1. トップ
  2. 【大竹しのぶさん・68歳】寂しさよりも楽しさが上回る!今は久々のひとり暮らしを満喫してます

【大竹しのぶさん・68歳】寂しさよりも楽しさが上回る!今は久々のひとり暮らしを満喫してます

  • 2026.4.8

【大竹しのぶさん・68歳】寂しさよりも楽しさが上回る!今は久々のひとり暮らしを満喫してます

キャリアを重ねても、常にいきいきと新たな挑戦を続ける大竹しのぶさん。このたび、3年ぶりに主演するブロードウェー・ミュージカル『GYPSY』が再演されることになりました。再びローズ役に挑む今の気持ち、舞台に対する思い、新たな節目を迎えた人生についても聞きます。

Profile
大竹しのぶさん 俳優

おおたけ・しのぶ●1957年東京都生まれ。
75年に映画『青春の門─筑豊編─』で本格デビュー。
舞台、映画、テレビ、歌、ラジオ、文筆と幅広く活躍。
7月には東京・大阪・長野県八ヶ岳を巡るライブツアーが控える。
著書『ヒビノカテまあいいか4』(幻冬舎)が発売中。

3年ぶりにローズを演じる幸せをかみしめて

毎週水曜日の夜、大竹しのぶさんがパーソナリティを務めるラジオ番組からは、朗らかでヴィヴィッドな声が響いてくる。その声と呼応するように、全国のリスナーから寄せられるメッセージもいきいきと楽しい。

驚くのは、「先日、この番組を初めて聴いて、一気に大竹しのぶさんのファンになりました」とか、「この前、初めてしのぶさんの舞台を観て感動しました!」など、今も「初めての大竹しのぶ体験」をする人が10代、20代含め多くいることだ。ベテラン俳優でありながら、いまだに新たなファンを着実に増やしているのは、大竹さん自身がベテランの座に安住することなく、常に挑戦をして、魅力を発信し続けているからだろう。活躍が光る最大の場は、やはり舞台だ。毎年のように初めての作品に挑みながら、一方でファンの声に応えての再演作品も多い。主演を務めたミュージカル『GYPSY』も、3年ぶりの上演が決まった。

「前回のときも、もちろん最善の努力をして最高の形になるように演じましたが、振り返ると、できなかったことがあったことにも気づかされます。そこに再びトライできるチャンスをもらえるのが、本当に嬉しくて。再演は、前回よりもよい出来にしないと意味がないので、もっと深く、よりわかりやすくお客さまに伝わるようにやっていきたい。まず歌を『あ、歌だ!』と身構えることなく(笑)、もっと楽に芝居の流れで歌えるように稽古を積まねばと思います」

実在のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの回顧録をもとに、彼女の母=ローズに焦点を当てて、その半生を描く物語。大竹さんは、この、娘2人をヴォードヴィルの世界で活躍させようと躍起になるローズを演じる。

「バイタリティと、自分の信じた道を突き進むところが魅力的。自分の人生を見つけたいという思いがすごいですよね。それが高じて、自分の夢を子どもに押しつけるところもあるのですが、それでも、迷わず進む姿が可愛い」

作曲はジュール・スタイン、そして作詞はミュージカル界の巨匠、スティーヴン・ソンドハイムだ。後に作曲でも注目を集めるソンドハイム作品に大竹さんは数々出演してきたが、本作の魅力はなんと言っても「オーケストレーションの素晴らしさ」にあるという。

「もうオーバーチュアから『やだー、楽しい!』ってワクワクしてくるんです。そんな中で歌えるなんて、私はなんて幸せなんだろうと感謝しかないです」

初めて体験したカーテンコールの叫び声

それにしても、大竹さんの働き方がすごい。ここ1年、舞台作品だけでも、初出演、再演がひしめく。昨年3月に新作の現代劇『やなぎにツバメは』に出演したかと思えば、7月には『華岡青洲の妻』に初挑戦し、10月にはシェイクスピア作品『リア王』でリア王に扮し、年明けからは『ピアフ』の6度目の公演を行った。もちろんその合間には、歌のライブツアーあり、映画の撮影あり。全く疲れを感じさせない活躍に、「『リア王』のときは『化け物』、『ピアフ』のときは『妖怪』だと言われました(笑)。なんでそんなに元気なのって」。

