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「顔」が最重要!?本人に悪気はないが人を傷つけドン底に落とすイケメン男子に「バケモンだ…」読者震える【作者に聞く】

  • 2026.4.15

北海道から東京に出てきて大学生活をスタートさせた1人の“えげつないイケメン”がいた。顔はまるで天使のように美しいが、友達はひとりもいなかった。物語を読み進めていくと、その理由にも納得。彼は極端な顔面至上主義者で、そのくせ自分の顔面について触れられると「また顔が一人歩きしてる。やだなあ」「顔のせいでキャラを勘違いされがち…」と嫌な顔をするのだった。

たまたま流れてきたSNSでイケメンを発見! 黒うるり(@kuro_ururi)
たまたま流れてきたSNSでイケメンを発見! 黒うるり(@kuro_ururi)

本作『あの素晴しい顔をもう一度』は、全く悪気はないが人を傷つけ、地獄の底まで落としていくイケメン男子が主人公である。本人に「人を傷つけている」という自覚がない分、かなりたちが悪い。ストーリーは、“顔が好み”というだけでファンになった推しのお笑い芸人に彼が会いに行くところから始まるが、最終的に彼のせいでそのお笑い芸人は解散し引退してしまう。なぜそんなことになってしまうのか?本作を読んだ読者たちは「こんなん壊れますわ」「本物のサイコパスだ...」「バケモンの描き方がうますぎる…」「ギャグかと思ったら怖い話だった…」と震え上がった。

お笑いにはさほど興味はなかったが顔面が好みでファンになる 黒うるり(@kuro_ururi)
お笑いにはさほど興味はなかったが顔面が好みでファンになる 黒うるり(@kuro_ururi)

本作を描いたのは「週刊ヤングジャンプ」(集英社)やヤングジャンプ編集部が運営するWeb漫画サイト「となりのヤングジャンプ」にて作品を掲載中の漫画家・黒うるり(@kuro_ururi)さんである。最新作『マスターモチベーション』は「週刊ヤングジャンプ」本誌に掲載され、現在Web漫画サイト「ヤンジャン+(プラス)」で無料で読むことができる。「となりのヤングジャンプ」では『ハロー袋のネズミ』も無料配信中である。本作『あの素晴しい顔をもう一度』は、マッグガーデン主催の「第24回MAGKAN漫画賞」のノミネート作である。本作について黒うるりさんに詳しく話を聞いてみた。

中盤から読者も震え上がるドス黒い展開へと様変わりしていく 黒うるり(@kuro_ururi)
中盤から読者も震え上がるドス黒い展開へと様変わりしていく 黒うるり(@kuro_ururi)

――本作の主人公・花宮くんは悪気はなく気弱そうに見えて、ちょっと厄介な性格ですね。読者が震え上がっていましたが、このキャラはどのようにして生み出されたのでしょうか?

「誰かの人生に影響を与える人」を描きたいと思いました。ポジティブな方向かネガティブな方向か悩みましたが、オム・ファタール…人生の狂いや呪いを残すような人に決めました。また「共感できる主人公」ではなく「共感できない主人公」という目線から描くのは新しいのではないか?と考え、徹底して共感できない人間を意識して生み出したのが彼です。

――具体的にいいますと…?

「悪気はないけど、人へ悪影響を及ぼす」「優れた外見をしているのに、なぜかびくびくしている」…など、どれもはたから見たら理解できない感情や行動です。主人公の狂気には「好みの顔に対しては何をしてもいい」という、彼なりの論理があるという点を意識してキャラ作りをしました。

――主人公の狂気には読者が震え上がっていましたね。

描き上げた直後は、読み味やテーマを整理できていませんでしたが、今は「誰かに与える影響=読者に“ゾッとしてもらいたい”」でもあったのだなと感じています。

――「顔面至上主義」をモチーフとしたきっかけについて教えてください。

きっかけは、担当編集さんから「イケメンを描く機会を作りましょう」という提案を受けたことです。お笑いが大好きなので、イケメンと言われて思い浮かんだのは、華のある芸人さんでした。劇場にもよく足を運ぶのですが、客席を観察していると、服装やしぐさで舞台上の人よりも目立つ方にたまに遭遇します。その目立つ理由が「舞台に立つ人より圧倒的に華があること=イケメンであること」という切り口はどうだろう?と考えたのが始まりです。

――本作に込めたメッセージは…?

あえてメッセージを伝えるなら、「自分に正直に生き過ぎるホラーエンタメを楽しんでください」…ですかね。

――「週刊ヤングジャンプ」に掲載された最新作『マスターモチベーション』は、現在「ヤンジャン+(プラス)」にて無料配信中だそうですが、作者の視点から見どころを教えていただけますか?

承認欲求を求める手段に小説執筆を選んだもののうまくいかないサラリーマンと、既に評価されているプロ小説家だけれども承認欲求とは無縁の後輩OLの話です。「自分のために行動すること」を主軸にしているので、ほかの趣味でも自分のために何かを求める人に刺さればいいなと思います。

見どころは、終盤の後輩OLがなぜ主人公に親身なのかを笑顔で伝えるシーンです。彼女が認められたかったのは読者ではなく、身近な人であったことがわかるという展開です。

お笑い芸人が引退に追い込まれたのは「お前のせい」と言うが…? 黒うるり(@kuro_ururi)
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本作の主人公である花宮くんは、芸能人並みのえげつないイケメンであるが、本人は自分の顔面偏差値の高さに自覚はなく、ただただ“イケメン好き”で推しのお笑い芸人を追いかけている。「芸より顔を売り」にしていたお笑い芸人は、“本物のイケメン”に追いかけられ次第に心が壊れていくのだが、追い込んでいく花宮くんにその自覚はない…。本作を読み終えた読者から「コンビニのシーンでリアルに声が出ました。怖いよ〜」という声が届いたが、コンビニで主人公と憧れのお笑い芸人が対面するシーンはまさに背筋が凍る見どころだ。個人的な感想を述べさせてもらうと、最後の1ページのラストのセリフに一番恐怖を感じたので、ぜひ最後まで読んでみてほしい。

取材協力:黒うるり(@kuro_ururi)

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