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かけおち・青木マッチョのエッセイ連載「青木マッチョの三十年史」【第11回】「消防士時代に培った趣味たち/消防士のプライベート編①」

  • 2026.4.11

>>「中学時代①」はこちら

お疲れ様です。

青木マッチョです。

前回、消防士時代の仕事について書かせていただきましたが、今回は消防士時代のプライベートの過ごし方について書かせていただきたいと思います。

そんなにプライベートで書くことがあるのかと思われるかもしれませんが、消防士って割と時間があるんですね。市区町村によるとは思いますが、自分の勤務していた消防署の勤務体制としては、

24時間勤務→休み→24時間勤務→休み→24時間勤務→3日間休み→24時間勤務……

という勤務サイクルでした。これを「2交代制」と言います。

もう1つ、「3交代制」というのもあり、そちらは

24時間勤務→2日間休み→24時間勤務……

というシンプルなもので、消防士になる前はどう考えても3交代制のほうがいいのではと思っていました。

ですが、3交代制のほうは基本的には1年間ずっと、先ほどのシンプルな勤務サイクルを繰り返し続けるのに対し、2交代制は「調整休」というのが1ヶ月に1〜3回ほど入るため、勤務→休み→休み→休み→勤務になったり、勤務→休み→休み→休み→休み→休み→勤務になったりします。

分かりやすく言うと、毎週最低1回は3連休があり、月に1〜2回は5連休を作れるのです。

……すごくないですか!?!?!?!?

知ってましたか? これだけ休みがあることを。月に10日間ぐらいしか出勤しないんですよ。まあそれも、24時間勤務しているから、勤務時間的には一般的な公務員と変わらないみたいです。

給料も公務員なのでそこそこあり、毎週3連休もあるしということで、自分は消防士の6年間でいろいろな趣味を作りました。

今回はその休みの日に何をしていたのかという話をしていきたいと思います。

まずは、ラグビー。ラグビー???

そう、何を隠そう自分が勤務していた消防署では、ラグビー部が盛んであり、新人はまずラグビー部に入ることを勧められて、ほとんどの隊員が経験のあるなし関係なくラグビー部に入部します(決して強制ではございません)。

うちの消防署のラグビー部はなかなか強く、練習にもかなり力を入れていて、24時間勤務が終わった後にそのまま昼まで練習するという、ただでさえ勤務でヘトヘトになる自分からしたらかなり大変でした。自分は高校でラグビーをやっていましたが、あまりラグビー部への入部に前向きではなかったので、江戸時代の隠れキリシタンの如く、ラグビー部出身であることは隠していました。隠れラグビアンです。

なので、ラグビー部の勧誘を受けてもうまいことかわすことに成功していました。

ですがそんな中、1年目の冬ぐらいに寝坊したか何かで自分が怒られていた時のことです。

ひとしきりしっかり怒られたところで、上司が言いました。

「青木って高校でラグビーやってたらしいな」

すかさず自分も答えます。

「どこでそれを……」

上司はニヤリと笑い、こう言いました。

「もう、ラグビー部入ろっか」

自分は全てを諦め、

「……はい」

と返事をしました。

そのような出来事があり、大変ありがたいことにラグビー部に入部させていただいたのです。

なので基本的には勤務が終わってから昼まではラグビー部の練習がありました。筋トレでいうところのドロップセットみたいなもんですね。勤務でしっかり体を疲れさせた後に、最後の追い込みでラグビーの練習で力を出し切る。そのような生活を送っていました。なんで。

職場の部活といいながらも割と本格的で、リーグ戦の試合や合宿までありました。

自分は高校の時から全くうまくないのになぜかレギュラーメンバーに入るという特性がありましたが、消防のラグビー部でもその能力は健在でした。

なのでちゃんと試合の日は休みをとっていたし、ちゃんとレギュラーとして試合に出て、高校の頃と同じように試合でミスしまくって怒られる流れでした。こんなに高校から変わらないことあるんですか。

合宿は、ラグビー合宿の聖地、長野県の「菅平」まで行ってました。

上司たちはうまく休みを調整できるのですが、なかなか希望通りに休みを取りづらい若手とかは24時間勤務が終わった後に、そのまま車を4時間ほど運転して菅平まで行き、練習や試合をして、夜にバーベキューをして、そのまままた4時間ほど車を運転して帰り、次の日また出勤とかもありました。

相当ラグビーが好きじゃないとやれないようなことをラグビーをやったことのない新人部員とかもやっていたのだから、やはり消防士のメンタルの強さは見習うところがあるよなぁと思います。

