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パリジェンヌが愛するエシカルブランドが初コラボ! ヴェジャ×ベースレンジのスニーカー、誕生物語。

  • 2026.3.3

ノンシャランな装いを愛するパリジェンヌの心を捉えるフレンチブランド、ヴェジャとベースレンジの初コラボレーションが実現。環境に優しいエシカルな素材をもとに、歩きやすさにこだわったアナトミックなスニーカーが登場する。

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3月5日に発売するヴェジャ×ベースレンジのスニーカー ¥36,300/ヴェジャ

生産工程まで見せるサステナブルな靴作り。

ヴェジャは、2004年にフランス人のセバスチャン・コップとフランソワ・ギラン・モリィヨンが始めたスニーカーブランド。金融業界で働いた後、ふたりはフランス企業の監査業務に携わり、世界中の工場を訪問する機会を得た。多くの国々を回って調査する中で、フェアトレードが機能することを確信。この経験をもとに、時間をかけて設計とデザインを行い、環境に配慮しながら長く愛用できるスニーカーを作り上げた。「ヴェジャ」とはポルトガル語で「見る」を意味する。その名のとおり、誰が作ったのか、どんな素材なのか、どうやって作られるのか、靴作りの裏側を見せることにこだわっている。

ブラジルのアマゾンに残る天然ゴムを、樹木を伐採しない技術で採取し、スニーカーのソールに使用。農薬を使わず、複数の作物を組み合わせて栽培するアグロエコロジー農法を営む小さな綿花農園よりオーガニックコットンを仕入れ、キャンバスや靴紐へと仕立てる。そのほかにも、リサイクルプラスチックボトルなどの環境に配慮した革新的な素材を積極的に採用。生産はブラジルとポルトガルの工場で行われ、責任あるものづくりを徹底している。そんなサステナブルで時代を超えて愛されるスニーカーは、いまを生きるパリジェンヌの心を掴み、2019年にはパリに旗艦店をオープン。現在では、ヨーロッパやアメリカ、アジアをはじめ世界100カ国以上、4000社の小売店で展開している。

身体と環境に寄り添うミニマルな服が人気。

一方でベースレンジは、女性の身体と生き方をサポートするアンダーウェアブランドとして、2012年に誕生。デンマーク出身のマリー・ルイーズとフランス出身のブランディンが、天然素材やリサイクル素材を用いた、環境への負荷を抑えたものづくりを目指してスタートさせた。その後、トップス、オーバーオール、パンツ、ソックス、ジャンパーまで、日常的なエココンシャスな服作りへと拡大。リラックス感あるミニマルなデザインで、コロナ禍を経て、パリジェンヌのみならず世界中にファンを急増させた。現在はコアコレクションとシーズナルコレクションを軸に、エイジレスで本質的なワードローブを提案。東京と京都に店舗を構え、日本でも感度の高いファッション好きを魅了し続けている。

彼女たちのデザイン哲学は、素材の質感や特性そのものがシルエットを導き、無駄を削ぎ落としたフォルムを生み出すというもの。身体にも環境にも健やかであることを第一に考え、デザインの初期段階に素材の剪定が組み込まれている。だからこそ、生産コミュニティと密接に協働し、共有できる素材の資源を持つことが欠かせない。ポルトガルやトルコ、フランスに生産拠点を持ち、繊維の調達から染料選び、開発、生産、流通まで、いまでもあらゆる工程に関わり続けている。責任あるものづくりに向き合うその姿勢が、ベースレンジならではのサステナブルな魅力に繋がっているのだ。

とびきりの歩きやすさを誇るコラボスニーカー。

そんな重なり合う理念を持ち合わせたヴェジャとベースレンジの出会いは、12年前に遡る。ヴェジャが抱えるパリのセレクトショップ「センター・コマーシャル」にて、ベースレンジのアイテムを取り扱い始めた。長年にわたり関係を育んできたが、今回コラボレーションに踏み切ったのは、ヴェジャがポルトガルに生産拠点を設け、特別なプロダクトに対応できる体制が整ったことがきっかけだったという。

