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庭の春を部屋に飾る。高さ10cmの「ガラスベース」で失敗知らずに楽しむ3つのアレンジ

  • 2026.3.24

庭で次々に咲き始める花々を飾って、春を逃さず楽しみませんか? 庭で摘んだ花は茎が短かったり曲がっていたり、意外と飾るのが難しいもの。そこでおすすめなのが、高さ10cmのガラスベースです。 フラワー&フォトスタイリストの海野美規さんが、スイセンやクリスマスローズなど、いまが旬の花々を瑞々しく輝かせる、プロ直伝の簡単アレンジ術をご紹介。春に輝く黄色い花の豆知識とともに、キッチンや洗面所といった小さなスペースを、パッと明るく彩る“庭摘みの花”の楽しみ方をレッスンします。

春の花々

春の庭

春の訪れとともに、庭のあちこちで花たちが顔を出し始めます。丹精込めて育てた花が咲いたら、数輪摘んで部屋に迎え入れてみませんか。

スイセン

庭で摘む花は、切り花として売られているものよりも茎が短かったり、自由な方向に曲がっていたりするもの。そんな自然な姿を美しく受け止めてくれるのが、高さ10cmほどの小ぶりなガラスベースです。

ガラスベース

今回は、この時期の庭の主役であるスイセン、クリスマスローズ、ムスカリを使った、3つのアレンジメントをご紹介します。

高さ10cmのガラスベースが重宝な理由

ガラスベース

庭の花を飾る際、意外と難しいのが器選びです。

豪華な花瓶では茎の長さが足りず、かといって小さすぎる一輪挿しでは物足りない。そんなとき、約10cmの高さのフラワーベースであれば、短い茎でも安定しやすく、食卓や棚のちょっとしたスペースに馴染みます。

さらに「ガラス素材」を選ぶことで、水中の茎や瑞々しい水の揺らぎまでデザインの一部になり、春らしい透明感のある空間を演出してくれます。

春の花アレンジ

今回は、コロンとした球形や口径の広いものなど、形の異なる3種のガラスベースを使ってアレンジします。

春に黄色の花が多い理由

スイセン

早春の庭を思い浮かべると、スイセン、ミモザ、レンギョウ、菜の花……と、圧倒的に「黄色」が目立ちます。タンポポも黄色の花の代表ですしね。

これには、植物たちの生き残り戦略が隠されているのだそうです。

まだ肌寒い早春、活動を始める数少ない昆虫(アブやハナバチなど)は、「黄色」を認識する能力が高いといわれています。冬枯れの茶色い景色の中で、最も遠くまで届き、虫を呼び寄せやすい色が黄色なのです。

また、黄色の花びらは、太陽の光を効率よく反射し、花の中央(しべ)に熱を集める効果があって、自らを温めることで、受粉を助ける虫たちに暖かな休息所を提供しているという説もあるそうです。

暖かい場所で、ゆったり受粉の仕事ができれば、活動し始めた虫たちも大喜びですね。

レモンイエローのラッパスイセンのアレンジ

ラッパスイセン

スイセンの中でも、特にレモンイエローのラッパスイセンには、他の黄色にはない独特の魅力があるように思います。

こっくりとした黄金色のスイセンが「元気」をくれるなら、淡いレモンイエローは「光そのもの」を感じさせます。ネーミングのとおり、レモンの酸っぱさと清涼感が頭の中にも広がりますね。

レモンイエローの透明感は、青みを含んだ黄色のためで、ガラスの器に生けると水の透明感と溶け合い、花そのものが発光しているような瑞々しさを放ちます。

スイセンのアレンジ

このレモンイエローのラッパスイセンに、名残の白いジンチョウゲと白のクリスマスローズ、小輪のキズイセンを合わせて、淡い色合わせにします。

春の花

高さ10cmのコロンとした球形のフラワーベースに生ける場合、直線的な茎が見えないように、高さはベースの高さよりも低くまとめると、”丸さ”が強調されます。

春ノハナアレンジ

うつむき美人のクリスマスローズのアレンジ

クリスマスローズのアレンジ

庭ではうつむき加減に咲くクリスマスローズですが、よく見てみると、花びらのような萼(がく)の重なりとしべのデザインがとても美しいですよね。

クリスマスローズ特有のアンティークのような色調は、クリアなガラスと合わせることで重くなりすぎず、モダンな印象に仕上がります。

クリスマスローズのアレンジ

アレンジのコツとしては、器の縁に花を引っ掛けるようにすると、うつむき加減の花もしっかり見ることができます。また、すっとした茎のラインも見え、横向きの花の美しさも楽しめます。

クリスマスローズのアレンジ

ムスカリのミニチュアガーデン風

ムスカリのアレンジ

背の低いムスカリは、短い茎を活かして、まるで庭の一部を切り取ったようなしつらえにしてはいかがでしょうか。

口径の広いガラスベースを使い、ムスカリを群生するようにまとめて生けます。

出始めたばかりの短めのムスカリには、高さ10cmのベースがぴったりサイズです。

ムスカリ

球根がついていれば、そのままべースの底に球根を並べるだけで簡単にまとめられます。土の中にあるはずの「根」をガラス越しに観察することで、生命の力強さを感じることができます。

ムスカリの鮮やかなブルーは、透明なガラスと水の透明感と抜群の相性です。

ムスカリのアレンジ
庭の花

春の庭摘み花を美しく見せてくれる高さ10cmのガラスベース。

スイセン、クリスマスローズ、そしてムスカリ。それぞれの個性をガラスの透明感が引き立て、部屋の中に小さな「春の庭」を再現してくれます。

特別な技術は必要なくて、朝の庭で一番目が合った花を摘んでくるだけ。

そんな軽やかなしつらえから、春の暮らしを楽しみましょう。

春の花アレンジ

ガラスベースは水が汚れると目立ちます。1日1回の水替えがおすすめです。新鮮な水になると、花は、シャキーンと背筋が伸びて、パッと明るくなるような気がします。

小さなフラワーベースでしたら、どこでも置けるのも嬉しいですね。キッチンや洗面所、いつも座る椅子の近くなど、日常で何度も目が合う場所に置くのが、春を逃さないコツかもしれません。

私は、いつも座る日当たりのよいソファーの傍らの、小さなテーブルに花を飾ることが多いのですが、こんなふうに、ジンチョウゲやスイセンを一緒にアレンジすると、 ふとした瞬間に、ひだまりの温もりと花の香りが重なり、「あ〜春だな〜」と心がほどけていく感じがします。

Credit
写真&文 / 海野美規 - フラワー&フォトスタイリスト -

うんの・みき/フラワー&フォトスタイリスト。ハーバルセラピスト。愛犬あんとの暮らしを通じて、動物のための自然療法を学ぶ。パリで『エコール・フランセーズ・ドゥ・デコラシオン・フローラル』に入門、ディプロムを取得。『アトリエ・サンク』の山本由美氏、『From Nature』の神田隆氏に師事。『草月流』師範。フランス、ハンガリー、シンガポールでの暮らしを経て、現在日本でパリスタイル・フラワーアレンジメントの教室『Petit Salon MILOU(プチ・サロン・ミロウ)』を主宰。

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