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体をいたわるじんわり優しい3品。渡辺有子の料理教室

  • 2026.2.13

料理家の渡辺有子さんが先生に、ライターの吉田直子さんが生徒に。本誌で連載中の「&Cooking 渡辺有子の料理教室ノート」がWebでも読めるようになりました。3年目第1回のテーマは、「体をいたわるじんわり優しい献立」。3つのレシピを紹介します。

冬の大根やニンジンはみずみずしく甘味が増しています。柚子やクワイなども取り入れ、この時季らしい、しみじみおいしい料理を。

体をいたわるじんわり優しい献立。

先生:新年最初の料理教室ですね。直子さん、お正月はのんびり過ごせましたか?

生徒:毎度のことですが、食べて飲んで楽しみすぎた分、今は素食を求めております。

先生:やっぱりそうきたわね。安心してください。今日は、直子さんのような生徒さんたちのために、体に優しいお粥と、それに合う献立を考えてきましたので。おいしく食べながら少し胃を休めましょう。

生徒:新年早々、慈愛に溢れた先生です。

先生:さっそく「大根のハリハリ漬け」から作っていきましょう。まず大根の皮を剥き、2㎜幅のイチョウ切りにします。次に、ボウルに3%の塩水を作り、その中に大根を入れて20分ほど浸します。これを立て塩と言いますが、ほかの材料と大根を分けて準備することがこの料理をハリッとおいしく仕上げる大切なコツになるんです。大根は、しばらくしたらザルにあげ、冷蔵庫に入れて水気をきっておきましょう。

生徒:大根は立て塩。メモメモ。

先生:続いて、ニンジン、ショウガを細切りにして、細切り昆布と合わせ塩をふりなじませます。しんなりしてきたら、種を取ったタカの爪、きび砂糖、醤油、酢を加えて、さらになじませましょう。最後に、ペーパーで水気を押さえた大根と合わせて全体を和えます。

生徒:このハリハリ漬け、ずっと食べていられそうです。

先生:味見ばかりしてないで「出汁巻き玉子」を作りますよ。直子さん、ボウルに卵を割り入れてよく混ぜてね。菜箸をしっかり立てて、卵白を切るようにするといいの。

生徒:卵5個の出汁巻きは初挑戦です。

先生:溶いた卵液に、きび砂糖、酒、醤油、塩、カツオだしの順に加えて、よく混ぜます。卵焼き器を熱したら、米油を全体になじませて、キッチンペーパーで軽く拭きましょう。卵焼き器全体に卵液が広がるように流し、強めの中火で巻いていきます。焼けたら玉子焼きを奥へずらし、ペーパーで米油をなじませ、卵液を流して手前に巻きます。同じように残りも繰り返しましょう。

生徒:むむむ。卵5個、後半戦かなり重たくなってきますね。

先生:こればかりは練習あるのみ。焼き上がったら玉子焼きを縦に回転させてから、まな板に沿わせるように移しましょう。こうすると形が崩れなくてすむんです。ペーパーで軽く押さえて、形を整えたら出来上がりです。

生徒:バンザーイ!

先生:最後は「干し貝柱のお粥」です。洗ってザルにあげておいた米を鍋に入れ、水、干し貝柱を入れて30分浸水させます。フタをして強火で10分、ふいてきたらさっと混ぜ、フタをずらして弱火で25分炊きます。青梗菜は縦3等分、長さ4等分に切り、別の鍋に水100㎖を沸かし、塩小さじ2分の1、太白胡麻油、青梗菜を加えてフタをして2分蒸し煮。お粥の鍋には塩を適量加えて味を調え、さらに2分ほど炊いて、青梗菜をのせたら完成よ。

生徒:なんとも美しいお粥だなぁ。干し貝柱の旨味もたっぷり。

先生:お粥にも食べ頃はあって、やっぱり出来たてが一番おいしいの。熱いうちに早く食べましょう。段取りが身についてきたら、お粥を炊く間に玉子焼きを作るといいわよ。

生徒:一口目から優しさに包まれました〜。

1.大根のハリハリ漬け

出典 andpremium.jp
立て塩に浸けた大根を盆ザルに広げ、そのまま冷蔵庫に入れて水気をきっておく。
大根以外の材料に塩をふり、調味料とタカの爪を加えて味をなじませる。

