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私が癒やされたホテルの空間にパークの健やかさを添えて。Mizukiさんの10代から夢の店づくり #私たちの自由な選択

  • 2026.2.6

10代から夢は起業一択、ホテルの癒しを探しに世界へ。

ーー現在のように東京・表参道にサロンを構えるまでの、Mizukiさんご自身のお話を聞かせて下さい。

Mizukiさん:北海道から上京して、大学生になった18歳から東京暮らしを始めました。在学中アルバイトでワックス脱毛に従事した時に技術者としての楽しさに目覚めたんです。父譲りでずっと起業することが夢だったので、卒業後そのまま大手ワックス脱毛サロンに就職し、23歳から銀行から融資を受けるため、1年かけて事業計画書を作って起業の準備をしました。24歳で会社を設立し、店舗を立ち上げましたが、若かったので一人で融資を借りて店舗を立ち上げたということを理解してもらえず、冷たい言葉をかけられることが多くて、家に帰って悔しくて一人で泣いていた日もたくさんありました。

ーー起業を志す20代前半の女子のやる気の芽を摘んでしまうような、大人の心無い言葉があったのですね。24歳で創業されたお店についてあらためてご紹介頂けますか。

Mizukiさん:はい。お店の紹介としてオーガニックワックス脱毛およびそのキットの販売を軸としていますが、私自身、創業当時からセルフケア以外にもマルチに提供したい思いがあったため、韓国スキンケア、アパレル、ランジェリー、ホームグッズ、最近はキャンドルなど癒しのアイテム販売にも力を入れてきました。

また、女性のパーソナルな部分のケアと向き合うため、施術時間ではホテルで過ごしているかのような贅沢な時間を味わっていただける完全個室空間にこだわっています。他のお客様の話し声が聞こえるサロンさんが大多数の中、完全個室という空間はかなりこだわったポイントです。

ーーお店のコンセプトを決めたり発信物を作ったりする前には、何を見、経験しましたか。

Mizukiさん:高校生の頃から大学までアメリカのニューヨークなど、ひとり旅でよく海外に行っていました。大学ではNGOのプログラムでバングラデシュにも行って、現地の生活を体験したこともあります。

今の仕事に直接つながることですと、アメリカでホテルをとにかくたくさん見回りました。自分が最も贅沢を堪能できる場所だと捉えていたのが、ホテルで、その体験を将来提供する側になりたいと念頭に置きながらでした。

ーーホテルと言いますと、やはり現在のサロン「HOTEL&PARK.」のアイデアはその時に生まれたのでしょうか。

Mizukiさん:そうですね。ホテルは、私たちが提供するサービスの象徴。パーク(公園)は心と体を健やかに過ごせる場所だから、HOTELはお客さまに最上級にリラックスしてほしい、PARKはスタッフたちが心身共に健やかにのびのびと働いてほしいという思いで名づけました。私も働くこの環境(HOTEL)に地元の北海道の癒し(PARK)がなければ、自分は成り立っていないと感じますね

ーー美術系の専門学校やデザイン学校などを経験していないとも伺っていますが、お店や商品のデザインなど、急に何もかもここまでできるようになる訳では無いと思います。

Mizukiさん:開店当初のお店のコンセプトやデザインは自分で作り、他のデザインはどのようにするかはスタッフの意見をもらってみんなで決めましたが、すべて独学でここまでやりました。今はお店が提供するエステサービス、アパレル、ランジェリー、香り小物など全体を通して発信したい世界観をスタッフも理解しているので、PR用の撮影などは任せることもできます。

個人的に、たとえば色やフォント操作、「Canva」を操ることは楽しくて仕方がないので、私にとって制作は義務的ではない作業だと思います。

表面的なやさしさより、教育方針は厳しさ。会社の成長よりスタッフの成長に時間をかける

Mizuki
photo by Poko

Mizukiさん:現在、長年一緒に働いてくれているスタッフたちがいますが、ここまで会社の成長よりスタッフたちの成長に時間をかけてきました。その時々で自分の役回りを変えて彼女たちと向き合ってきました。母になる時もあれば、カウンセラーになる時も、先生になる時もあります。

