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「それって接客なの?」売りたい服を押し付ける新人店員に、マダムが放った痛烈な一喝。現場の葛藤と“お客様の正解”とは?【作者に聞く】

  • 2026.4.5

「これ、今売れているんですよ!」「お客様に絶対お似合いです!」――。アパレルショップで誰もが一度は経験したことのある、店員からの積極的なアプローチ。しかし、その「よかれと思って」の行動が、ときにお客様の心を置き去りにしているとしたら?

SNSやブログでアパレル業界のリアルをコミカルに描き、支持を集めるぼのこ(@bono_gurai)さん。X(旧Twitter)で公開された『「それって接客なの?」お客様から叱られた話』は、売ることに必死な新人店員・春子が、一人のマダムから受けた厳しい指摘を通じて、仕事の本質に気づく物語だ。元店長としての経験を持つぼのこさんに、本作に込めた想いを聞いた。

「売るための正解」と「お客様の正解」のズレ。実体験をベースにした“リアルな創作”

01 コーディネートを相談したいマダムだが…!? 画像提供:(C)2025 ぼのこ
01 コーディネートを相談したいマダムだが…!? 画像提供:(C)2025 ぼのこ
02 画像提供:(C)2025 ぼのこ
02 画像提供:(C)2025 ぼのこ
03 画像提供:(C)2025 ぼのこ
03 画像提供:(C)2025 ぼのこ

本作は、ぼのこさんがアパレル販売員・店長として最前線に立っていた頃の記憶がベースとなっている。

「新人時代、よかれと思ってした接客が裏目に出る経験は私にもたくさんありました。会社にとっての『売るための正解』と、お客様にとっての『心地よい正解』は、往々にして異なるものです。春子のようなキャリアではその違いを理解するのは難しく、叱られれば当然落ち込みますが、その“裏目”こそが、相手との価値観のズレに気づく貴重な機会になります」

特定の誰かではなく、多くの出会いや葛藤を掛け合わせて再構成したエピソードだからこそ、接客業に携わる読者からは「自分のことのよう」と共感の声が絶えない。

ニーズの先にある「ライフスタイル」を想像する力。押し売りにならないための判断力

物語の中で春子は、自分が「買ってほしい服」を一方的に勧めていた事実に直面する。ぼのこさんは、販売員に必要なのは表面的な好みを知ることだけではないと指摘する。

「本当に必要なのは、お客様の生活様式や価値観までを想像する力です。ブランドには『強化品番』という重点的に売るべき商品が存在し、在庫リスクの面からも積極的な販売が求められます。しかし、それを単なる押し売りにしないためには、その商品を本当に必要としているお客様を見逃さない『目』と『判断力』が不可欠なのです」

「働く人の心の揺れ」を丁寧に。言葉にできない感情に光を当てる

日常の職場でありふれたやりとりの中に潜む、小さな違和感や感情の揺れ。ぼのこさんは、それらを「自分ごと」として感じてもらえるよう、演出や構成に徹底して時間をかけている。

「今後もシリーズ『アパレる』を通して、販売現場の多様な立場や価値観に光を当てていきたいです。読者の方の過去や現在の経験とつながり、何かの“思考のきっかけ”になるような、余韻のある作品を目指しています」

マダムに見透かされた春子の悔しさと気づき。それは、あらゆる仕事において「誰のために、何のために働いているのか」を問い直させてくれる、温かくも鋭いエールとなっている。

取材協力:ぼのこ(@bono_gurai)

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