そんなラグビーもやりつつ、自分はもう1つ仕事として休みの日にやっていたことがあります。それは、「音楽隊」です。

音楽隊とは、消防士と市民のボランティアで構成される吹奏楽団で、音楽や子供向けの寸劇を披露することで市民への防災啓発をするという活動をしていました。

自分はもともとドラムをやっていたこともあって、音楽隊のドラムをやらせていただいたのですが、入隊当初はかなり大変だった記憶があります。

なぜならそれまではバンドでドラムを叩いていたのですが、バンドのドラムと吹奏楽のドラムでは勝手がかなり違ったからです。

バンドのドラムは、演奏する人数も少ないですし、正直ドラムのリズムがそこまで一定ではなくてもメンバーがドラムに演奏を合わせてくれます。

ですが吹奏楽には指揮者がいて、演奏する人数も多いので、リズムキープをする力がかなり重要になってきます。

それまでドラムをやってきていたものの、リズムキープにそこまで重きを置いていなかった自分にとっては、かなりの苦痛でした。

吹奏楽の配置は、基本的に一番前に指揮者がいて、バンドと同じくドラムは一番後ろにいるのですが、少しでもリズムがずれたり、ドラムを間違えたりすると、前にいる消防の先輩方だったり市民の方が一斉にこちらを振り返ってくるんです。

これ、経験したことある方少ないと思うのでわからないかもしれませんが、めちゃくちゃ怖いです。無言の圧力と言いますか。個人的には演奏の音圧よりもその視線の圧力のほうが何倍も大きく見えました。

皆に見られることによって焦ってテンポがさらにずれていく。それに気づいているのにだんだんとこちらを振り返る人が減っていく。もう「諦め」を背中で表しているかのように。みんなの背中に「諦め」という字が見えてくるような感覚です。

流石にこのままではまずいと思い、それまで自分が避けていたリズム感をつけるようなトレーニングを休みの日にやるようになりました。

メトロノームを買って、小さい丸いパッドを買って、ただ一定のリズムでそのパッドを叩くだけの練習。

このトレーニングをたくさんして、音楽隊のために音楽スタジオに入って実際ドラムを叩いて曲を覚える。

本来楽譜を見ながら演奏してもいいのですが、指揮者のリズムをメトロノームがわりにしていたので、常に指揮者を見られるように楽譜は基本的に覚えました。

同期の結婚式の2次会を抜け出して1人でスタジオに行ってドラムの練習をしたこともありました。これに関してはただ2次会の雰囲気が苦手でスタジオに逃げただけな気もしますが、そのときはかなり力強いドラミングができていたと思います。

そのドラムつながりで、民族楽器の練習をすることもありました。

自分のことをある程度知ってくれている方ならわかるかもしれませんが、自分は「カリンバ」というアフリカの民族楽器を演奏してそこそこバズったりしています。

周りからは、ネタのために芸人になってからカリンバを始めたと思われているかもしれませんが、これも消防士時代の休みの多さが生んだ賜物です。

消防署には「仮眠室」という寝るための個人部屋があるのですが、自分が訓練でヘトヘトになった際、休み時間を利用してその仮眠室の中で癒やされるためによくジブリのオルゴール音楽などをYouTubeで聴いていました。

この時点で、大男が狭い部屋で1人ジブリの音楽を聴いているというなかなかヤバい状況ではあるのですが、休み時間もそろそろ終わるという頃、そのYouTubeの画面を見てみたらオルゴール音を流しているだけかと思いきや、女性が楽器を演奏している動画だったんです。

調べてみるとその楽器が「カリンバ」という楽器であることが判明し、幼少期からピアノをやっていた自分は、すぐに「この楽器を演奏できるようになれば、自分で自分を癒やす音楽を奏でることができてなんかコスパ良さそう」と思いました。

そしてすぐにカリンバを購入し、休みの日に楽器の練習と癒やしを同時にしていました。それがまさかの今に活きています。本当何が活きてくるかわかりませんね。

思っていた消防士の休日の使い方じゃなくてすみません。

一応ちゃんと合コンに行ったこともありますが、マッチョそのもののウケが悪すぎるというのと、自分が合コン中静かすぎるということで速攻メンバーから外されました。

他には、大型バイクの免許をとって、ハーレーを買ってツーリングに行くようになりました。

これに関しては、ジェットコースターがもともと異常に好きで、よくナガシマスパーランドという三重県の遊園地に行っていたのですが、バイクに乗れば同じような体験が簡単にできるのではないかという考えからです。

