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新しいタイ料理を深く知るために

  • 2026.3.27
Hearst Owned

日本ではカジュアルなイメージもあるタイ料理ですが、バンコクではタイ料理のファインダイニングが続々とオープンし、その一部は予約が困難になるほど大人気です。今回は、タイ料理に革新をもたらした名シェフの手掛けるレストランから、新たなタイ料理を切り開く若手シェフの話題の店まで、今注目すべきレストランを紹介します。

1.【ヌサラー】アジアトップシェフによるアイコニックレストラン

タイ料理のアミューズブーシュ「ミヤンカム」にトーチジンジャーのソルベをのせて。 Hearst Owned

バンコク随一の絶景を美食と楽しむ特等席

2023年「アジアのベストレストラン50」で1位に輝いたレストラン、ル・ドゥー。同店を率いるトンシェフが手掛けた新たなレストラン、ヌサラーもオープン翌年の'23年にはアジアのベストレストランの3位という快挙を成し遂げました。トンシェフによる独創的かつ唯一無二の味わいはもちろん、特筆すべきはその幻想的なセッティング。バンコクの歴史と風情が最も感じられる、旧王宮の近くという貴重なロケーションです。

72時間の低温調理、ガパオ風味のタイ産A5但馬和牛、トムヤムコンソメ添え。 Hearst Owned
タイ産キャビアで飾り、花を模したキャロットダンプリング。 Hearst Owned

旧市街を見下ろすルーフトップ・テラスで食前酒をいただき、ダイニングルームに案内されると黄金色に輝くワットポーの絶景が眼前に。このドラマチックな演出に、思わず感動のため息が漏れます。タイ旅行の忘れがたい体験を得られる、特別な日にふさわしいファインダイニングです。

ワットポーが目前に広がる空間。 Hearst Owned
タイを代表するスターシェフ。 Hearst Owned

「ヌサラー」
336 Maha Rat Road, Phra Borom Maha Ratchawang, Phra Nakhon, Bangkok
営業時間/18:00〜23:00(最終入店19:30)無休
料金/テイスティングメニューTHB5,990 ワインペアリングTHB3,500〜10,000 要予約・事前決済
TEL/097-293-5549
URL/www.nusarabkk.com

2.【チョーン・レストラン】新世代のタイ料理をけん引する若手シェフの感性を味わう

川エビのグリルを2種類の調理法で。このレストランではガスや電気は使わず、炊飯から食後のお茶まで全てまきと炭で調理します。 Hearst Owned

素材の魅力を自由自在に操る熾火へのこだわり

めざましいリバイバルを遂げるバンコクのチャイナタウン。高感度のショップやバーが集まり、かつてのNYのソーホーをほうふつさせるにぎわいです。その中心地、ソイナナのすぐ近くに佇むチョーンは、新たなタイ料理を切り開く、新世代のレストラン。「熾おき火び」の技法を駆使したタイ料理を提供しています。

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甘唐辛子のグリルの下に、タイ風生エビのサラダ「ゴイグン」を。 Hearst Owned

例えば、新鮮な川えびは半身を炭のじか火で焼き、もう片側をフランバドゥーという古典の技法に倣い、熾火で熱した牛脂でアロゼするという2種類の調理法で提供されます。そうすることで、素材の味わい、テクスチャー、スモーキーな香りに繊細な変化が生まれ、異なるおいしさに仕上がるからです。食材に真摯(しんし)に向き合うシェフの料理に魅せられ、足しげく通う常連も。タイ旅行が決まったら早めの予約をお勧めします。

カウンタースタイルのレストラン。1日8名限定。 Hearst Owned
調理場を仕切るジーラウィットシェフ。 Hearst Owned

「チョーン・レストラン」
所在地/122-124 Pantachit Alley, Pam Prab, Pom Prap Sattru Phai, Bangkok
営業時間/19:00〜22:00(19:00の一斉スタート)
定休日/月曜
料金/コースTHB3,000のみ。要予約、デポジットが必要。
TEL/063-893-3663
URL/www.choenrestaurant.com

3.【サムラップ・サムラップ・タイ】レジェンドシェフの料理に酔う至福のシェフズテーブル

川エビのグリルにマヨムという果物のサラダを添えて。 Hearst Owned

親密な美食空間で楽しむシェフとの会話もごちそう

タイ料理界のレジェンド、2014年のアジアのトップレストランに選ばれたナームの元シェフ、プリン氏が、満を持してオープンした念願の新店舗。開店後わずか1年で、ミシュランの星を獲得しています。

80年前のレシピを復元した南部のカレー「ゲーンクア」。 Hearst Owned

忘れ去られた古典料理や辺境の料理にスポットライトを当て、それを現代的な美食へと昇華させるのがプリンシェフの真骨頂。わが城を得た彼の料理は、よい意味で肩の力が抜け、より伸びやかで大胆、深い味わいへと進化を続けています。

シェフとの距離が近いカウンター席。 Hearst Owned
古典料理研究家でもあるプリンシェフ。 Hearst Owned

「サムラップ・サムラップ・タイ」
所在地/39/11 Yommarat Alley, Silom, Bangrak, Bangkok
営業時間/17:30と20:00の一斉スタート
定休日/日・月曜日
料金/コースTHB4,290のみ。要予約・事前決済。
TEL/099-651-7292
URL/samrubsamrubthai.com

4.【スモール・ディナー・クラブ】ゲストの既成概念を覆す芸術的なフードクリエーション

1カ月熟成させた鴨に、カラメライズしたバナナを添えて。 Hearst Owned

穏やかな空間で堪能する食のエンターテインメント

2022年オープンの注目店。シェフは大成功を収めたメルボルンの店を閉め、米国・北欧・東京の有名店で最先端の調理法を学んだ後、2年半の出家期間を経てこの店を開きました。

