1. トップ
  2. ライフスタイル
  3. せっかく助かった命も寒さ次第で…専門家おすすめの冬の避難所生活の新提案

せっかく助かった命も寒さ次第で…専門家おすすめの冬の避難所生活の新提案

  • 2026.2.16

「災害関連死」のリスク

2025年12月8日に発生した、青森県東方沖地震。
北海道内でも太平洋沿岸中部に「津波警報」が出され、住民たちは暗い冬の夜に避難を余儀なくされました。

浦河町の避難者は「津波だというので、すぐにそこら辺のものを着て出てきました」と口にします。

避難所生活でリスクが高まるのが、寒さや生活環境の悪化による「災害関連死」です。

2年前の能登半島地震では、「災害関連死」が470人となり、建物倒壊などによる「直接死」228人の2倍を超えています。(2025年12月25日時点)

冬の避難所生活では、どのような対策が必要なのか。真冬の防災について取材しました。

【特集】“じぶんごと”防災

毛布1枚で冬の寒さに耐えられる?

Sitakke

北海道北見市で開かれた災害演習。
大規模地震による停電を想定し、自治体の防災担当や医療関係者など、約100人が参加しました。

まずは毛布1枚だけで、室温1.8度の体育館で過ごす体験です。

参加者からは「毛布をかけてすぐは暖かい感じはするけど、ずっと過ごすとなると暖かくない気がする」という意見が聞かれました。

段ボールベッドの組み立てにかかった時間は?

Sitakke

続いては、多くの自治体が導入を進めている「段ボールベッド」の組み立て。
たくさんの小箱を組み立てるところから始まります。

まずは小さな段ボールを24個組み立てます。それを大きな段ボールの中に4個ずつ入れて土台を作り、その上に段ボールの板とマットを乗せれば完成です。

周りの手を借りながら、1つ組み立てるのに約10分かかりました。

組立に参加したHBCの片山侑樹記者は「作業自体は単純ではあるのですが、段ボールの数もかなり使うので、1人でやるのは大変かな…」と話します。

Sitakke

さらに完成したベッドの上に1人用のテントを設置すれば保温効果が期待でき、プライバシーも確保できる「テント on the ベッド」の完成です。

専門家がスチールベッドを提案するワケ

Sitakke

いまでは避難生活の必需品にもなっている「段ボールベッド」ですが、災害演習を主催する専門家は、備蓄するのであれば段ボールベッドである必要はないとしてスチールベッドの導入を提案しています。

その理由を、日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授が教えてくれました。

「スチールベッドは段ボールベッドの10分の1の時間で立ち上がります。さらに重量は半分です。横・長さ・高さは段ボールベッドの規格と同じで、床下は収納もできる。さらに畳んだときの梱包容積は3分の1しかない。価格自体も段ボールベッドよりも安い」

立ち往生した車内を体験

Sitakke

また、真冬は暴風雪で車が立ち往生するケースも出てきます。
片山記者がエンジンを停止した車内での避難を体験します。

「車内は2.8度、このあとどれだけ下がるか…」

1時間ほどの体験を終えると…。

「下半身からどんどん冷えてくる感覚がありました。体感的な温度はもっと下がったような気がします」

「食」にも新たな工夫

Sitakke

一方、温かい食事を提供するため、2025年はキッチンカーで炊き出しをおこなっていましたが、2026年は蓄電池で動く電子レンジと市販の冷凍食品を用意しました。

実際の災害では炊き出しをするスタッフ自身が被災者であることが多いため、支援者の負担を減らすことが目的です。

参加者は「温かいごはんが食べられるのが、すごくうれしい。炊き出しだと作る人が負担になってしまうので、負担がなくできるのはいいかなと思う」と話します。

日本赤十字北海道看護大学の根本昌宏教授は「なぜ蓄電池を使っているかというと電気が復電していないから」と話します。

「能登半島でも3日か4日で復電しています。そうしたら電子レンジはそのまま使える。蓄電池を使う必要はない。今回の提案は、災害時には電気が消える。冷凍食品はそのまま捨てられる可能性がある。それをそのまま非常食として使わせてくれというようなものにつながるのでは」

今回の演習では、蓄電池式の電子レンジを活用しました。冷凍食品はトレイのまま食べられるので、ごみが減らせます。

一方で、参加者からは消費電力が大きく、1回に1人分しか調理できないので、待ち時間が気になったという声も出たそうです。

トイレがあるからこそ…

HBCテレビ「今日ドキッ!」のスタジオでは、堀啓知キャスターが2025年に訓練に参加して感じた、トイレの重要性について話す場面がありました。

「我慢しないで食べる、飲むためにはトイレが大事です。既存のトイレに凝固剤が付いたカバーをかけて使ったり、外のコンテナトイレや簡易トイレなど、暖房も付いているトイレもあって快適なものもありますが、改めてトイレがあるから我慢しないで生活ができる。食べない、飲めない…になると、体調も悪くなりますから」

HBCテレビ「今日ドキッ!」ゲストコメンテーターの寺井裕美子さんは「日常を過ごしていると、冬の避難をどうするかはなかなか考えづらい」と話します。

「寒さは心にも体にも結構負担があると思うので、日々の生活の中で自分も知識をつけていくことがとても大切だなと思いました」

災害食に求められる10のポイント

Sitakke

厳冬期の防災に詳しい根本教授は、災害食に求められる10のポイントを挙げています。

HBCテレビ「今日ドキッ!」ゲストコメンテーターの野宮範子さんは、食事の大切さについて語ります。

「食事は体温を逃さない、体のなかから温まるという大切さと同時に、温かいものを食べると、つらい避難生活でも周囲の人と『おいしい』『ほっとします』など少しでも会話が生まれるのも大事」

冬の災害は低体温症など体調面が非常に心配で、直接死より災害関連死をいかに減らすかというのが大きな課題です。

電気、ガス、水道などが止まったときに、家族の命をどう守るかを考えるきっかけにしてもらえればと思います。

【特集】“じぶんごと”防災

文:HBC報道部
編集:Sitakke編集部あま

※掲載の内容は「今日ドキッ!」放送時(2026年1月21日)の情報に基づきます。

元記事で読む
の記事をもっとみる