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40代女性「思っていた対応と違った」搬送後日、クレームが…患者の“予想外の言い分”に元救急隊員も唖然…

  • 2026.4.17
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。ライターのとしです。

40代女性の夜間の腹痛で救急要請が入り、医療機関へ搬送したことがありました。

本人は搬送先で検査や点滴などの処置まで受けられるイメージを持っていたようですが、救急医療はその場ですべてを治すためのものとは少し違います。

現場ではその点も説明していたつもりでしたが、後日「思っていた対応と違った」と苦情につながった事案でした。

救急に何を期待するか、その受け止め方の差を強く感じた現場です。

本人は「救急で行けば必要な処置をしてもらえる」と思っていた

今回の要請は、40代女性の夜間の腹痛によるものでした。

痛みへの不安も強く、本人の中では、救急車で医療機関へ行けば、そのまま検査や点滴などの処置まで受けられるイメージがあったようでした。

腹痛は目に見えにくいぶん、不安も大きくなりやすいですよね。

特に夜間だと、早く何とかしてほしいという気持ちが強くなるのも自然なことだと思います。

実際、現場でも本人は「医療機関でしっかり診てもらえる」という前提でいる様子でした。

救急医療は、その場で全部を治すためのものではない

ただ、ここには少し受け止め方の差がありました。

救急医療は、その場で全部を治すためのものというより、まず今すぐ危ない状態ではないかを見て、必要な対応をするための医療です。

苦しさをやわらげたり、状態が悪くならないようにしたりしながら、必要なら次の治療につなげていく役割が大きいんですね。

そのため、希望する検査や治療がすべてその場で受けられるとは限りません。

夜間帯であればなおさらで、専門の医師が不在のこともあり、対応は応急的なものが中心になることもあります。

救急隊としても、救急は検査そのものを目的に使う場ではないことや、夜間は希望する内容まで対応できない場合があることは説明していました。

その時は、本人も理解してくれているように見えたんです。

説明していたつもりでも、後日苦情につながった

搬送先が決まり、必要な引き継ぎをして、その場では大きな混乱なく終わった印象がありました。

でも後日、その事案は苦情になりました。

内容としては、「希望していた処置をしてもらえなかった」「思っていた対応と違った」というものでした。

救急隊としては、夜間救急でできることには限りがあると伝えた認識でした。

それでも、不安や期待が強い場面では、説明したことよりも「これで詳しく調べてもらえるはず」「点滴くらいはしてもらえるはず」という思いのほうが強く残ることがあります。

その場で大きな反発がなくても、本当に納得できていたとは限らないんですよね。

この事案では、その差があとから表に出た形でした。

伝えたかどうかより、どう伝わったかが大きい

救急の現場では、時間も限られています。

その中で必要な説明をしながら動くので、「伝えた」という認識で次に進まざるを得ない場面もあります。

ただ、不安が強い時ほど、相手は言葉をそのまま受け取れないこともあります。

今回の事案では、まさにそこを感じました。

救急でできることと、できないこと。
その違いは、伝えたつもりで終わらせず、相手がどう受け取っているかまで意識しないと、あとから大きなずれになることがあります。

救急車を呼ぶ側も、「すぐに詳しく調べてもらえる」「希望する処置まで受けられる」と思うことがあるかもしれません。

でも実際には、救急医療はまず急いで診る必要があるかを見極め、必要な処置につなげるためのものです。

根本的な治療をその場で完結させる場とは少し違います。

不安が強い場面ほど、説明と理解には差が出やすい。そんなことをあらためて感じた現場でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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