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【60代エンタメ】落語界のホープ「三遊亭ごはんつぶさん」に注目!大賞受賞作品『二ツ目の真実』の制作秘話も語っていただきました!【好奇心の扉・前編】

  • 2026.4.6

落語ブームといわれて久しいなか、特に目立つのが新進気鋭である二ツ目たちの勢い。その代表的なひとりが、昨年、『落語業界の真実』という新作をひっさげて、若手を対象としたコンクールで大賞を受賞した、三遊亭ごはんつぶさんです。
 
東京・下北沢で〝初めて落語を聴く人にもわかる落語会〟を催したり、SNSによる観客獲得の可能性を切り開く活動も注目の的。落語の未来にかける思いについてたっぷり伺います。

「YouTubeから流れてきた新作落語を聴いて人生の進路が決まりました」

大賞を受賞した噺のオチは「落語は自由だ!」

二ツ目とは前座修行を終え、紋付の着物と羽織りを着用する一人前の落語家。ごはんつぶさんは二ツ目3年目にして公推協杯全国若手落語家選手権で大賞を獲得。最年少での受賞でした。 「大会のルールに合わせて『10分間の作品を作ろう』と思うと、モチベーションが上がらないタイプなので、純粋にお客さんを楽しませることを目指しました」 決勝で演じた新作『落語業界の真実』では落語界と、ある世界的な結社の関係を軽妙に解き明かし(もちろんフィクションです)、会場を沸かせました。そして、クライマックスでごはんつぶさんが叫んだ「落語は自由だ!」が噺のオチに―。 「受賞を機に名前を知ってくださる方が増え、寄席でも演じやすくなりました。寄席では15人前後の芸人が次々と出ますが、多くのお客様の目当てはトリをつとめる師匠。早い出番の若手は、マクラで自分を知ってもらうことに時間をかけなくてはなりません。ところが、リーフレットやめくり(※1)を見て『ごはんつぶって聞いたことあるな』とお客様が関心を持って聴いてくださると、噺に笑いの要素をもっと入れやすくなります」

「新作落語の場合は台本を書いて、お客さんの前に出せるクオリティに持っていくまでに時間がかかります」と、ごはんつぶさん。「古典落語は1 週間あれば覚えられますが、それが簡単というわけではありません。古典をやる落語家さんは多いので自然と競争率が高くなるという、また別の闘いがあります」

高校1年生にして漫才でプロの芸人を目指したものの……

ごはんつぶさんは、高校1年生のときには漫才でプロの芸人になろうと思っていたそうです。 「当時コンビを組んでいた相方となら、そんな将来も描けると思っていたんです。でも、彼から大学に進学して目指す仕事があると言われてしまい断念……では、お笑いの養成所に行くのか、自分もいったん大学に行くのか。将来の道を模索していたころ、ある夜、You Tubeで新作落語を聞いて『これだ!』と閃きました。自分で話を作れるなら、これまでに書きためた漫才のネタも生かせるのではないか。それに古典落語もできるし、座布団の上でひとりで広いさまざまな世界観を表現できる。その瞬間に落語家になろうと決め、今日まで来ました」 しかし高校卒業後、すぐに弟子入りはしなかったごはんつぶさん、ワーキングホリデーで1年間、単身ニュージーランドへ。 「武者修行のつもりでした。落語家へ入門する年齢についてインターネットで調べてみたら平均すると25歳半ぐらい。高卒の人もいるけれど、大学の落研出身者も多い。社会人を経て30歳前後で入る人もいる世界なんです。そこで自分を見つめ直してみて、まだ18歳で社会も世間もよく知らない状態での入門は自信がなかった。それに、弟子入りしたら長い修行も始まるのだから、その前に、ちょっと海外に住んで、英語も喋れるようになりたかったんです」 そして2017年、ごはんつぶさんは、新作も古典も演じる三遊亭天どん師匠のもとに念願叶って入門しました。 「うちの師匠は常に新作を書いているので作風は変化していくし、お客さんの層も変わっていきます。師匠が自分自身を探求し続ける姿をそばで見ていると、すごく刺激になるんです」

動画制作の技術を身につけた前座時代

翌年、見習いから前座になったごはんつぶさん。しかし2 02 0年にコロナ禍に見舞われ、緊急事態宣言の解除後も自宅待機と寄席仕事(※2)の繰り返し。 「コロナ禍をきっかけに動画を配信する落語家も増えました。が、前座のオンラインでの落語の活動は禁止。ならば今後のために動画制作ができるようになろうと決めて、台本を書いてショートドラマやアニメーションを作ってアップしていました。基礎的な技術を覚えたかな、というころに寄席が本格的に再開。2022年に二ツ目になりました。コロナ禍がなければ、もう1年ぐらい昇進が早かったかもしれないけど、二ツ目としてスタートダッシュできる力は蓄えることができたと思います」 現在は、ごはんつぶさんの公式ウェブサイト、You Tubeチャンネル、SNSでは落語を楽しむための新しい情報が常にアップされています。 「"落語を最速で趣味に"というのが僕の目標。メディアなどで偶然、僕に興味を持った方もすぐに寄席やホールに見に来てもらえるわけではなくて。たぶん、まず動画を見て気に入ってくれたら、SNSで出演情報をキャッチして、そこから足を運んでくださるのかなと。模索しながら、その循環を整えています」 「SNSを見て初めて落語に来ました」と会場で声をかけられたり、全国各地から「落語会を開くので来てください」という依頼も増えてきたそうです。 ※1 現在の出演者の名前を書いた紙製の札。
※2 師匠の身の回りのお世話や、楽屋での裏方仕事。

お話を聞いた方

三遊亭ごはんつぶさん 1996 年9 月24日生まれ。神奈川県横浜市緑区出身。2017 年6 月、20 歳で三遊亭天どん門下に入門する。2022 年11 月1日、二ツ目昇進。古典落語、自身の創作落語をともに演じ、また若い世代をターゲットにオンラインでの情報発信にも積極的に取り組む。“現代を笑う” をテーマに、誰にでも楽しめる落語を日々アップデート中。2024年度公推協杯全国若手落語家選手権大賞受賞。

撮影/増田智泰 構成・文/杉村道子 ※素敵なあの人2026年5月号「落語界の未来を担う若手三遊亭ごはんつぶさんに聞く「二ツ目の真実」と、いま語りたい落語のこと【好奇心の扉】」より
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売を終了している場合があります。
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この記事を書いた人 素敵なあの人編集部

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