦の危機。同じテーマに見せかけて全然違うの。こうして見比べられるようになったのも、華麗に加齢したおかげかしらね。って、ことで、あたしと同世代、もしくはこれから更年期を迎えるにあたり「見苦しくないようにしたい……」と思っている方には、劇場でご覧いただきたいわ〜。

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