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「お前の父ちゃん悪いやつだろ?」ある日突然いじめられた息子。タトゥーを入れた父親がいる家族の葛藤と絆を描いた物語【書評】

  • 2026.4.7

【漫画】本編を読む

ジムや温泉など公共の場で、「タトゥーお断り」という文言を目にしたことがあるだろう。『ぼくのパパにはタトゥーがある』(丸田マノ/KADOKAWA)は、タトゥーに対し日本社会に通底する不安と偏見、そしてタトゥーを入れた家族がありのままでいるためのプロセスを描いたコミックエッセイだ。

物語は、小学生の息子・蓮が同級生たちに「父ちゃん悪いやつだろ」と言われいじめに遭い、父親・リョウのもとに泣きながら帰ってくるところから始まる。いじめの原因は、子どもたちがリョウの右腕に入ったタトゥーの噂を聞きつけたことだった。そもそも、蓮が生まれて間もない頃、ホテルのプールから利用を断られるなど、タトゥーにまつわる苦い体験はこれが初めてではない。しかし、その影響が本人ではなく子どもに向けられたことで、事態は重いものに変わる。

もちろん、リョウのタトゥーには思いがある。彼が選んだイーグルの柄には「強さ」や「勇気」という意味があり、そのデザインには妻や子どもたちへの愛情が込められている。家族を守るために強くなりたいという、決意の表れなのだ。そして、蓮自身は父のタトゥーを「お守りみたいなもの」と認識していて、むしろ誇らしいと思っていたはずだ。しかし、周囲の大人たち、例えば学校の先生や同級生の親、地域の人々からは「タトゥー=怖い」「悪い人に違いない」といった偏見が向けられてしまう。正直、その気持ちはわからなくもない。

本作はタトゥーに対する偏見を断罪したり、逆に擁護したりすることが主題ではなく、タトゥーを起点として、偏見、恐れ、理解、共感というものを誠実に描いているのだ。「見た目」と「内面」は必ずしも一致しないという真理をあらためて見つめ直すために、ぜひ手にとってほしい一冊だ。

文=甲斐ハヤト

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