〈作り方〉
1.大根は皮を剥いて2 ㎜幅のイチョウ切りにする。立て塩(ボウルに3%の塩水を作り、大根を入れる)に20分ほど浸す。ザルにあげ、冷蔵庫に入れて水気をきっておく。

2.ニンジン、ショウガは細切りにして、細切り昆布と合わせて塩をふりなじませる。ニンジンと昆布がしんなりしたら、種を取ったタカの爪、きび砂糖、醤油、酢を加えてさらになじませる。

3.大根の水気をしっかりペーパーで押さえ、2と合わせて全体を和える。

※柚子の香り(果汁や皮)を添えてもよい。

2.出汁巻き玉子

出典 andpremium.jp
玉子焼きの下に菜箸を入れて持ち上げ、卵液をすみずみまで流し入れてよく焼く。
焼き上がった玉子焼きを縦に回転させてから、まな板に移すと形が崩れにくい。

〈作り方〉
1.ボウルに卵を割り入れてよく混ぜる。きび砂糖、酒、醤油、塩、カツオだしの順に加えてその都度、よく混ぜる。

2.卵焼き器(フライパン)をよく熱し、米油を全体になじませ、キッチンペーパーで軽く拭く。

3.1の卵液を全体に広がる程度に流し、強めの中火にかけながら巻いていき、玉子焼きを奥へ置く。米油をペーパーでなじませ、続いて卵液を流し手前に巻く。同じように残りも繰り返す。

4.焼き上がったら玉子焼きを縦に回転させて、まな板に移して粗熱をとる。ペーパーなどで軽く押さえて形を整える。

※素揚げしたクワイなどを添えてもよい。

3.干し貝柱のお粥

出典 andpremium.jp
鍋の中にザルあげした米、分量の水、干し貝柱を入れて、米を30分浸水させる。
鍋のフタをして強火にかけ、沸騰するまで触らないようし、塩で調味する。

〈作り方〉
1.米は洗って、ザルにあげる。鍋に入れ、水、干し貝柱を入れて30分浸水させる。フタをして強火で10分、ふいてきたら鍋底からさっと混ぜ、フタをずらして弱火で25分炊く。

2.青梗菜は縦3等分、長さ4等分に切る。別の鍋に水100㎖(分量外)を沸かし、塩小さじ1/2(分量外)、太白胡麻油、青梗菜を加えてフタをして2分蒸し煮にする。

3.1に塩を適量加えて味を調え、さらに2分ほど炊き、2をのせる。

お正月、少々食べ疲れ気味の胃腸に嬉しいメニュー。出汁巻き玉子には、クワイの素揚げを添えて初春の喜びを。
出典 andpremium.jp
渡辺有子先生

わたなべ・ゆうこ/東京都生まれ。料理家。スタジオ「FOOD FOR THOUGHT」にて、料理教室や食にまつわるイベントを開催。東京・代々木上原と西荻窪で、同名の器店をディレクション。作家ものの器や食まわりの商品を扱う。『料理と私』(晶文社)、『渡辺有子の家庭料理』(主婦と生活社)など著書多数。旬の素材を生かしたシンプルでおいしい料理に定評があり、いつまでも初心者気分でいつづける生徒・吉田直子にも、懇切丁寧に料理を教える。

出典 andpremium.jp
吉田直子生徒

よしだ・なおこ/東京都生まれ。ライター。冠婚葬祭で使う小物とジュエリーのブランド〈シュオ〉のディレクター、ファッションブランドのプレスを務めるなど、フレキシブルに働く1 児の母。2019年、絵本『こっぷんとかっぷん』(絵・よこやまかんた/若芽舎)を刊行。2020年には蒼井優の著書『今日もかき氷【進化版】』(マガジンハウス)の編集を手がける。渡辺有子の料理教室で毎月記事をまとめているが、いまだに作るよりも食べることを好む。

photo : Wakana Baba text : Naoko Yoshida

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