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【2026年】雪とのコラボレーションが美しい建築10

  • 2026.2.13
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ユニークな構造やファサードだけでなく、周辺の自然や風景との調和まで考えられた建築は、季節によって異なる表情を見せ、その場所でこその魅力を放つ。本記事は雪景色と調和する建築を全国からピックアップ! 白銀の世界に溶け込む建築の姿を、美しい写真とともに紹介する。

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星野リゾート トマム 水の教会/北海道

滞在型リゾート「星野リゾート トマム」は、2つのホテルを拠点に、北海道の雄大な自然の中で四季折々のアクティビティを楽しめる人気スポット。なかでも冬にこそ訪れたいのが、安藤忠雄の教会三部作のひとつである「水の教会」だ。

長いアプローチを歩き、階段を降りた先に現れる礼拝堂には、敷地内を流れる小川から水を引き込んでつくられた湖が一面の雪景色に姿を変え、そこに建つ一本の十字架がいつもとは違う存在感を放つ。その場に身を置いてこそ味わえる感動があるはず。

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あわせて訪れたいのが、冬季限定で現れる「アイスヴィレッジ」。雪や氷でつくられた美術館やバー、カフェ、ホテルなど見どころが多くあるけれど、今年20周年を迎えた「氷の教会」は特に注目すべき場所。継ぎ目のない一枚氷で造られた建築で、祭壇や十字架、バージンロード、椅子に至るまですべてが氷と雪でつくられている。光を透かす幻想的な空間で、非現実的な体験を楽しんで。

星野リゾート トマム 水の教会
北海道勇払郡占冠村字中トマム

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坐忘林/北海道

世界有数の豪雪地として知られる北海道・ニセコ。手つかずの自然の中に、その風景と調和するように建つ「坐忘林」は、美しい風景と共にくつろぐために誕生した。施設名の「坐忘林」は、仏教用語で「静かに座して世の雑念を忘れる」という意味を持つ。ここでの滞在は、それを体現した空間と体験が約束されている。

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客室は、雪の結晶名がつけられた趣の異なる全15室。70〜86㎡のゆとりあるスイート仕様で、専用の内湯と露天風呂を備えている。地下約1000mから汲み上げた温泉はかけ流し。とくに冬は、眼前に広がる銀世界を独り占めできる雪見風呂が、何よりの贅沢になる。

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和の伝統とコンテンポラリーなデザインが融合された館内には、個室仕様の食事処や多彩な書籍を揃えたライブラリー、羊蹄山の絶景を望むバー、大きな窓の向こうに一面の雪景色が広がるリビングルーム(写真)など、パブリックスペースも充実。ゆっくりとこの地ならではの時間を過ごせる宿だ。

坐忘林
北海道虻田郡倶知安町花園76-4

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青森県立美術館/青森

2006年に開館した「青森県立美術館」は、隣接する世界文化遺産「三内丸山縄文遺跡」に象徴される縄文のエネルギーを芸術創造の源と捉え、多様な表現の魅力を青森から発信する美術館だ。設計を手掛けたのは建築家の青木淳。代表作のひとつとして知られ、アートファンはもちろん、建築好きからも高い人気を集めている。

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建築は三内丸山遺跡の発掘現場から着想を得ており、斜面地をトレンチ(発掘溝)のように掘り込み、その上から白く塗装されたボリュームが覆いかぶさる構成。地中深くに入り込むような空間体験と、凹凸のあるホワイトキューブが組み合わさることで、これまでにない展示空間を生み出している。

内部では、白い箱状の展示室と土の床や壁が現れる荒々しい空間とが交互に現れ、建築そのものがひとつの体験装置のように機能する。

屋外空間に鎮座する奈良美智の《あおもり犬》は美術館のシンボル的存在。高さ約8.5m、幅約6.7mの巨大な犬に雪が積もっていく様子は、雪深い青森の冬ならではの光景だ。南側にある煉瓦造の「八角堂」には、同じく奈良美智によるブロンズ像《Miss Forest/森の子》も。周囲の自然や雪景色と調和するアート作品の姿もまた、この場所を訪れる楽しみの一つだ。

