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朝ドラヒロインが“一度は演じてみたい”と思っていたシーン「すごいシーンだった」「最強」“めでたい日”に重なった大きな出来事

  • 2026.3.19
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『ばけばけ』第22週(C)NHK

朝ドラ『ばけばけ』でヒロイン・トキを演じた髙石あかり。『あさイチ』プレミアムトークでは、彼女の演技の裏側や現場でのエピソードが語られた。チーフ演出・村橋直樹は“反射力が強い女優”と評し、共演者のトミー・バストウは“彼女がいなかったら撮影は乗り越えられなかった”と語る。髙石あかりはなぜ、ここまで強い存在感を放つヒロインになれたのか。共演者たちの言葉から、その魅力を紐解いてみたい。

※以下本文には放送内容が含まれます。

女優・髙石あかりの魅力は“反射力”

朝ドラ『ばけばけ』でヒロイン・トキを演じた髙石あかり。その演技について、情報番組『あさイチ』では共演者やスタッフから多くのコメントが寄せられた。

チーフ演出の村橋は、彼女の強みをこう語る。「髙石あかりさんのストロングポイントは、反射力です」と。相手の芝居が投げた球に対して、自由自在に反応し、自分の感情として返す。その反応が決して作為的ではなく、あざとさもない。それが彼女の持ち味だという。

この“反応の芝居”は、共演者との関係性でも発揮された。ヘブン役のトミー・バストウは、長い撮影期間を振り返り、「あかりさんがいなかったら無理だったかなと思う」と語る。作品や役柄と向き合う自信が持てたのは、彼女の親切さのおかげだったという。

二人の関係性は、劇中の夫婦関係にもそのまま反映されていた。とくに印象的だったのが、ヘブンのトキに向けたプロポーズのシーンだ。“俳優としてもお互いに無防備になれた”と振り返るトミー。まるで本当の夫婦のように、お互いの心が読めるような感覚だったという。

本当の“家族”がつくられた現場

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『ばけばけ』第22週(C)NHK

また『ばけばけ』の撮影では、女優として大きな経験となる場面もあった。それがトキの出産シーンである。SNS上でも「ほんとすごいシーンだった」「いろいろ最強」と話題だった該当シーンは、髙石にとって、芝居をするようになってから一度は演じてみたいと思っていた憧れのシーンだった。興味深いことに、その撮影が行われたのは彼女の23歳の誕生日でもあった。

出産シーンでは、自分の内側にある最大のエネルギーを放出する感覚と、それを抑え込む感覚を同時に使ったという。撮影後には、手のひらに爪が食い込んだ跡が残っていたほどだった。それほどの集中を要する演技だったのだ。

現場ではサプライズの誕生日パーティーも開かれ、髙石の母親も駆けつけた。共演者やスタッフに囲まれながら迎えたその日を、髙石は“とても大きな出来事だった”と振り返る。

共演者の岡部たかしは、髙石を一文字で表すなら「家」だと語る。髙石は家族をとても大切にする人で、その気持ちが松野家の家族を演じるときにも表れていたという。実際、トキに子どもができたとわかったシーンでは、本物の家族のような感情が自然に湧き上がってきた、と岡部は語っていた。

髙石自身もまた、松野家の空気について“本当に家族のようだった”と語っている。母・フミ役の池脇千鶴も、本当の母親のように接してくれたそうだ。

女優としての次の一歩へ

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『ばけばけ』第22週(C)NHK

こうした環境で、髙石はヒロインとして成長していった。彼女の芝居の魅力は、計算ではなく“反応”から生まれるところにある。相手の芝居に心から反応することで、シーンそのものが生きてくる。その自然な演技こそが、トキという人物を生きた存在にしていたのだろう。

『ばけばけ』を通して、髙石あかりは女優として確かな一歩を刻んだ。しかし彼女は、この経験を終着点とは考えていない。次の現場で、また新しい姿を見せたいと語っている。

ヒロインとして過ごした10ヶ月は、彼女にとって俳優人生の大きな転機だった。そしてそれは、これから始まる新しい挑戦の序章でもある。


連続テレビ小説『ばけばけ』毎週月曜〜土曜あさ8時放送
NHK ONE(新NHKプラス)同時見逃し配信中・過去回はNHKオンデマンドで配信

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_