1. トップ
  2. 『脳梗塞になりやすい人』には“ある共通点”があった。医師が明かす、今すぐチェックすべき「靴の裏に現れる3つの特徴」とは?

『脳梗塞になりやすい人』には“ある共通点”があった。医師が明かす、今すぐチェックすべき「靴の裏に現れる3つの特徴」とは?

  • 2026.4.14
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

「最近、歩き方が変わった気がする」「靴の減り方が左右で違う」。そんな些細な変化を、単なる加齢や癖だと思って見過ごしていませんか? 実は、靴の裏の異常な摩耗は、脳が足元へ発した貴重なアラートかもしれません。

自覚症状のない「隠れ脳梗塞」が進行すると、脳からの運動指令が乱れ、歩行バランスが崩れてしまうことがあるからです。放置すれば、将来的に車椅子や寝たきりのリスクにもつながりかねません。

この記事では、専門家の見解をもとに、靴の減り方が教える脳疾患のサインと、今日からできる「歩く力を守るアクション」について解説します。

なぜ「靴の減り方」が脳梗塞のサインになるのか?

---なぜ靴の裏の減り方が、脳の健康状態と関係しているのでしょうか?そのメカニズムを教えてください。

松岡雄治さん:

「私たちの脳には、手足をスムーズに動かすための精巧な神経のネットワークが張り巡らされています。しかし、加齢や高血圧によって脳の細い血管がダメージを受けると、自覚症状を伴わない小さな『無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)』が脳内で多発してしまうのです。 すると、脳から足への『正しく歩きなさい』という指令が、電気のショートのように途切れてしまいます。

日本脳卒中学会などのガイドラインでも、隠れ脳梗塞が歩行機能を低下させることが示されています。つまり、明らかな症状がない段階であっても、歩行機能の変化は脳の健康状態を映す鏡なのです。

具体的には、このようなフローで疾患が進行します。

  1. 高血圧などで脳の細い血管がダメージを受ける
  2. 気づかないうちに『隠れ脳梗塞』が脳内に多発する
  3. 脳から足への運動指令がショートし、歩行バランスが崩れる
  4. 足を引きずるなど不自然な歩き方になり、靴底が偏って減る
  5. 放置すると本格的な脳卒中や、血管性認知症へと進行する

『単なる歩き方の癖だろう』と自己判断して放置することは危険です。異常な摩耗は、本格的な発作が起きる前に脳が発した貴重なアラートと捉えてください。」

見逃してはいけない「靴底のサイン」3選

---具体的に、どのような靴の減り方をしたら注意すべきなのでしょうか?脳疾患を疑うべき特徴を教えてください。

 松岡雄治さん:

「靴底の減り方を観察することで、脳や神経のどの機能がダメージを受けているかをある程度推測できます。特に見逃してはいけない、3つの特徴的な減り方を紹介します。

左右で減り方が極端に違う

脳の片側の血管が詰まりかけているサインです。反対側の足にうまく力が入らない『軽度の片麻痺』が起きており、無意識に健康な足を引きずるように歩いている状態です。

つま先部分だけが極端にすり減っている

足首を持ち上げる神経伝達が鈍り、つま先が下がる『下垂足(かすいそく)』という状態です。少しの段差でつまずきやすくなり、小刻みな『すり足歩行』になっている証拠です。

靴の外側ばかりが大きく減る

体のバランスを保つ機能が低下しているサインです。無意識に足を外側に開く『開脚位のすり足歩行』になっており、脳梗塞の他にも正常圧水頭症などの脳疾患が隠れている可能性があります。

これらの変化に気づいた時点で、脳内の血流不足はすでに進行している可能性があります。『まだ歩けるから』と過信せず、今こそ医療機関を受診すべきタイミングです。」

今日からできる!脳のネットワークを守る歩き方

---脳梗塞のリスクを下げるために、日常生活で取り入れられる予防策はありますか? 

松岡雄治さん:

「歩く力を守り、脳の運動ネットワークに適度な刺激を与えるためには、今日からできる2つのアクションを意識してください。

足に密着する『かかとが硬い紐靴』を選ぶ

足の裏には地面の傾きなどを感知するセンサーが密集しています。脱ぎ履きしやすい柔らかい靴は、このセンサーの働きを鈍らせてしまいます。かかとをしっかり固定できる紐靴を選び、毎回結び直して履くようにしましょう。

『今より5センチ大股』で歩く

小刻みな歩幅のまま放置すると、使われない運動神経の機能がさらに衰え、歩幅はどんどん小さくなってしまいます。少し歩幅を広げる意識を持つだけで足を持ち上げる筋肉が使われ、脳の運動ネットワークが強く刺激されます。

ただし、すでに歩行時の強いふらつきや手足のしびれを自覚している場合は別です。靴や歩き方を変えるだけで根本的な解決にはなりません。ご自身の努力だけで治そうとするのは危険です。まずは神経内科を受診し、MRI検査で『隠れ脳梗塞』の有無を確認しましょう。
高血圧などの適切な薬物治療を早期に受けることが、重篤な脳疾患を防ぐ最大の予防策です。この気づきを大切に、ご自身の足で歩ける時間を守りましょう。」

「まだ歩ける」と過信せず、足元からのアラートを大切に

靴の減り方は、単なる歩き方の癖ではなく、脳からの重要なメッセージです。「年齢のせい」と決めつけて見過ごしてしまうと、本格的な脳卒中や認知症のリスクに気づく機会を失ってしまうかもしれません。

まずは今すぐ、ご自身の靴の裏を確認してみてください。そして、もし違和感を覚えたら、「まだ大丈夫」と過信せず、早めに医療機関を受診すること。そして、日々の歩き方に少しの工夫を加えること。この小さな積み重ねが、将来の健康な生活を守る大きな一歩となります。


監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

の記事をもっとみる