青森県立美術館
青森市安田字近野185

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草津温泉 きむらや/群馬

群馬県の名湯・草津温泉。冬になると雪が降り積もり、湯畑から立ちのぼる湯気と白い雪が同時にみられ、この地ならではの幻想的な風景が広がる。2022年3月に誕生した「草津温泉 きむらや」は、その景色の真ん中、湯畑の目の前に佇む一軒。

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ユニークな外観をもつこの建築を手掛けたのは隈研吾。「湯畑の立体化」をコンセプトに設計され、外壁には湯畑に転がる浅間石をそのまま使用。ごろりとした石の質感とカーブを描くフォルムは、湯気の自然な動きを写し取ったものだ。黒を基調とした外観は温泉街の景観に溶け込みながらも、ひときわ存在感を放っている。

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1階は天ぷら店、2階には温泉付きの客室が1室のみ。内装にも浅間石のテラゾーや、砕いた石を漉き込んだ和紙など、湯畑の素材が随所に用いられており、視覚だけでなく触覚でも草津の風景を感じられる空間に仕上げられている。プライベートな客室で湯に浸かりながら、立ちのぼる湯気と雪景色を眺める時間は、まさにこの場所だからこそ味わえる贅沢だ。

草津温泉 きむらや
群馬県吾妻郡草津町草津117-1

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スノーピークランドステーション白馬/長野

長野県白馬村は標高約700mに位置し、「日本のスイス」とも称される山岳リゾート。とくに冬は、白銀の絶景と良質なパウダースノーに恵まれたウィンタースポーツの聖地として、多くの人々が足を運ぶ。自然豊かなこの地に、2020年に誕生したのが「スノーピークランドステーション白馬」。ショップと野遊び体験が融合した複合施設だ。

このアイコニックな建築を手掛けたのは隈研吾。北アルプスの山並みを思わせる大きく連なる屋根のラインと、木の枝や雪の結晶をモチーフにした繊細な木組みが特徴で、天然素材を生かした建築は自然と調和している。

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大きな窓から白馬三山を真正面に望む館内には、開放的なテラスを備える「スターバックス」や、地域の旬を楽しめる食堂、国内最大規模の「スノーピーク」直営店(写真)がある。「スノーピーク」の店舗では、豊富なアパレルやキャンプギアに加えて地元特産品や地酒も展開。白馬を満喫するためのツールをパッケージにしたサービスなど、この施設ならではの体験も多く用意されている。

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店舗に隣接する森林エリアには、隈研吾と「スノーピーク」が共同開発したモバイルハウス「住箱–JYUBAKO–」(写真)が建つ。外の景色を借景のように切り取る窓をはじめ、室内と屋外の関係性に細やかに配慮した設計が施されており、自然のなかで暮らす感覚を体験できる空間となっている。

スノーピークランドステーション白馬
長野県北安曇郡白馬村大字北城5497

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軽井沢高原教会/長野

軽井沢星野エリア内、木立に囲まれた静かな場所に佇む「軽井沢高原教会」。そのはじまりは大正10年、北原白秋や島崎藤村ら多くの文化人が集った「芸術自由教育講習会」にさかのぼる。拠点となった材木小屋は、内村鑑三の理念「遊ぶことも善なり、遊びもまた学びなり」のもと「星野遊学堂」と名づけられた。老朽化による建て替えや移転等を経て、昭和49年に「軽井沢高原教会」として歩みを重ねる。森の中に溶け込むような建築で、地面近くまで伸びる深い三角屋根が印象的だ。「星野遊学堂」の名は、今も入口に掲げられている。

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誕生以来、「人々が集う開かれた教会」として親しまれてきた「軽井沢高原教会」では、現在も一年を通して誰でも参加できる礼拝や行事が行われている。なかでも冬は、雪の中に教会のあたたかな光がにじむ幻想的な風景が楽しめる季節。イルミネーションに彩られる「星降る森のクリスマス」や、澄んだ空気と共に迎える元旦礼拝などが開催され、毎年多くの人を迎え入れている。

軽井沢高原教会

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石の教会 内村鑑三記念堂/長野

「軽井沢高原教会」と合わせて訪れたいのが、同じく軽井沢星野エリア内に位置する「石の教会 内村鑑三記念堂」。明治・大正期のキリスト教指導者・内村鑑三の功績を讃えて建てられた教会で、設計は現代を代表するオーガニック建築家、ケンドリック・ケロッグが手掛けた。