その理由を本人はこう話す。

「まずよく食べます。特に歌を歌うときはお肉と白米をしっかり。それと、やはり何より舞台が楽しいんですね。舞台に立って演じている3時間は、人生の中でトップ3に入るくらい楽しい時間。生でお客さまの前にお芝居を差し出すことは、大変な挑戦でありながらも、同時にエネルギーも喜びも得られる。それが活力の源になっています」

先日の『ピアフ』の公演では初めての体験をした。カーテンコールのときに、まるでロックコンサートのような「ウォー!」という叫び声が、客席から上がったのだという。

「そんな叫び声というのは初めての経験でした。演出の栗山民也さんがこうおっしゃったんです。『現代は、人と触れ合うことも、愛することも希薄になっている時代。こんな時代だからこそ、人に触れろ、人を愛せよと、そういうものから生まれてくるエネルギーをぶつけてやりましょう』と。そのぶつけたエネルギーで、お客さまの中の何かがあふれてたまらず応えてくださったということなのかと思うと、すごく嬉しかったですね」

世の中はAIの急速な台頭と、時によって神経質なまでのコンプライアンスの遵守で、人と人の生のやり取りの機会が格段に減っている。

「でもね、人と人って、実際に会って話をして……ということでしか得られないものもあると思うんです。映像やオンラインを通しての楽しみもあるかもしれないけれど、生のオーケストラの音を聴く、波動を感じる、台詞を聞くといった感動には代えられないものがある。人と会って笑う、美味しいものを食べる、討論する。そういうことがすごく大事な時代になってきていると痛感します」

自分一人で立って一人の楽しみを見つける

ローズという母を演じる大竹さんだが、私生活では、昨年、長年同居してきた長男の二千翔さんが結婚、自身も久しぶりのひとり暮らしとなり、新たな節目を迎えた。

「寂しさも少しはありながら、でも、自分のことだけをやっていればいいという生活ってこんなに楽なんだって(笑)。第二の青春という感じでしょうか。子どもがいる限り、一生母親であることは変わらないけれども、自分一人で立って、一人の楽しみ、喜びを見つけることも大事ですよね。今、いちばんしたいことは、久しぶりにヨーロッパへの旅行。ローズのように『自分の人生を見つけたい』と願いながらますますワクワクして進んでいけたらいいですね」

【Information】Musical『GYPSY』

実在のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーの回顧録をもとに、“究極のショー・ビジネス・マザー”の代名詞となった、その母ローズに焦点を当てて描く物語。2人の娘をヴォードヴィルの世界で活躍させようと躍起になるローズは、あちこちの劇場に娘たちを売り込んで回るが……。1959年の初演以来、名女優が演じ続け、90年トニー賞ベストリバイバル、2016年ローレンス・オリヴィエ賞ベストリバイバルを受賞した作品。大盛況のうちに幕を閉じた23年の日本初演を受けて、このたび新キャストを迎えて待望の再演が決定した。

作詞/スティーヴン・ソンドハイム
作曲/ジュール・スタイン
脚本/アーサー・ローレンツ
演出/クリストファー・ラスコム
出演/大竹しのぶ、田村芽実、井上瑞稀、富田鈴花、今井清隆 他

●東京公演:5月6日(水・休)~24日(日)/日本青年館ホール
サンライズプロモーション ☎︎0570-00-3337
●大阪公演:6月19日(金)~23日(火)/森ノ宮ピロティホール
キョードーインフォメーション ☎︎0570-200-888 ※愛知、福岡公演もあり
公式HP:https://rose2026.jp/ 公式X(旧Twitter):@rose2026jp

撮影/玉置順子(t.cube)
スタイリング/nadia
ヘア&メイク/新井克英
取材・文/志賀佳織

※この記事は「ゆうゆう」2026年5月号(主婦の友社)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

元記事で読む
の記事をもっとみる