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左利きの人ほど「ある性格特性」が強くなる傾向

  • 2026.3.5
Credit: canva

スポーツの世界では、左利き(サウスポー)の選手が「戦いにくい相手」として語られることがあります。

左利きならではの動きの読みにくさがあり、少数派ならではの強みがあるとも言われてきました。

それと同時に、伊キエーティ=ペスカーラ大学(University of Chieti-Pescara)の最新研究で、左利きには心理面でも競争に強い特質があったようです。

研究によると、左利きの人ほど競争に積極的になる心理傾向が強い可能性が示されました。

研究の詳細は2026年2月17日付で学術誌『Scientific Reports』に掲載されています。

目次

  • 左利きは「競争心が強い」傾向
  • 身体能力の高さが理由ではなかった?

左利きは「競争心が強い」傾向

研究チームはまず、1100人以上を対象にオンライン調査を行い、利き手の傾向や競争心、性格特性などを測定しました。

利き手の強さは「ラテラリティ指数(Laterality Quotient:LQ)」という指標で評価されます。

これは日常生活のさまざまな動作でどちらの手を使うかをもとに算出されるもので、数値が高いほど右利き、低いほど左利き寄りであることを意味します。

その結果、利き手の傾向と競争に関する心理の間に興味深い関連が見つかりました。

右利き寄りの人ほど、不安などの理由で競争を避ける傾向が強いことが分かったのです。

逆に、左利き寄りの人ほど競争を避けにくい傾向があることが示唆されました。

左利きの人は「過度な競争志向(hypercompetitive orientation)」と呼ばれる、勝利や優位性を強く求めるタイプの競争心のスコアが高い傾向があったのです。

つまり左利きの人は、競争そのものを嫌うというより、むしろ競争の場に踏み出しやすい心理的傾向を持つ可能性があるのです。

身体能力の高さが理由ではなかった?

チームは次に、心理的な結果が身体能力と関係しているのかを調べるため、実験室で別のテストを行いました。

参加者の一部を研究室に招き、「9ホールペグテスト」と呼ばれる課題に取り組んでもらったのです。

これは9本の小さな棒を片手だけでできるだけ速くボードに差し込むテストで、手の器用さを測るためによく使われます。

もし左利きが競争に強いのが身体能力のためなら、このテストでも左利きが有利になるはずです。

ところが結果はそうではありませんでした。

この課題では、右利きの参加者の方が速いケースも多く、利き手と器用さの間には明確な関連が見つからなかったのです。

さらに、手の器用さと競争心の間にも有意な関係は確認されませんでした。

つまり今回の研究は、左利きの人が競争に積極的になりやすい傾向は、身体能力ではなく心理的な要因に関係している可能性を示したことになります。

少数派だからこそ残った特性かも

研究者たちは、この結果が「進化的に安定した戦略(Evolutionarily Stable Strategy)」という理論と一致すると説明しています。

この考え方では、人間社会では多数派の右利きが集団で協力する場面に有利である一方、少数派の左利きは一対一の競争の場面で優位になる可能性があるとされています。

もし左利きが競争の場で心理的な優位を持つのなら、その特性は完全に消えることなく、一定の割合で残り続けるかもしれません。

人類の約9割が右利きである一方、左利きが約1割ほど存在し続けているのは、こうした少数派ならではの競争的な強みが関係している可能性もあるのです。

利き手という身近な特徴は、単なる身体のクセではありません。

そこには、人類の進化や社会の中で形作られてきた心理の戦略が隠れているのかもしれません。

参考文献

Left-handed people may have a psychological edge in competition
https://phys.org/news/2026-03-left-people-psychological-edge-competition.html

元論文

Assessing the link among laterality, sex and competitiveness to verify the evolutionarily stable strategy of handedness
https://doi.org/10.1038/s41598-026-38170-x

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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