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“月6万”で奨学金を借りた20代男性→「社会人になれば少しずつ返せる」と思いきや…5年後、待ち受けていた”想定外の事態”に絶句

  • 2026.6.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

奨学金は、進学を支えてくれる心強い制度です。学生時代は、学費や生活費の支えとして助かる一方で、卒業後は毎月の返還が始まります。借りているときは「月に数万円なら何とかなる」と感じていても、社会人になると家賃や食費、通信費などの支出と重なり、家計を圧迫することがあります。

特に見落としやすいのが、毎月の返還額ではなく、返還総額です。月1万円台の返還でも、10年、15年と続けば、累計では大きな金額になります。

日本学生支援機構の奨学金には、無利子の第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があります。第二種奨学金は利子付きのため、貸与額や利率によって返還総額が変わります。

この記事では、20代会社員の事例をもとに、奨学金返還が家計に与える影響と、返還が厳しくなる前に確認したいポイントを解説します。

奨学金は「月1万円台」でも家計を圧迫する

Aさんは、20代後半の会社員です。

大学時代に、毎月6万円の奨学金を4年間借りました。貸与額は、6万円×48か月で288万円です。

在学中は、学費や生活費の一部として使っていたため、「社会人になれば少しずつ返せるだろう」と考えていました。卒業後、返還は毎月約1万5,000円から始まりました。

最初は、そこまで重い負担とは感じませんでした。しかし、社会人生活が始まると、家賃、食費、通信費、光熱費、保険料、交際費など、毎月の支出は想像以上に多くなります。

手取り22万円のAさんの場合、家賃8万円、食費4万円、通信費1万円、光熱費1万5,000円、日用品や保険料などで、毎月の支出はすぐに膨らみました。そこに奨学金の返還1万5,000円が加わると、自由に使えるお金は限られます。

さらに、友人の結婚式、引っ越し、家電の買い替えなど、予定外の支出もあります。Aさんは、返還開始から数年は何とか支払えていたそうです。

しかし、卒業後5年が経ったころ、改めて返還予定を確認して、負担の大きさを実感しました。毎月の返還額は小さく見えても、利率によっては返還総額が300万円前後になることがあります。毎月1万5,000円を5年間返すと、合計で90万円です。それでも、まだ返還は続きます。

Aさんはそこで初めて、奨学金は「毎月少しずつ返すもの」ではなく、「長期間続く固定費」だったと感じたそうです。

返還があるため、毎月の貯金は思うように増えません。旅行や資格取得に使いたいお金も、返還を優先すると後回しになります。

「学生時代は助かったけれど、社会人になってからここまで長く家計に影響するとは思わなかった」

Aさんは、月額だけでなく、返還総額と返還期間を見ておくべきだったと思ったそうです。

「少額だから大丈夫」で見落としやすい落とし穴

奨学金で見落としやすいのは、月額と総額の差です。毎月1万5,000円なら、何とか払えると感じる人は少なくありません。

しかし、年間では18万円です。10年続けば180万円、15年続けば270万円になります。第二種奨学金のように有利子の場合は、貸与額や利率によって返還総額が変わります。そのため、返還を考えるときは、次の点を確認する必要があります。

  • 返還総額はいくらか
  • 毎月の返還額はいくらか
  • 返還期間は何年続くか
  • 第一種か第二種か
  • 利率はどのように決まっているか
  • 返還が厳しい場合の制度を知っているか

また、早く返したいからといって、手元資金をすべて返還に回すのも注意が必要です。日本学生支援機構では、返還額の全額または一部を予定より早く返す「繰上返還」が可能です。

一部繰上返還をした場合、繰り上げた分の返還期間は短くなり、翌月からの返還は通常どおり続きます。また、第二種奨学金では、繰上返還をした部分について、返還期日が来ていない期間の利子負担を抑えられる場合があります。

そのため、予定どおり返す場合より、返還総額を抑えられることがあります。※ただし、貯金が少ない状態で繰上返還をすると、急な病気、転職、引っ越しなどに対応しにくくなります。

たとえば、貯金が30万円しかない状態で20万円を繰上返還に回すと、手元に残るお金は10万円です。その直後に引っ越しや家電の故障があれば、クレジットカード払いや別の借入に頼る可能性があります。奨学金を早く返すことは大切ですが、生活費の備えを残したうえで判断することが重要です。

返還が厳しくなった場合は、延滞する前に制度を確認しましょう。経済的に返還が難しい場合、毎月の返還額を減らす減額返還や、返還期限を待ってもらう返還期限猶予があります。いずれも願い出が必要で、審査があります。

減額返還では、毎月の返還額を2分の1、3分の1、4分の1、3分の2に減らし、その分、返還期間を延ばします。第二種奨学金の場合、減額返還で返還期間が延びても利息は増えません。返還期限猶予を使う場合も、第二種奨学金では猶予期間中の利息は増えない扱いです。

※なお、第一種奨学金で所得連動返還方式を選んでいる場合は、減額返還制度を利用できません。その場合、返還が難しいときは返還期限猶予を検討することになります。

奨学金は、返せなくなってから慌てるのではなく、苦しくなる前に制度を確認することが大切です。

FP視点で見る奨学金返還の家計管理

まず、奨学金を「毎月必ず出ていく固定費」として考えることが大切です。手取り22万円で奨学金返還が1万5,000円ある場合、手取りの約7%が返還に回ります。この割合だけを見ると、大きく見えないかもしれません。

しかし、家賃や食費、通信費などと重なると、家計の余裕は少なくなります。繰上返還を考える場合は、生活費の3か月から6か月分を残してから判断する方が現実的です。返還が厳しい場合は、放置せず、減額返還や返還期限猶予を早めに確認しましょう。

奨学金は、借りるときは進学の支えになります。しかし、返すときは長く続く家計負担になります。月額だけで判断せず、返還総額、返還期間、毎月の生活費をあわせて確認することが、無理のない返還につながります。

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