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殺し合い、信頼し合う――唯一無二の設定で大ヒットした「暗殺教室」劇場版鑑賞前に“E組”の暗殺事情をおさらい

  • 2026.3.20

原作の完結とアニメ放送の終了から10周年を記念したプロジェクト「アニメ『暗殺教室』10周年の時間」が展開中の「暗殺教室」。原作は週刊少年ジャンプに2012年から2016年まで連載された松井優征による作品で、コミックス累計発行部数は2700万部を突破する人気を博した。テレビアニメは全47話で放送され、ゲームやスピンオフ作品などメディアミックスで展開。実写映画版では、殺せんせーの声を二宮和也が務め、Hey! Say! JUMPの山田涼介、菅田将暉、橋本環奈など人気俳優が勢ぞろいしたことも話題に。10年前、社会現象となった本作のアニバーサリー企画の目玉となるのが、3月20日より公開となった『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』だ。

【画像を見る】E組の生徒たちに、自分を殺すための暗殺術を教える殺せんせー(「暗殺教室」第1期)

落ちこぼれクラスが習うのは“暗殺”!?斬新なアイデアで社会現象に

突如始まった、担任をターゲットにした暗殺計画は果たして成功するのか!?(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
突如始まった、担任をターゲットにした暗殺計画は果たして成功するのか!?(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

椚ヶ丘中学校3年E組。落ちこぼればかりが集められ、“ENDのE組”とほかの生徒や教師たちから揶揄されていたE組に、ある日、黄色いタコ型の超生物“殺せんせー”(声:福山潤)が担任として赴任する。地球を壊せるほどの恐ろしいパワーを持つ危険な先生を殺すため、E組生徒は殺し屋となって殺せんせーと対峙することに。

しかし、殺せんせーは危険どころか生徒思いで教育熱心な心優しい先生だった。生徒たちによる銃弾やナイフをマッハ20の速度で交わしながら、生徒一人一人に熱血指導を行い、気づけば全員の成績も上がり学校内でも一目置かれるように。E組生徒たちはしだいに自信をつけ人として成長し、殺せんせーに信頼を寄せながら、クラスには絆や連帯感が生まれていく。

隙がないように見えて、実は恥ずかしい面も持っていたりする殺せんせー(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
隙がないように見えて、実は恥ずかしい面も持っていたりする殺せんせー(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

生徒のゴシップネタとエロ本収集を趣味とし、実に俗物的でセコく、人間味あふれる殺せんせーのキャラクターは本作の大きな魅力。また、個々の生徒にスポットを当てた、いわゆるお当番回では、それぞれの個性や特技が暗殺に活かされる様子や、同時に生徒の過去やトラウマなども描かれる、感動の名ストーリーも多数。家族の問題や同級生との対人、成績をめぐるものなど、生徒たちの立場となって指導をする、殺せんせーのまっすぐな指導と言葉に、自分の学生時代を思いだし胸打たれたファンも多いだろう。

E組の教科担任イリーナ(左)と副担任の烏間惟臣(右)(「暗殺教室」第2期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
E組の教科担任イリーナ(左)と副担任の烏間惟臣(右)(「暗殺教室」第2期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

さらに殺せんせーをねらうキャラクターはE組生徒だけではない。“女”を武器に暗殺を行うイリーナ・イェラビッチ(声:伊藤静)、イリーナの師匠のロヴロ・ブロフスキ(声:松山鷹志)、スナイパーのレッドアイ(声:楠大典)、殺せんせーと同じ触手の能力を持った堀部糸成(声:緒方恵美)など、キャラの立った殺し屋たちの存在も本作の魅力だ。

殺し合うけど、信頼もし合う――不思議な絆でつながるE組

【画像を見る】E組の生徒たちに、自分を殺すための暗殺術を教える殺せんせー(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
【画像を見る】E組の生徒たちに、自分を殺すための暗殺術を教える殺せんせー(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

まず、本作のアイコンともいうべき存在である、教師の殺せんせー。月の70%を破壊し三日月にするほどのパワーを持ち、手は触手で自由自在。水が弱点だが、手のひらサイズの大きさに縮まることで水すらも効かなくなる。通常時の身体は黄色で、相手をナメている時は縞模様になり、怒っている時はその度合いによって赤や黒に変色する。「殺せんせー」という名称は、「殺せない先生」という意味で生徒が命名したもの。

E組でも屈指の暗殺能力を持つ渚(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
E組でも屈指の暗殺能力を持つ渚(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

