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昨年退職した人、確定申告どうする?定年女子の目からウロコの驚愕体験【シニアのはじめて確定申告#1・申告する収入編】

  • 2026.3.3

昨年退職した人、確定申告どうする?定年女子の目からウロコの驚愕体験【シニアのはじめて確定申告#1・申告する収入編】

本記事は、バブル期に入社した会社を60歳で定年退職したばかりの女性が、今までなおざりにしてきたお金の問題あれこれに直面し、右往左往しながら、ファイナンシャルプランナーの先生にご教示いただきつつ、老後のお金問題を解決していく連載である。今回のテーマは確定申告<その1 申告する収入編>。FPの矢澤理惠先生に教えを請います。※本記事は2025年2月26日に配信した記事を、2026年の確定申告情報に合わせて再編集しています。

そもそも確定申告って何? 申告するとメリットはあるの?

——先生、私は昨年7月末に会社を定年退職しました。確定申告をやるべきと周囲から言われますが、めんどくさそうでやる気がわきません。そもそもやらないとならないのでしょうか?

矢澤「ふぐ子さん、勤務先で年末調整ってやってましたか?」

——はい。昨年末はすでに退職していたのでやってませんが。

矢澤「年末調整とは、勤務先が従業員の1年間の給与と所得税の額を年末に調整してくれるシステムです。所得税って、その年の前半に1年間分の収入をみなして額を決めているので、支払い過ぎていることがあります。(それを納税者に年末戻すのが還付金。)⇒それを年末にトータルで計算して多ければ還付金として返し、少なければさらに徴収されます。ふぐ子さんも戻ってませんでしたか?」

——数万円くらい戻ってました!

矢澤「それと同じことを個人で行うのが確定申告といえばイメージわきますか?」

——なるほど。じゃあ私のように昨年会社を退職して年末調整やってない人はやるべきなんですね?

矢澤「申告は必要な人と、しなくていい人がいます。昨年退職して、今年申告が必要な人に絞ると条件は下記です。
昨年2024年の1月1日から12月31日までの期間で
・フリーランスや個人事業主としての所得(注)が48万円以上ある人
注:「所得」は、給料から給与所得控除を差し引いた金額です。「収入」は給与等の総額をいいます。
・会社員時代に給与が2,000万円を超えた人
・副業で得た収入が20万円を超えている人
です」

——ふむふむ。会社員時代は安月給だったので2,000万円の収入なんてありませんが、退社後8月から12月までの所得は48万円を越えていそうです。

矢澤「ふぐ子さんのように途中で退職した人は、以降の収入が減っている人が多いので、申告したら還付金がある可能性大です。保険料など税金を控除できることもあるので申告しないと損ですよ」

——損!! それは大嫌いなキーワードです! ならばやらなくてはなりません。いろいろ教えてください。

フリマやネットでいろいろ売って得たお金は申告必要!? 申告が必要な収入と不要な収入の違いって何?

——まず申告すべき収入を教えてください。会社からもらっていた給料のほかに、申告するお金はありますか? 昨年は、思っていたより少なかったけど定年退職金が入金されました。これは申告が必要ですか?

矢澤「一般的には会社が手続きをしているので、申告は不要です。会社から届く退職金支払い通知書を確認しましょう」

——父親が亡くなってもらった遺産の申告は必要ですか?

矢澤「確定申告では不要です。でも相続した遺産は別途税務署に申告が必要です」

——生命保険の満期返戻金は?

矢澤「60歳で生命保険が満期になる方は多いですね。満期保険金は『一時所得』の区分となり申告は必要。ただし条件があります。受け取った保険金総額から、満期まで払い込んだ保険料を差し引いて、さらに50万円を引いて、残った額の2分の1が20万円以下なら申告は不要です。

例えば、満期まで220万円保険料を支払った人が、満期で300万円もらったとしたら、
300万円-220万円-50万円は30万円。その2分の1は15万円となり、20万円以下なので申告不要です」

——ハローワークで失業手当を受給していたら?

矢澤「申告不要です」

——国民年金を60歳から繰り下げ受給していたら?

矢澤「申告が必要ですが、年金の受取金額が400万円以下の場合、申告不要にできる場合もあります」
注:公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下であり、かつその公的年金等の全部が源泉徴収の対象の場合であり、さらに公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下である場合は確定申告不要。

——不動産を売却して得た利益があったら?