トムヤムクンのDNAを引き継ぐデザート。 Hearst Owned

豪州の大学で写真を学んだシェフの作る料理は、アーティスティックな美しさと、食べ手の想像力に問いかける自由闊かった達つな表現が特徴。トムヤムクンにインスピレーションを得た奇想天外なデザートなどが登場するなど、タイ料理の最先端を走る今が旬のガストロミー店です。

食べる側も料理に集中できる空間演出。 Hearst Owned
シェフのサリーン・ロジャナメティン氏。 Hearst Owned

「スモール・ディナー・クラブ」
所在地/1109 Charoen Krung Road, Bangkok
営業時間/18:00〜23:00 18:00の一斉スタート
定休日/月・火・水曜日
料金/コースTHB5,000のみ。要予約・事前決済。
TEL/083-992-9669
URL/www.smalldinnerclub.com

5.【レストラン・ハイブリッド】イタリア料理の薫陶を受けた南部タイ料理のリストランテ

フレッシュなキノコをタイ風ソースで。 Hearst Owned

シェフの多彩な経歴が育むここだけのタイ料理

オーナーシェフのサーシャ氏はローマのミシュラン店で、日本人シェフのもと修業を積んだユニークな経歴の持ち主。そう聞くとフュージョン料理のレストランかと思いますが、料理の味わいは紛れもない正統派タイ料理。

「夏休み」と名付けられたホタテと桃の一品。 Hearst Owned

子どもの頃に母親が作ったカレーやココナツの香りが自分の料理の原点にあると語ります。南部タイ料理の鮮烈なフレーバーにイタリア料理のシンプルさと、日本料理の緻密さが融合した、ここでしか体験できないぜいたくな味わいです。

懐石料理から季節と素材の大切さを学んだとシェフ。 Hearst Owned
気軽に楽しむファインカジュアルなレストラン。 Hearst Owned

「レストラン・ハイブリッド」
所在地/876/878 Phloenchit Road, Lumpini, Bangkok
営業時間/18:00〜22:00(最終入店20:30)
定休日/日・月曜日
料金/2種類のコースのみTHB3,200(ワインペアリングTHB2,400)、THB4,200(ワインペアリングTHB1,900)
TEL/081-101-2500
URL/www.hybrid-cuisine.com

6.【アクソーン】巨匠デヴィッド・トンプソンによる世界唯一のファインダイニング

多種のハーブが香る北タイのサラダ。 Hearst Owned

タイ料理の奥深さに触れるハーブとスパイスの供宴

ロンドンのナームで、タイ料理として世界初のミシュランスターを獲得。世界のグルメ界にタイ料理の存在を知らしめた立役者である、デヴィッド・トンプソン氏の旗艦店ともいえるレストラン。

タイ・イスラム教徒の伝統料理「ホワイトカレー」。 Hearst Owned

活気とライブ感にあふれるオープンキッチンから届く料理は外国人向けの妥協の一切ない、ディープで骨太なタイ料理。新鮮なハーブの香りと鮮烈なスパイスの刺激が口の中ではじけ、調和の取れた本場の味わいに全身が反応します。通に好まれる孤高の名店です。

アートとカルチャーの発信地「セントラル第一家」の最上階。 Hearst Owned
現在のタイ料理の潮流を築いたシェフ。 Hearst Owned

「アクソーン」
所在地/1266 Charoenkrung Road, Bangrak, Bangkok
営業時間/18:00〜23:00(最終入店21:30)無休
料金/コースTHB3,400のみ ワインペアリングTHB2,900。要予約。
TEL/02-116-8662
URL/www.aksornbkk.com

7.【バーンプラヤ、マンダリンオリエンタルバンコク】初めて口にする洗練を極めたタイ料理

ゴマフエダイの竹筒焼き。イサーン地方の調理法で竹筒に食材を入れ炭にくべる。 Hearst Owned

6組のディナー客のみというエクスクルーシブな口福

ホテル本館から川を渡った対岸、以前タイ料理教室があった建物は2022年、バーンプラヤというレストランになりました。かつての貴族の邸宅であった歴史的建築の持ち味を生かした空間に、ディナーのみ6組までという親密で居心地の良い食卓で提供されるのは、イノベーティブかつ繊細なタイ料理です。

薫製したアンダマン海産ホタテにキノコやショウガのスープを。 Hearst Owned
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料理長は才能あふれる若手女性シェフ、パッチャヤー・ピラパーク氏。彼女は27歳のとき、当時勤めていた店でミシュランの1つ星を獲得。29歳でこのホテルに移り、素晴らしい料理を作り続けています。その着想は地方料理や他国からの移民の料理など実に多岐にわたり、よい食材を用い、味や風味を保ちつつモダンに仕上げているのだそうです。

上品なインテリア。 Hearst Owned
パッチャヤーシェフ。 Hearst Owned

「バーンプラヤ、マンダリンオリエンタルバンコク」
所在地/48 Oriental Avenue, Bangkok
営業時間/18:00〜23:00
定休日/水・木曜日
1日6組、最大20名まで受け入れ。要予約
料金/コースTHB4,200のみ。ワイン・ペアリングは1名分THB3,200
TEL/02-659-9000
URL/www.mandarinoriental.com

初出:リシェスNo.51 2025年3月28日発売
COORDINATION & TEXT:SEIICHIRO TAMURA[1〜6]
TEXT & EDITING:KAZUHIRO NONAKA
PHOTOGRAPHS:AKIKO FUKUCHI[7]

※THB(タイバーツ)1≒¥4.47(2025年2月28日現在) タイの国際電話番号は+66です。

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