1. トップ
  2. 「縮小」することで愛着が増し繁盛するという価値観も成功の好事例のひとつである【人生が豊かになる言葉の選択 vol.121】

「縮小」することで愛着が増し繁盛するという価値観も成功の好事例のひとつである【人生が豊かになる言葉の選択 vol.121】

  • 2026.3.18

京都「両足院」の副住職、伊藤東凌さんは「“言葉”は捉え方次第で、人生をもっと豊かにすることができる」と言います。視点を変えることで選択肢が増え、視野が広くなる。そして、自分自身で選んでいくことで、心がもっと成長する。毎週水曜日に配信するこの連載【人生が豊かになる言葉の選択】では、そんな、プラスの循環へと繋がる思考の変換方法を学んでいきます。

現代のお坊さんが説く“人生を豊かにする、言葉の選び方・捉え方”とは? 今回は、大切に愛でることで成功へと導く「縮小」という選択について。

小規模だから心地良いという価値観も忘れてはいけない

Yuna Yagi

親しい友人との食事や、膝を突き合わせて語り合いたい話があるとき、好んで選ぶ小さな和食店があります。カウンターだけのその店は、くつろげる雰囲気と丁寧な料理が愛され、地元の常連客でいつも満席。商売を拡大しなくても十分成り立っており、規模をギュッと「縮小」することで成功している、いい事例です。

自分の特性を理解しベストポジションを獲得することで仲間が増える

人口と労働力の減少が進み、この先、社会をどう発展させるかが、喫緊の課題に。そこでは企業も社会も拡大を続け、永続することを目的としますが、拡大だけが私たちの生存戦略なのでしょうか。むしろ日本には、縮小することで深みを増し、社会を熟成させてきた歴史があります。島国で閉鎖的な村社会が長く続いたため、外圧に抵抗して拡大するよりも、仲間内に敵をつくらないことが、生き延びるために必要でした。強く相手を制するよりも、中立的で攻撃されない立場を選んだほうが、生存確率が高まります。それは言い換えると、自らを縮小してかわいく見せること。内部からかわいがられ、ひいきにされれば、無理に勢力を拡大しなくても十分幸せにやっていけます。

小さくなって生き残る戦略は自然界にも多く見られ、姫リンゴ、ヒメシャラ、姫笹など姫と名の付く植物は、本家の植物より小型化して繁殖してきました。人がつくる日本庭園や盆栽も、自然の姿を縮小、美しさを濃縮して表現したもの。大きすぎると手をかけるのも鑑賞するのも難しいものが、縮小することで美意識を注入しやすく、味わい深くなるのです。

あなたが縮小して、より色濃く変化させたいものはなんでしょうか。進化や成熟の方法は、拡大だけではありません。いまあるものを煮詰めて濃縮し、縮小して大切に味わうという選択肢も、心に留めておいてください。

<読者のみなさんのお悩みを募集します!>
人間関係やキャリアについてなど、読者のみなさんのお悩みに、伊藤東凌さんがお答えします。こちらに必要事項を明記の上、ご応募ください。採用されたご相談内容に関しましては、同メディアの企画内で解決方法をご提案させていただきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる