1. トップ
  2. 恋愛
  3. 世界が熱狂する「BTS」がいよいよカムバック! 3年ぶりの完全体復帰に「アリラン」を選んだ理由を考える

世界が熱狂する「BTS」がいよいよカムバック! 3年ぶりの完全体復帰に「アリラン」を選んだ理由を考える

  • 2026.3.22
【K-POPの歴史を作ったグループたちの復活と現在地】2026年3月20日にニューアルバム『ARIRANG』をリリースするBTS。アリランとは韓国の伝統的な民謡のことですが、なぜBTSは3年ぶりの完全体復帰にテーマとして選んだのでしょうか。その理由を考えます。※写真:The Mega Agency/アフロ
【K-POPの歴史を作ったグループたちの復活と現在地】2026年3月20日にニューアルバム『ARIRANG』をリリースするBTS。アリランとは韓国の伝統的な民謡のことですが、なぜBTSは3年ぶりの完全体復帰にテーマとして選んだのでしょうか。その理由を考えます。※写真:The Mega Agency/アフロ

M世代の韓国エンタメウオッチャー・K-POPゆりこと、K-POPファンのZ世代編集者が韓国のアイドル事情や気になったニュースについてゆるっと本音で語る【K-POPゆりこの沼る韓国エンタメトーク】。韓国エンタメ初心者からベテランまで、これを読めば韓国エンタメに“沼る”こと間違いなし!

K-POPゆりことZ世代編集者がゆるっとトーク
K-POPゆりことZ世代編集者がゆるっとトーク


今回のテーマは待ちに待った「BTS」のカムバックとワールドツアーについて。2026年3月20日に控えたニューアルバム『ARIRANG』リリース前から、チケット争奪戦やイベントの発表など韓国エンタメニュースはBTS一色に! いよいよ再始動する彼らへの期待感、そして今回の新譜タイトルとなったテーマ「アリラン」について語ります。

BTSのカムバックに期待がふくらむ!

第64回グラミー賞(2022)にて ※写真:The Mega Agency/アフロ
第64回グラミー賞(2022)にて ※写真:The Mega Agency/アフロ


編集担当・矢野(以下、矢野): 実はゆりこさんとBTSについて話すのは約2年ぶりです。その間、メンバーが兵役中だったというのも大きな理由ですが……いよいよ戻ってきますね!

K-POPゆりこ(以下、ゆりこ):7人そろっての活動は2022年10月に開催した『BTS <Yet To Come> CONCERT in BUSAN』以来ですもんね。あれから3年以上がたちました。撮りためておいてくれたコンテンツの配信、そして兵役から戻ってきたメンバーのソロライブなど継続的な“供給”があったので思いのほかあっという間でした。

矢野:えっ、もう3年以上も前のことなのですか……びっくりです! 今日は改めてBTSのカムバック予習編、ということでよろしくお願いします。

ゆりこ:アーミー(BTSファンの名称)の皆さんはとっくにご存じだと思いますが、改めて今後の活動スケジュールをお伝えしますと……。
・3月20日(金)ニューアルバム発売、タイトルは『ARIRANG』。
・3月21日(土) ソウルの光化門広場で「BTS THE COMEBACK LIVE | ARIRANG」を実施。ライブの模様はNetflixで全世界へ独占生中継。
・3月27日(金)からドキュメンタリー映画『BTS: THE RETURN』をNetflix独占配信
・4月9日(木)より韓国・高陽公演を皮切りにワールドツアー「BTS WORLD TOUR 'ARIRANG'」をスタート。日本公演は4月17日(金)~18日(土)に東京ドームで開催決定
※このほか、韓国国内の各地でスタンプラリーイベントやPOP-UPショップ、フォトブースなどが実施決定。東京でもPOP-UPショップが開催予定。参加方法や詳細はWeverseのBTSページを参考にしてください

矢野:やはり具体的なカムバックの日時やアルバムのタイトルが決まってきた頃から、SNSのタイムラインや音楽ニュースが依然盛り上がってきたのを感じます。特にワールドツアーの発表後は“祭り”って感じでしたね。

ゆりこ:「なんとしても行く!」みたいな熱気で包まれていましたね。多分私も全身から湯気が出ていたと思います。

矢野:すでにファンクラブの先行販売が終わったと聞きました。ゆりこさん、結果は……?

一体誰が取れるの? BTSのプレミアチケット

ゆりこ:二次先行も含めて、現時点では全滅です(涙)。応募時点で、なかなかサイトに入ることさえできませんでした。「あと1万何千人待っています」という待機画面が出て、数時間待つことに。その時点で競争率の高さがヒシヒシ伝わりました。さらに抽選結果を見る時も同じぐらいの混み具合。私の場合はサイトにたどり着く前に落選メールが来てしまったのですが、中にはメールもなかなか来ずにヤキモキしたファンも多かったようです。

矢野:やはりそう簡単にチケットは取らせてくれないのですね……。BTSの人気と注目度の高さがうかがえます。そして今回、チケット料金も上がっていたんですよね?

