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「本当にドラマ初!?」「間違いなく仕事が増える」15歳“ジュニア俳優”土曜ドラマで見せた“初めてとは思えない”完成度

  • 2026.6.13

日本テレビ系 土曜ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』終盤に差しかかり、視聴者の注目を集めているのが、タツキ(町田啓太)の息子・蒼空を演じる山岸想だ。山岸は、STARTO ENTERTAINMENTのジュニアとして舞台などで活躍している15歳。本作の出演が初めての本格的なドラマ出演だ。SNS上では「本当にドラマ初!?」「間違いなく仕事が増える」と驚きの声が続出。怒りや孤独、不安定さを抱えた思春期の少年を、驚くほど繊細かつリアルに表現している。

※以下本文には放送内容が含まれます。

視聴者を驚かせたリアリティ

『タツキ先生は甘すぎる!』で山岸想が演じているのは、フリースクール・ユカナイの教室長であるタツキの息子・蒼空。両親の離婚や学校に行きたくないなど複雑な事情を抱え、心の居場所を見失っている13歳の少年だ。
単なる、思春期で反抗期の少年として蒼空を演じるのは、わかりやすく簡単かもしれない。しかし、だからこそ定型に嵌めるような表現をしてしまうと、途端にその人格が薄っぺらく見えてしまうことだろう。

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土曜ドラマ 『タツキ先生は甘すぎる!』第9話(C)日本テレビ

蒼空は、父親であるタツキに拭いきれない怒りを抱えている。しかし、その怒りの根底には寂しさや悲しみ、息子の自分こそ助けてほしかったという叫びがある。
9話でとくに印象的だったのは、蒼空がタツキに感情をぶつける場面だ。

フリースクールの子どもたちには優しく寄り添う父親。しかし、自分たち家族は、自分のことは守れなかった。その矛盾に耐え切れなくなった蒼空は、怒りを爆発させる。「好きなこと、やっていいんだよ」と穏やかに優しく語りかけながら歩み寄るタツキに対しても、懐疑の目を向けながら「それ、本気で言ってんの?」と冷たい。

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土曜ドラマ 『タツキ先生は甘すぎる!』第9話(C)日本テレビ

山岸の演技は、安易に怒りを表出させる演技では終わっていない。わかってほしい、でも、わかってもらえない。そう簡単にわかってほしくもない。そんな複雑な感情が、同時に透けて見えてくるのだ。
視聴者が蒼空に感情移入してしまうのは、山岸が“問題児”ではなく、“傷ついた少年”として蒼空の人格を確立させているからだろう。

不器用さを理解した芝居

山岸想の魅力は、微細な感情表現だけではない。むしろ本当に印象に残るのは、感情を押し殺している瞬間かもしれない。
9話では、フリースクール・ユカナイに顔を出した蒼空が、子どもたちとコミュニケーションをとるシーンがある。年少の子どもたちに話しかけられ遊びに誘われ、年齢の近い智紀(大倉琉人)とは一緒にゲームをする一幕も。
しかし、タツキに対しての態度は変わらない。許したい気持ちはある。父親を嫌いになりたいわけでもない。それでも簡単には許せない。その複雑な心の揺れを、山岸はわずかな表情の変化だけで表現していた。

言葉で説明しない。けれど確かに感情が伝わってくる。思春期の子どもは、自分の感情をうまく言語化できない。だからこそ、黙っている時間のほうが長い。山岸はその“不器用さ”をよく理解しているように見える。
細かな芝居の積み重ねが、蒼空という人物に圧倒的なリアリティを与えている。だからこそ視聴者は、彼の表情を追い続けてしまうのだろう。

俳優としての武器は“人間味”

山岸想の演技を見ていると、単に“演技が上手い新人”という言葉だけでは説明できない魅力がある。
その最大の理由は、感情のグラデーションを表現できる点ではないだろうか。怒りなら怒りだけ。悲しみなら悲しみだけ。そうではなく、複数の感情が同時に存在している状態を自然に見せることができる。

癇癪が抑えきれなくなり、母親である優(比嘉愛未)の前で物にあたるなど暴れてしまうときだって、怒りや寂しさ、不安や期待など蒼空の目にはいつも、複雑な感情が混在している。それが非常に人間らしい。

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土曜ドラマ 『タツキ先生は甘すぎる!』第9話(C)日本テレビ

さらに印象的なのは、共演者との芝居の呼吸だ。町田啓太や比嘉愛未、江口洋介といった経験豊富な俳優陣に囲まれても、決して埋もれていない。むしろ相手の芝居を受けながら、自分の感情を丁寧に返している。その自然さが、作品全体の説得力を高めているように感じられる。
派手な演技で目立つのではなく、静かに、しかし確実に視線を奪う。それは、長く活躍する俳優に共通する資質でもある。

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土曜ドラマ 『タツキ先生は甘すぎる!』第9話(C)日本テレビ

『タツキ先生は甘すぎる!』は、町田啓太演じるタツキの物語であると同時に、山岸想という新たな才能が広く知られるきっかけとなった作品になった。ドラマ初出演とは思えない完成度で視聴者の心を掴んだ山岸想。その名前が、これからさまざまな作品で見られるようになる日も遠くなさそうだ。


日本テレビ系 土曜ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』毎週土曜よる9時~

ライター:北村有(Kitamura Yuu)
主にドラマや映画のレビュー、役者や監督インタビュー、書評コラムなどを担当するライター。可処分時間はドラマや映画鑑賞、読書に割いている。X:@yuu_uu_

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