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【健康診断】血糖値「100」はもう安全圏じゃない?ダイエット以外に“すべきこと”とは 糖尿病専門医に聞く

  • 2026.3.13
早朝空腹時血糖値が「100以上109以下」だったときに注意すべきことは?(画像はイメージ)
早朝空腹時血糖値が「100以上109以下」だったときに注意すべきことは?(画像はイメージ)

健康診断で「早朝空腹時血糖値が正常よりもやや高い」と指摘された経験はありませんか。一般的に、血糖値が1デシリットル当たり100~109ミリグラムの場合、100未満の人に比べて糖尿病リスクが高いとされており、注意が必要です。

もし早朝空腹時血糖値が100~109の間だった場合、将来的に糖尿病を防ぐにはどのような対策が必要なのでしょうか。「三鷹駅前たなか糖尿病・内科クリニック」(東京都三鷹市)院長で、糖尿病専門医の田中祐希さんに聞きました。

インスリンの効きが低下している可能性も

Q.そもそも、早朝空腹時血糖値とはどのようなものなのでしょうか。早朝空腹時血糖値が上がる原因も含めて、教えてください。

田中さん「早朝空腹時血糖値とは通常、その前の食事から長い時間がたち、その前の食事の影響を受けていない血糖値を指します。

血糖値は食事の影響により毎日上がったり下がったりを繰り返しており、通常は食後30分から1時間程度で血糖値は最高値まで上がります。その後、徐々に下がっていき、2時間程度で食事をする前の状態まで下がっていきます。

健康診断では通常、前日の午後9時までには夕食を済ませておくように指示されることが多いため、午前9時から健診を受け始める人でも12時間以上は絶食状態が維持できているはずです。

早朝空腹時血糖値は食事の影響が抜けて最低値になっており、食事をしなければ変動しないと考えがちですが、実は少しの変動があります。そのため、日によって、または数時間のタイミングの違いで値が変わることはあり得ます。

早朝空腹時血糖値に変動を与える要素としては、まずは本人の膵臓のインスリンを作る能力です。インスリンは血中の糖を細胞に移行させ、エネルギーとして利用させるためのホルモンですが、インスリンを作る力には個人差があります。家系の影響も大きく、遺伝的にインスリンを作る力が弱い家系もあります。

その他、『インスリンの感受性』、つまりインスリンの効きやすさも重要で個人差があります。例えば、体脂肪が多いほど効きが悪く、筋肉が多いほど効きが良いといわれています。

インスリン感受性は毎日大きく変わるわけではありません。ただ、毎日変わりうる要素として前日の運動量、前日の睡眠、前日夜の食事の脂質の量があります。前日の運動量については、運動量が多い方が翌日の血糖値は下がりやすく、前日夜に十分に睡眠を取り深く眠れていると、空腹時血糖は下がりやすくなります。

逆に睡眠時無呼吸症候群がある場合は、良質な睡眠が得られず空腹時血糖値が上がる可能性があります。食事で摂取した脂質は食後6~12時間後に血糖値を上げやすく、夕食に油分が多いものを取り過ぎると、翌日の朝の空腹時血糖値を上げる可能性があります。

これらの変化は膵臓の機能が十分に保たれていれば、通常小さな変動にとどまり、早朝空腹時血糖値は高くはなりませんが、徐々にインスリンを作る力が低下してくると血糖値が少しずつ上がっていきます」

Q.健康診断の結果、早朝空腹時血糖値が1デシリットル当たり100~109ミリグラムの間だったとします。この場合、正常値なのでしょうか。それとも、糖尿病の一歩手前の状態なのでしょうか。

田中さん「早朝空腹時血糖では1デシリットル当たり109ミリグラムまでが正常値、110~125ミリグラムが境界型糖尿病域、126ミリグラム以上で糖尿病域です。

そのため、早朝空腹時血糖値が100~109ミリグラムの人は正常域ではあるのですが、100ミリグラム未満の人より糖尿病への移行リスクが高いといわれており、警戒が必要です」

Q.健康診断で早朝空腹時血糖値が1デシリットル当たり100~109だった場合、1年あるいは数年かけて100未満に戻すことは可能なのでしょうか。そのためには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

田中さん「まず早朝空腹時血糖値は日によって少しバラつきがありますが、膵臓のインスリンを作る機能が十分に保たれていれば、少ないばらつきで100未満となります。一方、膵臓のインスリンを作る能力が徐々に低下してくるとバラつきが大きくなり、血糖値が100以上を示すようになるため、注意が必要です。

そこで、まず健康診断の前日は夕食が遅くならないように、そして夕食時に脂肪分が多い食べ物を取り過ぎないようにしてください。そして、なるべく早く寝て十分な睡眠を取り、良いコンディションで健診に臨むようにしましょう。

それでも、早朝空腹時血糖値が100以上出てしまう場合は、膵臓を鍛えてインスリンを増やすことはできません。インスリンの感受性を改善させるため、日々の運動習慣を身に付けて体脂肪を減らし、筋肉量を増やすことを目指しましょう。

また、いびきをよく指摘されたり、日中に眠気が出やすかったりする場合は睡眠時無呼吸症候群の可能性があるため、医療機関で検査を受けるのもよいでしょう」

Q.早朝空腹時血糖値が1デシリットル当たり100~109ミリグラムだったにもかかわらず放置した場合、どのようなリスクが生じる可能性があるのでしょうか。

田中さん「早朝空腹時血糖値が1デシリットル当たり100~109ミリグラムというのは、直接的な害がまだ出にくい段階ですが、インスリンを作る能力が落ち始めている可能性があります。必ず健康診断で数値を追跡して、さらなる上昇がないかを確認しておきましょう。

先述のように、早朝空腹時血糖値が110ミリグラムを超えてくると境界型糖尿病域となり、対策を講じないと、そのまま126ミリグラム以上の糖尿病に移行していく可能性が高いです。糖尿病は自覚症状が出にくいので、ぜひ健康診断で数値を追いかけておきましょう」

オトナンサー編集部

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