オーガニック建築が提唱するのは、「建物が自然の一部になること」。ケンドリックはこの地を徹底的に歩き回り、土地から受けたインスピレーションを得たという。信州の山で採掘した石を積み上げた石壁や、静かな水音が響く滝、太陽の光を多く取り込む天窓など、細部に至るまで自然のエレメントが取り入れられている。

冬になると、大小のアーチが重なる屋根に雪が降り積もり、まるで雪の中で身を潜める大きな生き物のような姿に変わる。

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多くの教会が東向きに建つ中、「石の教会」は常に陽の光が入るよう南向きに建てられている。内部は光を採り入れながら、太陽の軌道に合わせて東から西へ弧を描く天井が特徴的。雪の降る日は、大きな窓からしんしんと降りしきる雪を見上げることができる。

石の教会 内村鑑三記念堂

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特別名勝 兼六園/石川

城下町・金沢の中心に広がる「特別名勝 兼六園」は、岡山の後楽園、水戸の偕楽園と並ぶ「日本三名園」のひとつに数えられる、江戸時代を代表する林泉廻遊式庭園。四季折々に表情を変える名園ではあるが、冬はまた一段と違った風景を楽しめる。霞ヶ池の水面に薄く氷が張り、石橋や築山に雪が重なるその姿は、まるで水墨画のような趣だ。

晴れた日には、栄螺山の山頂などの高台から、金沢の町並みや雪化粧をした山並みを望むことができ、庭園のスケールの大きさも実感できる。

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園内でひときわ目を引くのが、名物「ことじ灯籠」と、雪吊りが施された「唐崎松」。放射状に張られた縄が雪の重みから枝を守る雪吊りは、機能美と造形美を兼ね備えた冬の風物詩。冬に咲く椿や梅林の黄色い花が雪の白と美しく対比している姿も見逃せない。時間をかけてゆっくりと散策を楽しみたい。

特別名勝 兼六園
石川県金沢市兼六町1

写真提供 白川村役場

白川郷/岐阜

日本有数の豪雪地帯として知られる岐阜県・飛騨地域に位置する「白川郷」は、日本の原風景ともいえる農村文化や暮らしの姿を、今なお色濃く感じることができる場所だ。1976年に重要伝統的建造物群保存地区に選定され、1995年には富山県の五箇山とともにユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。

この地を象徴するのが、独特の三角屋根をもつ「合掌造り」の家々。豪雪に耐えるための知恵が詰まった建築で、屋根に積もった重い雪を自然に落とし、建物を守る合理的なかたちだ。現在も集落では「売らない、貸さない、壊さない」という原則のもと、住民同士が支え合いながら、昔ながらの風景を守り続けている。

写真提供 白川村役場

冬にはライトアップイベント(※)も開催。深い雪をかぶった合掌造りの屋根が連なり、光に照らされて浮かび上がる風景はまさに絶景。車で訪れる場合は、冬用スタッドレスタイヤやチェーンの装着を忘れずに、事前に道路状況を確認したうえで、時間に余裕をもって向かおう。

白川郷
岐阜県大野郡白川村

※ライトアップイベントは完全事前予約制。毎年1月中旬から2月頭にかけて開催される。2026年は終了。

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金閣寺/京都

1994年にユネスコ世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産として登録された鹿苑寺(通称「金閣寺」)。その起源は、室町幕府三代将軍の足利義満が造営した山荘「北山殿」にあり、義満の没後に禅寺として整えられ、やがて舎利殿「金閣」を中心とする現在の境内が形づくられた。

現在の舎利殿は1950年の放火で焼失し、1955年に再建されたもの。三層からなり、一層は寝殿造、二層は武家造、三層は禅宗仏殿造という構成。各階に異なる建築様式を取り入れているのが大きな特徴だ。上層の二層・三層には純金箔が施され、屋根の頂では鳳凰がきらめく。鏡湖池に面して建つその姿は、水面に“逆さ金閣”として映り込み、庭園と一体となった景観をつくり出している。

紅葉に彩られる秋も人気の京都だが、雪化粧をまとった冬の金閣寺もまた格別。白く染まった街並みや寺社が、古都ならではの静かな風景を際立たせる。金閣寺をはじめ、冬の京都を楽しみに訪れてみてはいかが。

金閣寺
京都府京都市北区金閣寺町1

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