1. トップ
  2. 恋愛
  3. 正体のわからないストーカーに怯え、心が支配されてしまった女子大生。日常に潜む恐怖を描いた物語【書評】

正体のわからないストーカーに怯え、心が支配されてしまった女子大生。日常に潜む恐怖を描いた物語【書評】

  • 2026.2.15

【漫画】本編を読む

『消えたストーカーと浮気相手 スズノネ』(リアコミ:原作、標野・陽田夏々:漫画/KADOKAWA)は、あるきっかけから鈴の音が聞こえてくるようになり、そこから徐々に日常が壊れていく女性の物語を2作品収録したオムニバス作品だ。本稿ではその中のひとつ、「ストーカーは◯◯でした」を紹介する。

主人公は女子大学生のヒバリ。スーパーマーケットでアルバイトをしている彼女には、年齢が1つ下のタクローという新人後輩アルバイトがいた。ある日彼と話していると、彼がスマホに鈴のストラップを付けていることに気がつくが、大して気にかけなかった。その後レジ打ちをしているとヒバリはある男性客に話しかけられる。友人・とうこによるとその男が話しかけるのはヒバリだけらしく、加えてストーカーっぽいと言っていたことがヒバリの心に影を落とす。

加えてタクローが、普段彼が使わないはずのヒバリの最寄り駅にいたり、アルバイト先の飲み会で気になる態度を取ったりしたこともあり、ひとり夜道を歩きながらタクローの不審な行動と、あの男性客のことも考え不安を感じていると、どこからか「ちりん」という鈴の音が聞こえるのだった――。

自分はストーカーされているのか。そしてストーカーはやはり鈴のストラップを付けているタクローなのか。どうしていいかわからず混乱し、ヒバリの心を恐怖が支配していく様子は痛々しい。彼女を苦しめるものの正体はぜひ本書を最後まで読んで確かめてほしい。

収録されているもう1作品「消えた旦那の浮気相手はずっと隣にいました」も、人間の狂気とそれが生み出す恐怖が描かれている。この2つの物語を読むと、世の中でいちばん怖いのは人間であるということを、あらためて認識するはずだ。

文=nobuo

元記事で読む
の記事をもっとみる