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もふもふわんこがかわいすぎる…!「春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪」が東京都府中市美術館で開催中

  • 2026.3.30

東京都立府中の森公園の中にある府中市美術館で、「春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪」が開催されている。東京では64年ぶりとなる、長沢蘆雪(ながさわろせつ)にフォーカスした企画展である。かわいくて、大胆な蘆雪ワールドを堪能できるとあって、この春大注目の展覧会だ。

長沢蘆雪《菊花子犬図》個人蔵 前期・後期展示 画像提供:府中市美術館
長沢蘆雪《菊花子犬図》個人蔵 前期・後期展示 画像提供:府中市美術館

前期(2026年3月14日〜4月12日(日))と後期(4月14日(火)〜5月10日(日))では作品の大幅な展示替えがあるそう。前期・後期それぞれの見どころも合わせて紹介する。

長沢蘆雪展パンフレット 画像提供:府中市美術館
長沢蘆雪展パンフレット 画像提供:府中市美術館

公園の緑に囲まれ、落ち着いた空間で美術鑑賞ができる府中市美術館

会場となる府中市美術館は、2000年に都立府中の森公園内に開館した比較的新しい美術館。自然に囲まれた環境の中で、ゆったりと作品鑑賞ができるのが特徴だ。館内にはカフェもあり、公園内にはベンチや広場も多いので、絵画鑑賞後のひとときを過ごす場所には困らない。京王線府中駅やJR中央線武蔵小金井駅からバスで行くことができる。

府中市美術館1階エントランス 画像提供:府中市美術館
府中市美術館1階エントランス 画像提供:府中市美術館

春の江戸絵画まつりの最終章

これまで府中市美術館では「春の江戸絵画まつり」と銘打ち数々の江戸絵画を紹介してきた。今回の「長沢蘆雪展」がその最後を締めくくるものとなる。江戸時代きっての「かわいいもの描き」として人気を集める長沢蘆雪を21世紀の視点で企画展示し、子どもも大人も楽しめる工夫が随所にちりばめられている。

子ども向けイベント「ろせつ探検隊!」などミニイベントも要チェック

展覧会では、子ども向けに「探検隊ワークシート」が配られ、館内の展示室内各所にあるクイズに挑戦することができる。答えは出口付近に書いてあるので、ぜひ答え合わせを。出口付近には、蘆雪の《菊花子犬図》のかわいすぎるスタンプが押せる「スタンプで作る 菊まど子犬カード」や、「なぞって描く蘆雪犬」など、ワクワクするワークショップコーナーも用意されている。蘆雪の柔らかな筆遣いがいかに神業か身をもって感じることができるようにと、筆を持って蘆雪の子犬の絵がなぞれるというすてきなワークショップもあって、ますます蘆雪ファンになってしまう。

※ワークショップは曜日を限定して開催中。詳細は府中市美術館公式サイトでご確認ください。

長沢蘆雪《菊花子犬図》個人蔵 前期・後期展示 画像提供:府中市美術館
長沢蘆雪《菊花子犬図》個人蔵 前期・後期展示 画像提供:府中市美術館

前期の見どころは、「子犬の絵の歴史と蘆雪」。癒やされる!(3月14日〜4月12日(日))

円山応挙を師として絵画を学んだ長沢蘆雪だが、現代の江戸絵画界隈では、そんな師弟それぞれが描いた子犬をめぐり、「応挙犬が好き、いや蘆雪犬がいい」といった会話が交わされることがあるという。今回の展示では、それを実際に自分の目で見比べることができる。師匠である円山応挙が描いた子犬たちは「応挙犬」。ふんわりとした質感、今にも動き出しそうなほどのリアルさで文句なしにかわいい。一方、長沢蘆雪による「蘆雪犬」も写実的ではあるが、よりキャラクターに近く、見る者をキュンとさせる表情が持ち味で、何よりもリラックスした風情がゆるかわなのである。犬好きでなくとも、このかわいい子犬たちを見つめていれば、心が弾んだり緩んだりするのを感じることができるだろう。

