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“月12万で新築マンション”を購入した40代男性→「これなら家賃並み」と思いきや…11年後、金融機関から届いた“1通の通知”

  • 2026.6.14
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や住宅ローンのご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、10年固定で組んだ住宅ローンの当初固定期間が終わり、毎月の返済額が約2.5万円跳ね上がってしまった40代会社員Bさんの体験談です。

「金利優遇は永久に続くもの」と思い込んでいた一家が、教育費のピークと重なる時期に直面したヒヤッとする現実をご紹介します。

「家賃並みの12万円」で踏み切った、35年の住宅ローン

Bさんは現在40代後半の会社員。奥さまと中学生・小学生のお子さん2人と暮らす4人家族です。

2016年頃、念願の新築マンションを4,500万円で購入。組んだのは「当初10年固定1.0%」の35年ローンでした。営業担当者から「住宅ローン控除も10年使えますし、当初引下げ幅▲1.7%でかなり優遇されています」と説明を受けたそうです。

月々の返済額は約12万円台。「これなら家賃並みです」と納得し、契約書にサインをしました。

「優遇という言葉は聞きましたが、それが10年間限定の話だという意識は薄かったんです」

Bさんは振り返ります。当初固定型と通期引下げ型の違いを確認しないまま、漠然と「ずっとこの返済額で進む」と思い込んでいたといいます。

11年目に届いた、「当初固定期間終了」の通知

借入から10年が経った頃、金融機関から一通の通知が届きます。

「当初固定金利期間が終了します。今後の金利タイプをお選びください」

Bさんは慌てて窓口へ。担当者からはこう告げられました。

「当初10年間は引下げ幅が▲1.7%でしたが、11年目以降は▲0.7%に縮小されます。これは契約時の条件です。基準金利自体は当時とほぼ変わっていませんが、引下げ幅が小さくなることで、適用金利が上がる仕組みになっています」

Bさんが選んだのは、再度10年固定。ところが新たに適用される金利は約2.5%。月々の返済額は約12万円台から15万円台へと、およそ2.5万円アップしました。

ちょうど長女が高校受験、長男が中学受験を控える時期。塾代や私立校の学費が膨らみ始めるタイミングと、ぴたりと重なってしまったのです。

「家賃並みのはずだった返済が、急に肩にのしかかるようになりました」

「優遇後の金利」を、契約時に確認していたか

こうした事態は、住宅ローンの「当初引下げ型」では制度上ありえる結末です。当初引下げ型は固定期間中の引下げ幅が大きい代わりに、期間終了後の引下げ幅は縮小される設計が一般的です。一方、借入期間を通じて同じ引下げ幅が続く「通期引下げ型」もあり、両者の総支払額は条件次第で逆転することもあります。

契約時の書面には優遇後の引下げ幅も記載されているケースが多いとされますが、目先の返済額の安さに目が行き、10年先の条件まで読み込まないまま契約してしまう方は少なくありません。

Bさんの場合も、救済の余地がまったくない訳ではありません。他行への借り換えを検討する、現在の金融機関に返済条件の変更を相談するといった選択肢は残されています。借り換えは諸費用がかかるため、残高や残り年数によって損益分岐点が変わりますので、複数行で試算してもらうのが安全です。

「当初の安さ」より、「10年後の景色」を見る習慣を

2026年5月時点でも、当初固定型の住宅ローンは引き続き販売されています。決して悪い商品ではありませんが、「優遇は永久に続く」という思い込みだけは禁物です。

これから住宅ローンを組まれる方は、ぜひ「当初の金利」と「優遇期間終了後に適用される金利」の両方を、書面でご確認ください。すでにローンを抱えていらっしゃる方は、ご自身の契約が「当初引下げ型」か「通期引下げ型」か、優遇期間の終了時期はいつかを、一度棚卸しされてみましょう。

10年後の家計には、お子さまの進学という大きな山が待っていることが多いものです。「そのとき返済額がどう動くか」を、住宅ローンを組む前に一度シミュレーションしておく一手間が、未来の家計を守ってくれると私は考えています。


※金利2.5%は試算上の例示です

監修者:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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