矢澤「申告が必要です」

——NISAやiDeCoの運用益は?

矢澤「非課税なので申告は不要です」

——なるほど。でも申告した分は税金がかかりますよね。還付金をたくさんもらったり、納税額を減らしたりしたいんですけど、確定申告のお得技なんてありませんか?

矢澤「えーっとまずですね、確定申告とは、前年1年間の所得をありのまま税務署に申告し、その所得に対して所得税を納税する手続きのことです。それに還付金とは、自分が支払いすぎた税金が戻ってくることなので、得をするわけではありません」

——はい。理解しました。ほかに申告し忘れがちなものはありますか

矢澤「ふぐ子さんの世代では、フリマで洋服などを売ったり、ネットでハンドメイド品を売ったりしている方がいると思いますが、それも対象です。ほかにも自宅にソーラーパネルが設置してあって売電して得た利益、FXで儲けたお金、株主優待でもらった商品券なども対象。それらまるっと合計して20万以上利益を得ていたら「雑所得」として申請が必要なのです」

——あ! 暗号資産で儲けた利益は?

矢澤「それも雑所得ですね」

——でも先生、個人がネットで得た多少の収入なんて、ぶっちゃけ申告しなくてもバレないんじゃないですか?

個人の収入なんて申告しなくてもバレなくない? でもバレたらどうなるの? まさか逮捕!?

矢澤「たとえ個人で少額の申告でも税務署で発覚する可能性はありますよ。例えば、銀行の入金記録があるのに申告額が少ないと整合性がとれないので発覚する可能性が。故意にやったとか悪質なケースなら脱税となり、5年以下の懲役や罰金の対象になることもあるんです。今後はマイナンバーで発覚するケースも多くなりそうです」

——怖っっ! うっかりミスも許されませんか?

矢澤「うっかりミスでも追徴金は発生しますが、ご安心を。締め切り日から1カ月は猶予期間なので、2026年だと3月17日から4月16日の間に修正が可能です」

——先生、ところで確定申告って、しない自由もあるんですか? 申告が必要な人が申告自体をしなかったら、お縄になるんでしょうか?

矢澤「お縄って……。すぐに逮捕はされませんが、発覚したら払うべき税金に無申告加算税や延滞税を加算して支払うことになります」

——じゃあするしかありませんね。確定申告をするのに用意するものはありますか?

矢澤「必要なものは下記です。
・勤務先から届いている源泉徴収票
・保険料の控除申請のハガキ。
・フリーランスで得た収入の支払調書
・申告する経費のエビデンス
などですね。経費については別途説明しましょう」

インボイスの登録はしてないけど、大丈夫?

——そうだ、まだ退職して間もないのでインボイス制度による登録をしてません。しなくても大丈夫ですか?

矢澤「フリーランスの方は前々年の収入が1千万円を超えていると登録は必須です」

——昨年前半は会社員だったので、フリーランスになってからそんなに収入ありません。ていうか、1千万なんて一生稼げなさそう(笑)。では登録しなくてOKですね」

矢澤「いえ、1千万円以下であっても登録はしたほうがよいですよ。未登録者に仕事を発注すると、企業にデメリットが生じるのです。インボイス未登録を理由に取引を停止することは独禁法上や下請法上問題はありますが、「仕入れ控除」という経過措置がなくなる令和11年以降は、正直不利益が生じる懸念はあります」

——なるほどです。それでは近々登録します。が、まずは確定申告完遂が喫緊の課題! 先生、次回は控除について教えてください。とにかく脱、じゃなかった節税! 1円でも支払い額を減らして、還付金もがっつりいただきたいです!




ご協力いただいた 矢澤理惠先生

ファイナンシャル・プランナー(CFP®)マイアドバイザー所属
株式会社オフィスヤザワ 代表

ファイナンシャル・プランナーを目指したきっかけは「知らないと損をする」ことを自分で実感したため。祖父母の相続時に発生した「争続」、何の対策もしておらず2度も払った多額の相続税。その時に「前もって知っている大切さ」に気づき、知っていると得をする、幸せになることが世の中にたくさんあるとお知らせするべく、車を大事にしている方向けの個人相談、コラム執筆、ライフプランニング&資産運用のセミナーを3本柱としてとして活動中。

※本記事は2025年2月26日に配信した記事を、2026年の確定申告情報に合わせて再編集しています。

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