ゆりこ:2018年のドームツアーは1万2000円程度だったと記憶しています。席の位置にかかわらず値段は統一でした。今回はステージに近いVIP席が4万5000円、SS席が3万5000円、S席が2万5000円です。BTSに限らず、最近のK-POPコンサートはVIP席や追加料金を払うアップグレード席など高単価チケットを売るケースが増えています。ビリー・アイリッシュやブルーノ・マーズのようなアメリカのビッグスターの公演チケットと価格帯が並んできました。とはいえBTSであれば定価の2倍払ってでも行きたい、という人が大勢いると思います。

矢野:約4倍も高くなっているのですね! ただ、物価や人件費などさまざまなコストが高騰している今の時代を考えると、決して不当な価格設定とは言えなさそうです。そういえば、海外公演のチケットを買えた人もいるみたいですね。

ゆりこ:いわゆる“チケッティング”が成功した人ですね。抽選制の日本と違って韓国をはじめとする海外公演のチケット購入は、販売開始から販売ページが開き、早い者勝ちで確保するスタイル。“血を流しかねないほど”過酷な争奪戦は「ピケッティング(ピは韓国語で血の意味)」と呼ばれるのですが、ネットの通信状況がいいネットカフェを事前に予約したり、ファン仲間と協力し合ったりと、綿密な準備と戦略が必要になります。

すでに転売問題も勃発!? 国を挙げて準備中のカムバックライブ

矢野:韓国の光化門広場で行われる屋外ライブは、ファンクラブに入っていない人でもチケット予約にチャレンジできたと聞きました。しかも無料だとか。大盤振る舞いですよね! ただファンの中では賛否両論のようですが、ゆりこさんはどう思いますか?

ゆりこ:ファンクラブ会員を対象にした枠もあるのですが、アイテム購入が応募条件だったので「一般チケットは無料なのに?」という疑問の声は上がっていましたね。あくまで私の予想ですが、今回の会場となる光化門広場やその一帯は国や行政からの許諾を得てこそ、実施が可能になる場所。今回は大勢の人が押し寄せるのを危惧して、警察や行政による国家レベルの警備体制が敷かれます。まさに国を挙げてのプロジェクトですよね。だからこそ、あらゆる人に対して平等に観覧の機会を設けろという“条件”がついたのではないでしょうか。

矢野:いち民間企業による営利目的のイベントではありませんよ、ということですよね。でも結局は「ピケッティング」になるでしょうし、普通の人が取るのは難しそうです。さらには転売業者があらゆる手を使って買いあさる、なんてことが起こらないよう祈ります。

ゆりこ:すでに光化門のチケットが最大150万ウォン、つまり15万円以上の高値で売りに出されていたそうです。ただ、韓国の警察と文化体育観光省が取り締まりと罰則強化を宣言しています。現地で発覚した場合、軽犯罪処罰法に基づき16万ウォンの通告処分、マクロプログラムを使った大量購入や転売の場合、公演法違反で1年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金となります。

矢野:16万ウォンって2万円以下ですよね。大量に販売しても100万円以下か……もっと厳しくてもよい気がしますが。

ゆりこ:厳罰とは言い難いですよね。チケットが取れなかった身としては、転売目的の席を早めに摘発して、ファンへ開放してほしいなと思ってしまいます。当日の身分証チェックも厳しいと思いますし、実質的に転売チケットで入るのは不可能に近いでしょう。ちなみに私は以前、とあるアーティストのスタッフとして転売チケットの取り締まり現場に立ち会ったことがあります。案外、転売チケットってバレるんです。会場から引きずり出されて、泣きながら帰って行く人たちを大勢見ました。今回の本題とズレるので、詳細は割愛しますが、本当に転売チケットはおすすめしません!

BTSの気概とポジションを表す「アリラン」というテーマ

矢野:ところで、今回のアルバムタイトルにもなっている「ARIRANG(アリラン)」ってどういう意味でしょうか? 韓国の伝統的な歌だということはニュースを見て知りました。

ゆりこ:「アリラン」はユネスコの無形文化遺産にもなっている韓国の伝統的な民謡です。「アリラン」という曲名の意味についてはまだ分かっていません。韓国の知人たちに聞いて回ったのですが「誰も知らない」と。古くから口頭伝承で残されてきた曲なので、きちんとした記録がないそうなんですね。歌詞を要約すると「峠の向こう、はるか遠くにいる、かつて愛した人を想う」という内容なので、韓国語の「アリダ(痛む)」から来ているんじゃないかという話もあります。ただ、それも一説。

