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初音ミク、大好き!(前編)/絶望ライン工 独身獄中記 第63回

  • 2026.2.18

『絶望ライン工 独身獄中記』を読む

ついに今年も花粉の時分である。

街中に催涙ガスが散布され、息が苦しくて仕方ない。

これは公害だ、人災だ。杉の木を焼き尽くせ。すべて切り倒して木刀にでもしてしまえ。

そしたら会津城の土産屋で叩き売ればよろしい。

修学旅行に来た中学生諸君が喜び勇んで買うだらう。

この時期は飛び交う花粉から身を守るため、抗アレルギー錠剤を服用して職場へ向かう。

そこまで効かぬがないよりはマシ、作用中はぼーっとするが職場でいつもぼーっとしているので影響は細微である。

問題はこの状態で飲酒をすると大変に悪酔いすると云ふこと。

私は一介の労働者であるから、勤務が終われば酒場でビールを注文する必要がある。

社の就業規則にもきっとそう書いてあるハズだ、見たことはないが。

抗アレルギー錠剤はぼーっとすると同時に喉が渇く効能もあり、ここに冷たいビールをゴクゴク飲ると大変に爽快な気分になる。

調子になって飲んでいるとフワフワ夢心地、薬の作用で突然ガツンと酔う。

これが非常に厄介で、判断力が幼稚園児並みに退化、酔っ払いの偏差値を一律30まで下げてくださる。

このまま電車などに乗りますと、乗り継ぎが分らず千葉県から脱出できなくなったりするのだ。

総武線をあっち乗ったら船橋に戻って来たので反対側に乗ってみるがまた船橋に戻ってきちまう。

そんなんで2時間総武線にグルグル乗り続け、永遠に船橋から出られずついにはタクシーをつかまえて東京まで帰る羽目になった。

そしてこの状態でSNSをやろうものなら出るわ出るわ本音が。

「インターネットで本音を言わない」を矜持とするがこの時だけは無理である。

アレが気にくわねぇ、アレが嫌だ、アレに腹が立つ──

この時ばかりは負の感情に押し流され、我がチャンネルのコメント欄でぎゃあぎゃあ喚いている孤独な貧困おじさん共と朋輩の存在になっちまう。

俺たちは仲良しだ。

昂ぶりにまかせて喚きに喚く。すると最終的に初音ミクの悪口に辿りつく。

実際は初音ミク本人に対してではなく、その取り巻きに向けられた悪意なのだけれども。

私は過去ニコニコ動画というポルノサイトでうp主をやっていた事があり、その時から今日までずっと劣等感に苛まれてきた。

初音ミク、絶対に許さない。人生で一番お恨み申し上げる。

本稿は抗アレルギー薬の素晴らしい効能にまかせるまま、初音某に対する私の心情を吐露するものである。

初音ミクというのは簡単に言えば対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース(通称VOCALOID)のことを指す。

このシステムで制作されたwavファイルを「絵師」や「動画師」の協力の元swf形式で出力、それを人目に晒すことで精神的快楽を得ようとする行為が2000年代初頭に横行した。

快楽の虜になった者たちはいつからか「ボカロP」などと呼ばれ、人々の尊敬と侮蔑を欲しいままにしたのは言うまでもない。

それに付随して出現した「ミックス師」。彼らはミックス・オファーを受ける技術職だ。

そして界隈の最大勢力「歌い手」。未成年にセックス・オファーを出す人気職である。

彼らはしばしば淫行で逮捕され、ポルノサイトを大いに盛り上げた。

初音ミク創生記から1年経った2008年7月、同サイトに初の動画投稿をする者あり。

珠玉のswfファイルを引っさげ、華々しくロールアウトしたその男は私自身である。

以降の人生を散々たるものにしたデビュー曲をそのまま以下に表記するが、角川社の方針によっては掲載不可となる懸念もある。

角川よ、某ポルノサイトも貴社の傘下ではないか。これは恥ではない、誉と心得よ。

それでは聴いてください

【初音ミク】 ちんげ in the まんげ 【オリジナル】

https://www.nicovideo.jp/watch/nm4019924

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