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「ちょっと触られただけやろ」我が子の痴漢被害を信じない母親。義父の性的虐待を生んだ最悪の家庭環境【作者に聞く】

  • 2026.4.10
スカートの呪いが解けるまで_01 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_01 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ

小学校低学年で見知らぬ男性からお尻を触られ、高学年では義理の父親が布団に入ってくる――。性被害のトラウマを抱えた漫画家の魚田コットンさんによる『スカートの呪いが解けるまで』が反響を呼んでいる。結婚や出産を経て呪縛から解放されたように見えても、未だ性的な視線には敏感で、娘には「スカートを履かせたくない」とつづられている。作者に、本作に込めた切実な思いを聞いた。

園児のころからスカートが苦手で、「かわいい女の子像」を求められるのも心の中では嫌だった魚田さん。低学年のころ、健康ランドのゲームコーナーで見知らぬ男性からお尻を触られる痴漢被害に遭う。しかし、勇気を出して母親に打ち明けても「ホントに触られてた?」「ちょっと触られただけやろ」とバカにした口調で返された。「わざわざ言うことじゃなかったのか」と言った自分を恥じる魚田さん。洋服の好みも受け入れてもらえず、被害も信じてもらえない。こうして母親には何も言えない環境が作られていった。

スカートの呪いが解けるまで_02 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_02 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_03 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_03 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_04 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ
スカートの呪いが解けるまで_04 画像提供:(C)魚田コットン/オーバーラップ

極め付きは、母親の再婚相手が深夜に布団に入ってきたことだ。義父は母親のいない隙を狙って、小学5年生の魚田さんに何度も触ったり近づいたりを繰り返す。この出来事は一生忘れられないトラウマとなった。

魚田さんはもともとブログでエッセイ漫画を描いており、いつか自身のつらかった経験を漫画にしたいと考えていた。「母の再婚相手が色々とアウトだった話」を描き、それが『母の再婚相手を殺したかった~性的虐待を受けた10年間の記録~』として書籍化されたのが本格的な執筆のきっかけだ。ブログには同じような経験をした人からコメントが届き、結婚して子どもを育てている魚田さんの現在の姿が希望になっていると感謝されたという。「重くてつらい話で誰も楽しい気持ちにならないと思いつつ、同じ思いをした人たちに『自分たちは全然悪くないんだよ』と伝えるために描いている」と明かす。

本作『スカートの呪いが解けるまで』では、多くの人が気軽に手に取れるよう、あえてマイルドな表現に抑えている。当時の「心情」をメインにし、無意識に感じていたものを言語化することや、主人公に共感できるようネーム作業で俯瞰した視点を直すことに苦労したという。

作中で描かれるのは、性的な目で見られることへの強い嫌悪感だ。魚田さんは「少し前まで『性的な目で見られる=女として終わってない、よかったじゃん』と言われる風潮があったが、実際はかなりのストレス。本作では些細な出来事と実際の性被害の両方を含め、すべてを性被害だと括っている」と語る。Xに投稿した「鞄の斜め掛けが怖くなった話」も多くの共感を得た。「わかりやすい被害だけでなく、『こんなことも本当は嫌だった』という目に遭う子どもを減らしていきたい」と力を込める。

魚田さんは「スカートを履きたい」と言う娘に対しても、強く「ダメ」と言ってしまう。神経質だと思われても、子どもを性的な目で見る人がいる限り警戒を解くことはできない。「同じ体験をした人はもちろん、男女問わず多くの人に読んでほしい」と読者へメッセージを送った。

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