矢野:胸が痛む、切ない恋の歌という感じなのですね。そういう曲が民謡として広く知られているというのも面白いです。

ゆりこ:はい。一見すると失恋ソングです。一方で、幅広い捉え方ができる部分もあります。乗り越えてきた過去を振り返り、つらいことをバネにして前を向こうとするような意思を読み取ることもできますし、聞く人のタイミングや人生観によって解釈が変わる曲だと思います。これは韓国の友人たちの受け売りなのですけれど(笑)。

矢野:韓国の方は全員、この「アリラン」を知っているんですか? 日本の「さくら〜さくら〜」みたいに。

ゆりこ:小学校などで歌うので、ほとんどの人が知っているそうですよ。興味深かったのは、一般的に知られているアリランは「後発曲」だという話でした。アリランは地域ごとにメロディーやリズムの違った別バージョンがあるんですって。みんなが知っているのは「キョンギ アリラン」というもので、キョンギ道、つまり韓国のソウルを中心とした“首都圏”の民謡。BTSが2016年に一度ステージで歌っているのですが、それも「キョンギ アリラン」がベースとなっています。

矢野:元祖となる別バージョンが存在するってことですね?

ゆりこ:韓国観光公社によると、江原道(カンウォンド)の旌善(チョンソン)アリランが始源と言われているそうです。他にも珍島(チンド)アリラン、密陽(ミリャン)アリランが有名で、合わせて「3大アリラン」と呼ばれるとか。YouTubeで見てみたのですが、全部違う曲に聞こえるほど多種多様です。

矢野:先日3月17日に公開されたNetflixのドキュメンタリー映画『BTS: THE RETURN』のトレイラーでも「『アリラン』のテーマは切ない思い」というメッセージが入っていましたね。
ゆりこ:字幕の「切ない思い」という部分、実際には「恨(ハン)が込められた音楽」って言っているんです。漢字の通り「恨めしい」という意味ではなく、生きていく中で抱える不条理への悲哀、悔しさ、わだかまりなどを表します。字幕の通り「切ない思い」も含めた、複雑な感情です。日本語だと一言で表すのが難しいですね。

矢野:韓国的な情緒を大事にしながら、普遍的な人生の痛みを音楽に乗せて届けていく、そんなイメージでしょうか。さらに成熟した姿を見せてくれるんだろうな、という期待感があります。

ゆりこ:すでに韓国のポップカルチャーの象徴。世界中で聞かれるアーティストになったからこそ、今あえて自分たちのルーツである韓国の感性と文化を世界へ提示する。それは「どこまでも自分たちらしく、韓国発のアーティストとしての誇りを忘れない」という、彼らの意志の表れのようにも感じます。

矢野:僕は何より新譜、彼らの新しい音楽が楽しみです! メンバーが参加した曲も多いようですし、世界的なコンポーザー、プロデューサーたちが参加しているんですよね。

ゆりこ:Tame Impalaのメンバーや、ハリー・スタイルズの曲でおなじみタイラー・ジョンソンの名前もありました。すでに公開されている曲名とクレジットの一部だけでも、期待してしまいます。私は残念ながら光化門のチケットをゲットできませんでしたが、せめて現地の空気感だけでも味わおうと、ソウルに行ってきます!

矢野:次回は現地の感想とリポートをお願いします! 僕は日本で配信と音源で楽しもうと思います。

<参考>
・KOREA WAVE/AFPBB News「韓流BTS光化門公演の無料チケット高額転売横行…最大150万ウォンで出品、政府と警察が対策強化」(2026年3月17日)
・VISITKOREA「旌善アリラン祭り(정선아리랑제)」

【ゆるっとトークをお届けしたのは……】
K-POPゆりこ:音楽・エンタメライター。雑誌編集者を経た後、渡韓し1年半のソウル生活を送る。帰国後は、K-POPや韓国カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」として、雑誌やWebメディアなどでの執筆活動や、韓国エンタメ情報ラジオ番組『ぴあ presents K-Monday Spotlight』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど幅広く活躍中。

編集担当・矢野:All Aboutでエンタメやビジネス記事を担当するZ世代の若手編集者。物心ついた頃からK-POPリスナーなONCE(TWICEファン)&MOA(TOMORROW X TOGETHERファン)。

この記事の執筆者: K-POP ゆりこ
音楽・エンタメライター。雑誌編集者を経た後、渡韓し1年半のソウル生活を送る。帰国後は、K-POPや韓国カルチャーについて書いたりしゃべったりする「韓国エンタメウオッチャー」として、雑誌やWebメディアなどでの執筆活動や、韓国エンタメ情報ラジオ番組『ぴあ presents K-Monday Spotlight』(TOKYO FM)でパーソナリティーを務めるなど幅広く活躍中。

文:K-POP ゆりこ

元記事で読む
の記事をもっとみる