コラボレーションスニーカーのベースは、ポルトガルで生産された実験的なモデル「Jitsu」だ。「歩くことは瞑想である」をテーマに、人間工学やバイオメカニクス、足の解剖学を応用したアナトミカル設計。しなやかで薄く、軽量ながら、足をしっかりと保護してくれる。爪先に自由度を持たせ、前足部を広く設計することで快適さを追求し、長時間歩いても疲れにくい。アシンメトリックなディテールが添えられていることで、バレエシューズのような優美な佇まいも魅力だ。カラーはホワイト、ネイビー、レッド、イエローの4色展開で、それぞれにベースレンジならではの素材へのこだわりが生かされている。

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ニュアンスある色合いとバレエシューズのようなフォルムで、大人のデイリーシューズとしても活躍。

ベースレンジがこだわったフランス産の生地。

なかでも注目すべきは、スニーカーのサイドとヒールタブに使用されている素材だ。カラーによって、スエードのオーバーレイとメスクラと呼ばれる生地の2種類が採用されている。メスクラとは、ベースレンジの服作りを支えてきた南フランス・ロット渓谷のテキスタイル協同組合ヴィルゴ・コープによって開発されたもの。フランス産オーガニックのヘンプ45%とラコーヌ種のウール55%がブレンドして織り上げられている。

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独特な風合いで、コラボレーションスニーカーに洗練された印象を添えている。

かつてフランスではヘンプの栽培が盛んであり、日常着の多くはヘンプで作られていた。 20世紀になってリネンやコットンが普及し、さらに法規制の影響を受けて栽培は一時的に減少。しかし21世紀に入ると再び拡大し、現在フランスは世界第2位のヘンプ生産国となっている。一方でフランス国内の紡績工場は減少し続け、わずか7か所ほどしか稼働していないのが現状だ。そうした背景のもと、ヴィルゴ・コープは廃業寸前だった紡績工場を買い取って織物工房を設立。農家と連携してヘンプの栽培に注力するだけでなく、牧場主とともに、フランス産乳用羊ラコーヌ種の羊毛を活用する取り組みを始めた。そして自社工房にてオーガニック農法で栽培したヘンプとラコーヌ種の羊毛をブレンドし、新たな生地メスクラの開発に成功したのだという。やわらかさと耐久性を兼ね備え、糸の混ざり方によって染色に奥行きが生まれ、光沢感と独特の質感が現れる。古くから受け継がれてきた職人技を土台に生まれたこの革新的な生地は、今回のコラボレーションを象徴する存在である。

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ベースレンジの拠点である南フランスのトゥールーズからほど近く、密接な協業体制で服作りをサポートするヴィルゴ・コープ。

ヴェジャが新たに開発したリサイクル素材。

伝統と革新の融合は、アッパーの素材にも見られる。ヴェジャが開発したナイロンの進化形素材ノーリンは、ブラジルの回収業者からフェアトレードで仕入れたPETプラスチックボトルを46%再利用したリサイクルポリエステルから生まれたもの。ナイロン特有の耐久性や伸縮性、耐熱性、耐水性を保ちながら、光沢感があるシルキーな質感で、バレエシューズのようなフォルムにエレガントな表情を添えている。

さらに注目したいのが、ヴェジャが新たに開発したリサイクルソールだ。長年にわたって続けてきた店頭での古靴回収プログラムから、完全に壊れたヴェジャのスニーカーソールを粉末化し、新たなソールへと再利用。コラボレーションスニーカーには、このリサイクルソールが10%ほど組み込まれている。ソールに散りばめられた小さな点模様はナチュラルな表情を醸し出すと同時に、この一足がサステナブルな背景を持つことを物語る。

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ベースレンジのふたりが「地面に根を下ろすような感覚」と語ったほど、軽やかな履き心地。ソールのナチュラルな風合いも魅力だ。

ヴェジャとベースレンジがともに大切にしているのは、長く愛用できるものづくりだ。ヴェジャは店舗に靴修理職人を置き、ブランドを問わずスニーカーの修理に対応する。一方のベースレンジも、穴やシミといった着用の痕跡を価値として受け止め、積極的に服のお直しを行っている。環境への配慮にとどまらず、ものを長く愛し続ける姿勢もまたサステナビリティである。ふたつのブランドの美学を宿したスニーカーは、人生に長く寄り添ってくれる一足となるだろう。

問い合わせ先:セイヤナカムラツーポイントツーフォーcontact@seiyanakamura224.com

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