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「嫁がやって当然」と信じていた俺→気づいたときには封筒一枚、テーブルに残されていた

  • 2026.3.29
ハウコレ

結婚とは、役割分担だと思っていた。男が外で稼ぎ、女が家を守る。それが家族というものだと、誰に教わるでもなく信じていた。しかし今、一人きりの部屋でインスタント飯をすする俺には、その「正論」を振りかざせるような自信はなくなっていました。

「長男の嫁なんだから当然だろ」

共働きで忙しいのは、俺だって同じだと思っていました。営業職で毎日遅くまで働いて、数字を追いかけて、それがこの家を支えることだと信じていました。だから家に帰れば、飯があって、風呂が沸いていて、子どもが寝ていることが"普通"だったのです。

両親の体調が悪化したとき、俺が真っ先に思ったのは「嫁に頼もう」でした。長男の嫁なんだから当然の役目だ、と。弟夫婦が手伝おうとしたときも、「うちの嫁がやればいい」と跳ねのけました。今思えば、あれは妻への信頼でも何でもなく、ただの押しつけでした。でも当時の俺にはそれが見えていなかったのです。

変わっていく妻を、俺は見ていなかった

妻が子どもの学校行事に来なくなったのは、いつ頃からだったのか。「疲れた」と言いながらも「大丈夫」と繰り返す妻を、俺はそのまま受け取っていました。体調を崩して寝込んだ日も、俺は「飯はどうするんだ」と声をかけていました。今なら分かります。あれは妻にとって、どれだけ冷たい言葉だったか。

週末にゴルフへ行く俺の背中を、妻はどんな顔で見送っていたのだろう。考えたことすら、ありませんでした。

封筒の中身

ある朝目が覚めると、テーブルの上に封筒が置いてありました。封筒の中には、別れるために必要な書類と、短い手紙が入っていました。

手紙には、「15年間、私なりに努力してきました。でも、もう限界です。あなたは一生お一人でどうぞ」。

妻はすでに子どもたちを連れて、実家へ戻っていました。電話をかけても、妻が出ることはありませんでした。「なぜ何も言わなかったんだ」と怒鳴りそうになって、ふと気づいたのです。

妻は何度も言っていました。疲れた顔で、消えそうな声で、ずっと言い続けていました。俺が聞こうとしなかっただけだったのです。

そして...

手続きが終わって、数カ月が経ちました。妻は実家の近くで仕事を見つけ、子どもたちと新しい生活を始めたと聞きました。久しぶりに見た写真の中の妻は、結婚前のような顔をしていました。

妻と別れてからの一人暮らしで、初めて知りました。洗濯物を干す手間も、食事を用意する時間も、介護に費やされる体力も。妻が15年かけて積み上げてきたものの重さを、俺は今さら一人で抱えています。

「当然だろ」という言葉が、どれだけ人を追い詰めるか。気づいたのは、すべてを失ってからだった。

(40代男性・営業職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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