水色の髪にツインテールのような髪型が印象的な男子生徒の潮田渚(声:渕上舞)は、大人しく温厚な性格で、優れた観察力で声のトーンなどから相手の状態を見抜く。得意技は“猫だまし”。小柄で見た目は女の子のようにかわいらしいが、実はクラスでも有数の暗殺の腕前を持つ。殺せんせーの教師としての側面に憧れており、教師を目指している。

成績優秀ながら粗暴な性格で、停学していた時期もある業(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
成績優秀ながら粗暴な性格で、停学していた時期もある業(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

赤髪のイケメンである赤羽業(声:岡本信彦)は、渚の1〜2年の時のクラスメイト。成績優秀だが素行に問題があり、2年生の時に暴力沙汰で停学処分を受け3年の途中から復帰。イタズラ好きで、人をおちょくるのが得意。戦闘の才能に長けており、クラスで初めて殺せんせーにダメージを与えた。

スイーツ好きな女子生徒、カエデ(右)。実は隠している過去があるようだが…(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
スイーツ好きな女子生徒、カエデ(右)。実は隠している過去があるようだが…(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

緑色の髪の小柄な女子生徒、茅野カエデ(声:洲崎綾)。「殺せんせー」と名付けた張本人。大のスイーツ好きで、巨大プリンを使った暗殺を計画したことも。かつて天才子役として名を馳せたが、とある復讐のため名前を変え、過去を隠してE組に編入したことが第2期14話で明かされている。

自律思考固定砲台、通称「律」。“生徒には手を出せない”という殺せんせーの契約を逆手に取って政府から送り込まれた新型兵器(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
自律思考固定砲台、通称「律」。“生徒には手を出せない”という殺せんせーの契約を逆手に取って政府から送り込まれた新型兵器(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

殺せんせー暗殺のため作られた、人工知能を搭載した新型兵器“自律思考固定砲台”(声:藤田咲)。周囲から「律」と呼ばれている。ロッカーのような四角いボディの前面にモニターがあり、アイドルチックなあざとい画像を表示。複数武器の同時使用が可能なほか、ハッキングが得意で、データ集計や分析の任務を担うことが多い。

生物兵器として、律と同時期に開発された堀部糸成。殺せんせーと同様に触手を持っている(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
生物兵器として、律と同時期に開発された堀部糸成。殺せんせーと同様に触手を持っている(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

頭に巻いたバンダナがトレードマークの堀部糸成は、殺せんせーと同じ触手を持つ生物兵器として生まれ、殺せんせー暗殺を謀りE組の前に現れるが、逆に命を救われ生徒として迎え入れられる。手先が器用で、ラジコンの改造などの電子工作が得意。

クラスのまとめ役的な存在である学級委員の片岡メグ(右)(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
クラスのまとめ役的な存在である学級委員の片岡メグ(右)(「暗殺教室」第1期) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

E組の女子学級委員で、責任感のかたまりとも評される片岡メグ(声:松浦チエ)。文武両道で人望が厚く、男前の性格であることから「イケメグ」と呼ばれ、女子生徒からラブレターをもらうことも。

“みんな”のエピソードを描く劇場版

3月20日から公開された『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』では、タイトルの通りこれまでアニメ化されていなかった生徒のエピソードが多く描かれる。

殺せんせーに立ち向かっていく渚と業(『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
殺せんせーに立ち向かっていく渚と業(『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

殺意渦巻く教室で繰り広げられたのは、暗殺だけではなかった。なにも起きなかった冬休み明けの3学期初日、渚たちが日々を振り返る。学級委員で水泳が得意な片岡メグ、アートが得意な菅谷創介(声:宮下栄治)、爽やかでスポーツ万能なプレイボーイの前原陽斗(声:浅沼晋太郎)。そしてハイキックが得意な弾丸娘の岡野ひなた(声:田中美海)。彼らにもスポットを当て、E組で起きた様々な出来事が深掘りされていく。さらに、番外編として屈指の人気を誇る、「居酒屋あずさ」の話も収録。コミカルな話もドラマティックなエピソードも楽しめる劇場最新作に仕上がっている。

「居酒屋あずさ」で働く、渚にそっくりな女子小学生の蛍(『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025
「居酒屋あずさ」で働く、渚にそっくりな女子小学生の蛍(『劇場版「暗殺教室」みんなの時間』) [c]松井優征/集英社・アニメ「暗殺教室」製作委員会2025

原作とテレビアニメシリーズが完結したにもかかわらず、10年後に新作映画が制作されるのは異例であり、それだけほかに類を見ない唯一無二の学園ストーリーだったということ。ぜひ“あのころ”の渚たちに会いに行ってほしい。

文/榑林史章

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