ハーレーにした理由は、消防士は実はハーレー乗りが多くて、その先輩方に勧められてという感じです。

もちろん新車ではなく中古車ではありますが、そこそこ新しいファットボーイ(ターミネーター2でシュワちゃんが乗っていたやつ)にしました。

なぜならマッチョが乗っていいことが映画で証明されているからです。

今思うと消防士でバイク乗りが多いのってよくわからないんですよね。

消防士って火を消すだけではなく、交通事故の現場もよく行きます。もちろんその現場はバイク事故の場合もあります。

そういったバイク事故の悲惨な現場を見ているにもかかわらず、結構な人数がバイクに乗っていました。

これに関しては消防士の不思議なところであり、危険性を上回る魅力がバイクにはあるのかもしれません。

ちなみに自分は、ヘルメットが似合わなすぎだといじられたことでバイクに乗るのが億劫になっていき、上京前日に売りに出したバイクは150万で買ったのに1万で売られてしまいました。業者に「明日引っ越すんです」と言ったことで完全に足元を見られた瞬間でした。足元を見るな。

次に、趣味としてやっていたのは「キャンプ」です。

キャンプといっても「ソロ」キャンプ。いわゆる1人でするキャンプです。

これを始めたきっかけは明確に覚えています。

ある休みの日に、キャンプが大好きな先輩から誘ってもらい先輩3人と自分でキャンプに行きました。

もちろん、テントの設営やキャンプ飯、焚き火など火の起こし方は先輩たちに教えてもらいました。

行く前は、「そんな陽キャの人しかやらなさそうなアウトドア、流石に厳しいかな」と思っていたので、正直行きたくなかったのですが断るのも気まずいので行きました。

すると、自分の予想に反してめちゃくちゃ楽しかったんです。外で食べるご飯はやっぱり美味しいし、焚き火は見ているだけで癒やされる。夜は星空も綺麗に見え、初めて食べるスモア(焼いたマシュマロとチョコレートをクラッカーで挟んだもの)が美味しすぎて大興奮して、朝起きて綺麗な空気のもとで飲むコーヒーはまた格別……。

「これは楽しい!!!」と思ったのと同時に、さらに強い気持ちでこう思ったことを今でも鮮明に覚えています。

「1人でやったらこれの何百倍も楽しそうだな」

そこから自分でキャンプグッズを揃え、車もセダン車からトラックに乗り換えました。

それで1人でキャンプに行くようになりました。

上京する際、先輩の家に全てのキャンプグッズを置いていったので、その先輩が今でも自分の集めたグッズを使ってくれていることを願います。

最後の趣味に移る前に、やってみたけどハマらなかった趣味を少し紹介します。

・ボルダリング

筋トレしてるし、手足長いから得意かなと思ってやってみたが、手が大きすぎるからかほとんどの石?を握れなかった。体重も重たく、向いてないと思い1回でやめる。

・ウクレレ

ウクレレ弾けたらいいなと思い、割といいウクレレを楽器屋さんで買って弾いてみたが、手が大きすぎてどう頑張っても弦1本だけを押さえるのが不可能すぎて挫折。

・ロードバイク

職場でも乗ってる人も多かったし、自転車を漕ぐの気持ちよさそうだなと思い、ロードバイク専門店に行っていろいろ物色して、何を買うか決めるまでいったが、帰りに乗った車が普通に乗り心地良すぎて、「車のほうがいいな」と思い購入直前でやめる。

それでは気を取り直して、最後にハマった趣味は「旅行」です。

消防士は冒頭に言った通り、かなり時間があります。

その時間を利用して旅行に行くことにしました。温泉、というより温泉街の雰囲気がめちゃくちゃ好き

なので、しょっちゅう温泉旅行に行っていました。

おそらく有名どころの温泉地は全て行ったと思います。

有馬温泉に関しては割と高頻度で行ってました。

5連休を使って、1人で北海道旅行をしたこともあります。函館の朝市で海鮮丼を5軒ハシゴしました。そういうことができるのが一人旅の良さでもありますね。

また、自分はバンドのライブに行くのが好きだったので、セックスマシーン‼というバンドのライブは割と全国どこでも行きました。そのついでに観光したり、名物料理を食べたりしていました。

そういう意味では、いろんなところに連れて行ってくれたセックスマシーン‼さんには感謝しかありません。こういう時に名前出しづらいのでいい加減バンド名変えてください。

そのように全国各地を旅していましたが、自分が消防士時代に圧倒的に行っていたのは「大阪」です。

おそらく地元の名古屋駅よりも、大阪のほうが歩いた時間は長いと思います。

なぜそんなに大阪に行っていたのか。

次回の大阪編(GANTZみたいですね)で1本書かせていただきます。

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