1. トップ
  2. 最終回を迎え、“続編を望む”声「学びのある」「一番面白かった」序盤からは“予想できなかった”【土曜ドラマ】

最終回を迎え、“続編を望む”声「学びのある」「一番面白かった」序盤からは“予想できなかった”【土曜ドラマ】

  • 2026.3.20
undefined
『パンダより恋が苦手な私たち』最終話(C)日本テレビ

3月14日、『パンダより恋が苦手な私たち』が最終話を迎えた。恋愛コラムの仕事を押し付けられた雑誌編集者の柴田一葉(上白石萌歌)が、企画を通して動物学者の椎堂司(生田斗真)に出会うところから始まった物語は、最終的に人が人を変えるというコミュニケーションに行き着いたように思う。

社会性を持ち、多様な価値観を持つようになって、不器用な生き方をするようになった人間という生き物の尊さを感じるようなラストだった。

※以下本文には放送内容が含まれます。

コミュニケーションによって開かれていった心

undefined
『パンダより恋が苦手な私たち』最終話(C)日本テレビ

最終話では、一葉が代わりにコラムを書いていたモデル・灰沢アリア(シシド・カフカ)の週刊誌報道をめぐる騒動から始まった。過去に乳がんを患っていたことが世間に広められてしまったアリアは、ランウェイを歩く姿に同情の眼差しが注がれることが怖くなり、逃げ出したのだ。

アリアの閉ざした心を開いたのは、一葉だった。一葉からのコクホウジャクを通した求愛行動に関する講義がアリアの背中を押し、アリアは誰よりもカッコよくランウェイを歩いた。

ドラマが始まった頃、一葉とアリアがこんなに素晴らしい友情関係を築くなんて全く予想ができなかった。物語の序盤、一葉はアリアに叱責されることが多かった。特に仕事への向き合い方については何度も厳しいことを言われ、一葉も不満を漏らしていたくらいだ。

それでも、一葉とアリアの関係性の変化が自然に見えたのは、2人の間に2人らしいコミュニケーションがあったからだろう。一葉もアリアも怯むことなく、相手のためになることを伝え合ってきた。そんな互いへの言葉が少しずつ積み重なり、一葉は仕事を楽しめるようになり、アリアはモデル復帰へと歩き出したのだ。劇薬のような飲み込むのに時間がかかる言葉を伝え合ってきたからこその絆が見える最終話だった。

変化が変化を生む

undefined
『パンダより恋が苦手な私たち』最終話(C)日本テレビ

振り返れば、一葉はさまざまな人物の行動に寄り添いながら、成長してきた。先輩の紺野幸子(宮澤エマ)、カメラマンの橘環希(仁村紗和)、姉の柴田一花(筧美和子)などの恋愛相談に真剣に向き合うことで、恋愛観も仕事観もアップデートすることができた。一葉は、動物の求愛行動と人間の恋愛を比較して、人間の不器用さを浮き彫りにするコラムを書くだけでなく、さまざまな人物の岐路に立ち会い、変化する様子を見守ってきた。さまざまな人物の変化が、一葉の人としての成長を促してくれたのだ。

価値観の変化は、周りの価値観までもを変える。最終話では、一葉が重ねてきた変化によって司が変化する場面が描かれた。司は、有名デザイナー・椎堂ケイカ(草刈民代)の息子として生まれたことで、人間の悪意や保身からくる行動に晒されることが多かった。人間が嫌いになっても無理はない。司は自分の心を守るために、すべての人との間に壁を作り、動物に没頭していたのだ。

殻に閉じこもっていた司の前に、一葉が現れた。一葉は司が築いてきた壁を無理やり壊すのではなく、やさしくノックを続け、司の視線を外へと導いたのだ。司の目に、一葉の不器用で懸命な人を思った行動が映る。一葉の行動は、人間と関わることを恐れ諦めてきた司にとって、まばゆい希望の光だった。一葉が周囲の変化に触発され、自らも重ねてきた変化が、司の心をも変えたのだ。

SNSでは、「各話で学びのあるドラマだった」「両思いになった2人の続きがみたい……!」「今期で一番面白かった」など、内容にしみじみと浸る声、一葉と司をまだまだ見ていたいと望む声があがった。

人間の恋愛を動物の求愛行動から語るだけでなく、仕事への取り組み方や人間同士のコミュニケーションなどの幅広い要素を、ポップに描いていった本作。悩みを解決するヒントを軽やかに授けてくれるドラマだった。


日本テレビ系『パンダより恋が苦手な私たち』2026年1月期土曜ドラマ

ライター:古澤椋子
ドラマや映画コラム、インタビュー、イベントレポートなどを執筆するライター。ドラマ・映画・アニメ・漫画とともに育つ。
X(旧Twitter):@k_ar0202