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“退職金2,000万円”を受け取った60代男性→『金利が年5%つく』銀行員の勧めで定期預金へ…その後、判明した“想定外の事実”

  • 2026.6.10
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。金融ライターのやまおかです。

「退職おめでとうございます!今なら当行限定の『退職金特別運用プラン』で、定期預金の金利が年5%つきますよ!」

定年退職を迎えた60歳のSさん(仮名)。退職金2,000万円を手に銀行の窓口を訪れた際、担当者から手渡されたのは煌びやかなパンフレットでした。多くの銀行がインフレ対策を名目に展開するこのプランは、今まさに店頭で最も売れている看板商品です。

しかし、銀行員として現場を知る立場から見ると、このプランには注意すべき構造があります。Sさんが契約したプランは、一見すると非常に有利な定期預金ですが、実態は「高金利の定期預金」と「手数料が発生する投資商品」をセットで申し込む仕組みだったのです。

「金利5%」のメリットと合わせて知っておきたいこと

ここには金融業界特有の数字のトリックが仕組まれています。

まず、「年利5%」という破格の金利が適用されるのは、わずか「3か月」だけというケースがほとんどです。仮に2,000万円のうち半分の1,000万円を預けたとしても、期間終了後に受け取れる利息は税引き後でわずか10万円程度に過ぎません。

一方で、この高金利を適用させる条件は「投資信託や外貨建て保険をセットで買うこと」です。これらは銀行窓口専用の高コスト商品が主流で、購入時に約3%(1,000万円であれば約30万円)もの販売手数料が天引きされます。

お気づきでしょうか。「10万円の利息を得るために30万円の手数料を支払う」。

このように、定期預金で受け取る利息よりも、セットで購入する投資商品の販売手数料の方が高くなるケースは少なくありません。もちろん、セットの投資信託などが将来的に値上がりして利益を出せる可能性はありますが、スタート時点で一定のコスト負担(含み損)を抱えるリスクがあることは理解しておくべきです。

なぜ銀行はそこまでして「セット販売」を勧めるのか

銀行の現場では、預金口座の維持だけでなく、投資信託や保険商品の販売による手数料収益が重要な経営指標となっています。そのため、定期預金の高金利キャンペーンをきっかけに、手数料が発生する投資商品をあわせて提案するケースが多く見られます。

長年付き合いのある銀行からの提案であっても、それが「元本保証の預金」なのか「元本割れリスクのある投資商品」なのか、契約内容とコストを個別に精査することが重要です。

管理コスト(信託報酬)というリスク

さらに留意すべき点として、セットとなる投資商品の多くには、運用期間中に「年1.5%〜2%」ほどの信託報酬(管理コスト)が継続して発生することが挙げられます。運用成果によっては、定期預金の利息や元本を上回るコストが引き落とされ続けるリスクもあります。

窓口で魅力的なキャンペーンを提案された際は、その場の雰囲気だけで決めず、一度持ち帰ってシミュレーションをしてみることが大切です。受け取る利息(リターン)と、初期費用および将来的な管理コスト(総リスク)を冷静に比較した上で、慎重に判断しましょう。


監修・執筆者:やまおか(元銀行・証券会社社員/FP)
大手証券会社を経て銀行へ出向。窓口にて資産運用コンサルティングに従事。現在はFPの知見を活かし、銀行・証券の裏側を知る立場から、読者の資産を守るリアルなマネーコラムを執筆します。

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