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フェティコ、1920〜30年代のミューズたちに着想。成熟した女性の姿を描く【2026-27年秋冬 東京コレクション】

  • 2026.2.10

ガラス張りの壁から、ランウェイと客席に向けて、真冬の夕方らしい柔らかな光が差し込む。会場となった東京都現代美術館のエントランスホールには、「楽天ファッション・ウィーク東京」の公式スケジュールに1カ月以上先駆けた発表でありながら、多くのゲストが詰めかけた。セレブリティやモデルたちがフェティコFETICO)のアイテムを身にまとい、撮影に応じる様子も見られ、東京のファッション・マンスがはじまりを告げていた。

やがて、淑女を想起させるモデルが、抑制の効いたブラックの装いで姿を現す。強さと品、そしてしなやかさを携えたその歩みとともに、ショーは静かに幕を開けた。

テーマは、The Contours of Grace(=気品の輪郭)。着想源となったのは、1920〜30年代に自らの意思で人生を切り拓いた先駆的な女性たちのスタイルと精神性。ミューズには、画家でありインテリアデザイナーのヴァネッサ・ベル、モデルから報道写真家へと転身したリー・ミラー、そしてココ・シャネルを挙げ、ベルの英国らしいディテール、ミラーのアール・デコ期のスタイルやミリタリーのエッセンス、シャネルの洗練されたクラシカルなムードを織り交ぜ、それぞれの異なる成熟した美しさや優雅さをコレクションに反映させた。

「ブランドをはじめて5年が経ち、自分自身も段々と大人になってきたので、より大人の女性に選んでもらえるような服作りをしていきたいんです」と、デザイナーの舟山瑛美は語る。ウエストが緩やかにシェイプされたやや着丈の長いテイラードジャケットや、全体にギャザーを施したブルゾン、トレンチのようなシルエットのコート、立体的なフレアのピーコートといったアウター、バリエーション豊富なクラシックなドレスシャツなどのアイテムやスタイリング、ヘアメイク、そして所作が重なり合い、佇まいに気品を宿らせた。

また、大胆な肌見せが際立った先シーズンとは印象を異にするものの、ランジェリーのようなディテールは健在で、スリップドレスやボディスーツ、レース、背中が開いたトップ、編み上げられたパンツのディテールやレース使いなど、このブランドらしい官能性を随所に滲ませる。

そして、さまざまな年齢や身長、ランウェイ経験の有無にとらわれないキャスティングが功を奏し、さらなる奥行きをもたらした。「よりリアルな、フェティコを着ている女性像を見せたかったんです」とショー後の囲み取材で舟山は話す。ブランドの純度は失なわず、知的で洗練された、より多様な現代女性の姿を描いた。

Photos: Courtesy of FETICO

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