キュートな子犬たちが集まる展示室では、江戸時代の子犬の描き方の変遷も理解でき、さらに展覧会初登場の絵画も多数あるので、お気に入りの一枚を見つけたい。

そのほか、子犬の絵以外にも、前期のみ展示の絵画をじっくり見ておこう。虎のしっぽにじゃれる子犬が来場者の笑いを誘っていた《十二支図》、元美人だった?幽霊を描いた《幽魂の図》、ユーモラスな《布袋と鼠図》、大胆な構図の《捕鯨図》、京都国立博物館蔵の絵巻《人物鳥獣画巻》、本間美術館蔵で“くーたん”とニックネームがついているワンコが描かれた扇子絵《狗児図扇面》…好きになった作品への個人的メモを連ねればきりがない。

前期ですでに大満足させてくれるが、後期もぜひ訪れたい!とワクワクする絵画がつまった企画展なのである。

長沢蘆雪《狗児図扇面》本間美術館 前期展示 画像提供:府中市美術館
長沢蘆雪《狗児図扇面》本間美術館 前期展示 画像提供:府中市美術館

後期の見どころは?「無量寺の竜と虎を考える」創作の源を探ろう(4月14日(火)〜5月10日(日))

後期でとりわけ注目したいのが、和歌山県串本町にある禅寺無量寺からはるばるやってくる《竜虎図襖》。蘆雪の代表作にして超大作、竜と虎がそれぞれ、横に6枚つなげた襖に目いっぱい描かれ、横幅は6メートルを超える。東京で見られる機会はなかなかないので必見の作品だ。

無量寺は臨済宗東福寺派で、1707年の地震・津波により本堂を失ったことがある。1786年本堂再建の際に蘆雪は円山応挙の絵を届けに行き、さらに自ら絵を残した。もう災害が起こらないよう祈りながら描いたのかもしれない。虎や龍は天地の守護神でもあり、仏教の守り神でもある。蘆雪は襖に貼る紙を前にして、さまざまな技巧を凝らし、どのような禅思想を筆にのせて描き始めたのだろうか。

後期展示では、蘆雪の竜へのオリジナリティあふれる描き方や工夫についても迫る。そして蘆雪の虎についても、その背後にある禅思想について深堀りする。

長沢蘆雪《虎図襖(部分)》無量寺・串本応挙芦雪館、重要文化財 後期展示 画像提供:府中市美術館
長沢蘆雪《虎図襖(部分)》無量寺・串本応挙芦雪館、重要文化財 後期展示 画像提供:府中市美術館

なお、観覧券には2回目が半額になる割引券が付いており、リピーターにもうれしい仕組みとなっている。

展示をより楽しむポイント

会場は順路に沿って見やすく構成されており、蘆雪の画業を自然にたどることができる。鑑賞時間の目安は約60〜90分。作品は遠くから見ると大胆に、近くで見ると筆跡まで確認できる繊細さがある。距離を変えながら鑑賞することで、表現の違いをより実感できる。また、同じチケットでコレクション展も鑑賞可能。時間に余裕があればあわせて楽しみたい。

春の江戸絵画まつり 長沢蘆雪

会期:2026年3月14日〜2026年5月10日(日)

前期2026年3月14日〜2026年4月12日(日)、後期2026年4月14日(火)〜2026年5月10日(日)※作品の大幅な展示替えを行います。

会場:府中市美術館 2階企画展示室

住所:東京都府中市浅間町1-3 都立府中の森公園内

電話:050-5541-8600(ハローダイヤル)

開館時間:10時~17時(展示室入場は16時30分まで)

休館日:月曜※5月4日(祝)は開館

観覧料:一般800円(640円)、高校生・大学生400円(320円)、小学生・中学生200円(160円)

※( )内は20名以上の団体割引料金。

※未就学児は無料。

※府中市内の小・中学生は「府中っ子学びのパスポート」提示で無料。

※障害者手帳(ミライロID可)等をお持ちの方と付き添いの方1名は無料。

※本展観覧料でコレクション展もご覧いただけます。

※観覧券をお求めいただくと、2度目は半額になる割引券が付いています。(本展1回限り有効)

取材・文=レックス

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