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「軽のほうが安いはずじゃ…」子どもが生まれ乗り換えた30代夫婦。見積もりで発覚した“自動車保険の盲点”

  • 2026.4.26
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。自動車販売・整備・保険業に27年従事している河野みゆきです。

「軽自動車なら自動車保険は安いですよね?」

店頭で本当によく聞かれるご相談です。ところが実際に見積もりを出してみると、「え、普通車とあまり変わらない…」と驚かれるケースは珍しくありません。なかには、条件次第で普通車のほうが安くなることもあります。

保険料は“車の大きさ”ではなくリスクで決まる

まず知っておきたいのは、自動車保険料は車の大きさや排気量だけで決まるものではないという点です。

現在の保険料は「型式別料率クラス」という仕組みによって細かく設定されており、車種ごとの事故率や修理費、盗難リスク、さらには対人・対物賠償の支払い実績など、さまざまなデータが反映されています。

つまり、同じ軽自動車でも「事故が多い・修理費が高い」と判断される車種は保険料が上がりやすく、逆に普通車でもリスクが低い車種であれば保険料が抑えられることがあるのです。

「軽のほうが安いはず」が崩れた実際のケース

実際にあったのが、30代のご夫婦とお子さん1人のBさんのケースです。

軽自動車に乗っていた経験のあるBさんは、「軽は維持費が安い」というイメージを持っていました。

その後、一度はコンパクトカーへ乗り換えたものの、お子さんが生まれたことをきっかけに、「やっぱりスライドドアの軽のほうが使いやすいし、自動車保険も安いはず」と考え、再び軽自動車への乗り換えを検討し始めます。

ご来店時も、「軽のほうがトータルで安くなりますよね」と、ほぼ軽自動車で決めているご様子でした。

そこで念のため、同条件で保険の見積もりを出してみたところ、想定よりも保険料が高い結果に。さらにコンパクトカーでも試算してみると、保険料に大きな差が出なかったのです。

見積書を見たBさんは、「軽のほうが安いと思って戻そうとしていたのに、あまり変わらないんですね…」と驚かれていたのが印象的です。

この背景には、車種ごとの事故率や修理費、支払い実績などをもとにした料率クラスの違いがあります。

2025年1月の制度改定により軽自動車の料率区分が細分化されました。この細分化で車種ごとの差がこれまで以上に保険料へ反映されやすくなったのです。そのため、料率クラスが高めに設定されている軽自動車では、保険料が想定より上がるという結果に。さらに、車両保険を付帯するかどうかや、一般条件で契約するかといった補償内容によっても保険料は大きく変わります。

こうした条件が重なることで、「軽=安い」というイメージとのギャップが生まれやすくなるのです。

見落としがちな“トータル維持費”と事前見積もりの重要性

自動車保険の保険料は、車両保険の有無や補償内容に大きく影響されます。しかし、「軽自動車は価格が安いから保険も安いはず」という考え方も要注意です。確かに車両保険の部分では価格が影響しますが、保険料全体に占める割合はそれだけではありません。

むしろ、対人・対物賠償の支払い実績や事故率、修理費の高さなど、「どれだけ保険金が支払われやすい車か」という視点のほうが大きく影響します。最近では、軽自動車でも装備の高度化や修理費の上昇により、保険料が高めに出るケースが増えているのが実情です。

反対に普通車でも、燃費性能や保険料の条件次第では、トータルコストで大きな差が出ない、あるいは逆転するケースもゼロではありません。

「軽=すべてが安い」という時代は、少しずつ変わってきています。だからこそ、車を購入する前に一度保険の見積もりを取っておくことが重要です。

実際、購入後に「こんなはずじゃなかった」と感じる人の多くは、保険料を事前に確認していなかったケースです。ほんのひと手間ですが、この確認だけで後悔はかなり防ぐことができます。

車選びは、車両価格や見た目だけでなく、「維持していく現実的なコスト」まで含めて考えることが大切です。今回の内容が、その判断材料のひとつになれば幸いです。


筆者:河野みゆき
自動車販売・整備・保険業に27年従事。損害保険募集人資格を保有し、車両購入からメンテナンス、カーライフに関わる保険まで幅広く対応。現場経験をもとに、ユーザー目線でわかりやすい情報発信を行っています。


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