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ミニマリストの娘 vs 捨てられない母。実家の“ごちゃつき”が許せなかった私が、母に頭を下げたワケ

  • 2026.3.13

すっきりした空間が心地よいと感じる筆者。物が多い実家に違和感を抱いていましたが、思いがけず母に助けられる出来事がありました。ある一枚のグラタン皿をきっかけに、自分の基準が揺れた夜を振り返ります。

画像: ftnews.jp
ftnews.jp

減らすのが“正解”だと思っていた

私は「最近使っていない」と思った物を、そのまま置いておくのが苦手です。

手放したあとの空間を見ると、家の中が整った気がして、自然と気持ちが落ち着きます。

一方で、まったく違うのが母。実家の台所や収納には、食器や鍋、保存容器が所狭しと並んでいます。

棚の上には保存容器の山、引き出しでは重なった鍋のふたが触れ合う音。明らかに使っていない来客用のティーセットも、保管されていました。

「いつか使うかもしれないから」それが、母の口癖でした。

正直に言えば、私はその光景が苦手。実家を訪れるたび、目に入る物の量の多さに落ち着かず、「減らせばいいのに」と、心の中で思ってしまうのです。

家族からの、献立リクエスト

ある夕方「今日、グラタン食べたい」と、子どもが言いました。

時間にも余裕があり、その気になった私。
材料を買い、手順も頭の中で整えて「よし、作ろう」とキッチンに立った、そのときです。

……グラタン皿が、ない。

思い返せば、数年前。

「最近使っていないし、もう出番はないだろう」と処分していたのです。

まさか、こんな形で必要になるとは……。

残していた母の一枚

結局、私は母に連絡をしました。
「グラタン皿、貸してもらえる?」

母は特に驚いた様子もなく「いいわよ」と、いつも通りの調子で答えました。

受け取りに行くと、戸棚の奥から迷いなく取り出してくれました。重なった食器の間にきちんと収まっていたのです。

その夜、嬉しそうにグラタンを食べる子どもを見ながら、ふと実家の台所を思い出していました。

変化した私の基準

物が多くて、ごちゃっとした、あの空間。私にとって心地よい場所とは言えません。それでも「いざ」というとき、必要なものが残っている場所でもあります。

減らすことも、残すことも。どちらが正しいと言い切れるものではないのかもしれません。

あの夜は、グラタン皿一枚分だけ、自分の基準が揺れた気がしました。
その後、実家に行くたび、あの戸棚の景色が、以前とは少し違って見えています。

【体験者:40代・筆者、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:大空琉菜
受付職を経て、出産を機に「子どもをそばで見守りながら働ける仕事」を模索しライターに転身。 暮らしや思考の整理に関するKindle書籍を4冊出版し、Amazon新着ランキング累計21部門で1位に輝く実績を持つ。 取材や自身の経験をもとに、読者に「自分にもできそう」と前向きになれる記事を執筆。 得意分野は、片づけ、ライフスタイル、子育て、メンタルケアなど。Xでも情報発信中。

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