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10年足らずで“時価総額1兆円”に到達した『高卒 敏腕起業家』 世界が騒然となった【異次元すぎる購入品】とは?

  • 2026.4.5

超高額な買い物で世間に衝撃を与えた人物に注目する本企画。今回は、2017年5月にサザビーズ・ニューヨークのオークションでジャン=ミッシェル・バスキアの《Untitled》を約123億円で落札し、世界のアートシーンを驚かせた前澤友作さんを取り上げます。その買い物は単なるぜいたくではなく、ZOZOTOWNを一代で築き上げた起業家が、アートと社会に対して持ち続けてきた姿勢の表れとして受け止められています。

※本記事は、筆者個人の感想をもとに作品選定・制作された記事です
※一部、ストーリーや役柄に関するネタバレを含みます

「アートを好きになってよかった」――123億円落札に込めた思い

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※Google Geminiにて作成(イメージ)

2017年5月18日、サザビーズ・ニューヨークのイブニング・セールで、1982年にジャン=ミッシェル・バスキアが制作した《Untitled》が落札されました。落札価格は事前予想の6000万ドルをはるかに上回る1億1048万7500ドル、日本円にして約123億円。バスキアのオークション史上最高額であり、アメリカ人アーティストの作品としてもオークションレコードとなりました。

落札した前澤さんはInstagramでこうコメントしています。

「バスキア落札しました。アートを好きになってよかった。このペインティングをはじめて見たとき、心からそう思いました。みなさんにも見てもらえる機会をつくれたらいいなと思っています」
出典:前澤友作 Instagram

自分だけのためではなく、「みなさんにも見てもらえる機会をつくりたい」と発信したこの言葉は、単なる高額購入の話題を超えた反響を生みました。前澤さんはサザビーズに対し、同作を千葉に建設予定の自身の美術館で展示する意思を伝え、世界各国の美術館への貸し出しにも言及しています。

なお前澤さんは、この落札の1年前にあたる2016年5月にも、クリスティーズ・ニューヨークで同じくバスキアの《Untitled》を当時のアーティストレコードとなる約62.4億円で落札しており、今回の落札によってバスキアのオークション最高額1位と2位の作品を同時に所有する“メガ・コレクター”となりました。

バンドマンからZOZOTOWN創業者へ――異色のキャリアが生んだ成功

前澤さんが約123億円の絵画を購入できた背景には、ゼロから大きな企業を育て上げた起業家としての歩みがあります。1975年生まれの前澤さんは、早稲田実業学校卒業後に渡米し、帰国後はバンド活動と並行して輸入CD・レコードのカタログ販売を開始。1998年5月には、その事業をもとに有限会社スタート・トゥデイ(現・ZOZO)を設立しました。

転機は2004年。“ファッションの街”をイメージしたサイトデザインで差別化を図った“ZOZOTOWN”を開設。ユナイテッドアローズの出店をきっかけに他ブランドの参入が相次ぎ、独自の物流拠点“ZOZOBASE”で即日配送を実現したことで急成長。2007年に東証マザーズへ上場し、2012年には東証一部へ昇格。創業からわずか10年足らずで時価総額が1兆円に達しました。

2019年、前澤さんはヤフーによるZOZO株の公開買い付けに応じ、約9200万株を売却しました。また、2018年にはアート分野への貢献が評価され、フランス芸術文化勲章“オフィシエ”を受章しています。ビジネスとアートの両面で実績を重ねてきたことが、前澤さんの大きな特徴といえそうです。

お金配り約49億円、宇宙滞在、新事業「カブアンド」――前澤さんが示し続けるお金の使い方

ZOZOを離れた後の前澤さんの行動は、さらにスケールを広げています。2019年1月には『100人に100万円、総額1億円を配るお年玉企画』を実施。この投稿は500万件以上リツイートされ、当時の世界記録としてギネス公式認定を受けました。その後もお金配りを継続し、2019年から2024年の約5年間で総額約49億円約280万人に配布しています。お金配りについて前澤さんはこう語っています。

まず一番に思ったのは「とにかくみなさんお金に困っている」ということ。本当に困っている人がたくさんいて、喉から手が出るほどその100万円を欲している。生活苦でどうしようもなくて、すがるような気持ちでこのキャンペーンに応募している。それまでやっていたツイッターでの発信や、それに反応する人とのコミュニケーションでは感じられなかったそうした声に、お金配りをしたことをきっかけにどんどんと気持ちが動かされている自分がいました。
出典:『約49億円を配った前澤友作は、なぜ「お金配りはもうしない」と決めたのか?「みんな、こんなにお金に困っていたんだ」』 GOETHE 2025年3月3日配信

2021年12月、前澤さんは日本の民間人として国際宇宙ステーション(ISS)に約12日間滞在しました。滞在中はYouTubeで発信する『100の実験』企画も進めており、宇宙での体験を広く共有しようとしていたことがうかがえます。

その後、2024年11月には新サービス“カブアンド”を開始。電気・ガス・モバイル通信・インターネット回線・ウォーターサーバー・ふるさと納税といった生活インフラ関連サービスの利用者が、未公開株を受け取れる仕組みを打ち出し、“国民総株主”という考え方を掲げました。

123億円のバスキア絵画を「みんなにも見てもらいたい」と落札し、約49億円をSNSで見ず知らずの人に配り、宇宙に飛び立って地球を見下ろした。そして次に“国民総株主”という構想を掲げる。前澤さんの行動を並べてみると、一貫して「自分だけのため」で終わらない姿勢が浮かび上がってきます。それが批判を受けることもあれば、多くの人を動かすこともある。そのふり幅の大きさもまた、前澤さんという人物の魅力のひとつなのかもしれません。


※記事は執筆時点の情報です