ーースタッフの方々は母、カウンセラー、先生、それぞれの表情を持つMizukiさんと対峙しているんですね。

Mizukiさん:そうですね。サロンスタッフとしての技術を高めることは必須スキルですが、私は特に人として、女性としての生き方、価値観の方向では厳しい指導者です。仕事が出来るようになってほしい思いは上に立つ人なら誰しも持つものと思いますが、私は一人の人として、女性として、思いやりのある芯のある人に育ってほしいと思っています。

メールやチャットを使って伝えるのも当たり前の世の中ですが、私たちのチームは基本的に必ず対面で対話をします。どうしてもお客様対応で入れ違いが発生する時は、スタッフが「ひとことメモ」を残してくれています。教え方だけでなく、コミュニケーションの仕方もこの店独特かもしれません。

これもお客さまに見せない部分ですが、時にはお客さまの施術予約枠をつぶしてでも本人が納得するまで話し込むこともあります。彼女たちの心や施術に迷いが見えたり、失敗があったりしたら、その「なぜだったんだろう」を深堀りし、本人たちの心がスッキリするように、とことん話を聞き真正面から向き合います。

ーー5年目のスタッフ・萌さんからは「代表抜きの後輩達だけでの内輪話をあえてしない」ということも聞きました。いない先輩の話をしないということは、職場の風通しがよくなりそうですね。

Mizukiさん:女性同士だけの職場というと、少し怖い部分を想起される方もいらっしゃるかもしれませんが、うちは「いかに相手(お客様・スタッフ)に配慮ある言動をするか」など常に学び教え続けているので、彼女たちはそれどころではないのかもしれません(笑)。

最近私が話した例をひとつ挙げるなら、気配り・心配り・配慮の違いや、どういう時に、なぜ、それが必要なのかを自分も学びながら、本人たちのコミュニケーションスキルを上げ、お客様やスタッフ同士で活かせるように伝えました。一方でもうひとつ意識していることは、自分の価値観の押し付けにならないように伝えることです。

スタッフから見えている私は相当厳しい人間だと自覚していますね。教育者という見方で私の振る舞いを自称するなら『金八先生節』が出てくることがあります(笑)。

表面的なやさしさより厳しさ。中身のないやさしさは出さないのが、創業当時から私なりのスタッフの教育方針なのです。

ーー彼女たちは仕事に役立つスキル、見たら活かせるメディアなども代表のアドバイスで動くと聞きました。私には経験上そこまでのことが無いので驚きましたが、Mizukiさんに人生にまで深くコミットしてもらったことを、今度は彼女たちも、次世代に伝えていくのではないでしょうか。

誰かに見せる自分磨きではなく、「セルフ」を満たす教育とサービスを目指す

Mizuki
帰省時に多忙を忘れるいっときの癒やし 画像提供/Mizukiさん

ーー週末も暦の休日も仕事が当たり前のサロン業の毎日ですね。店休日がほとんど無いとお見受けしますが、そんな中、自身の癒し時間に何がありますか?

Mizukiさん: まずは香りで癒されるため、パロサントやキャンドルを使う時間です。パロサントは最近知られるようになってきましたが、ひと息つく時間に愛用しています。

他に、入浴はもちろんですが、自宅で実践する「よもぎ蒸し」です。外で体験をされる方が多い中、私は自宅でセルフのよもぎ蒸しをやっています。補足したいことは、何かを治してくれるものとしてではなく、癒しの部分を気に入ってとりいれているということです。

よもぎ蒸しなど、何か健康価値がある、と言われているものの根拠を確認してからではないと、私は誰かにおすすめとしてシェアはできないです。これは現代の情報過多になっているSNS社会へのちょっとした反抗とも言えるかもしれませんね。

ーー健康情報の大波から選択しなければならないデジタルネイティブに大切なことですね。

Mizukiさん:実はSNS情報からロールモデルを見つけるようなカルチャーに以前から疑心を抱いています。たとえば販売している下着やアパレルの撮影でも、私が理想に思い描いていた健やかな体つきの女性像がモデルに見つからなく、自分が矢面に出てモデルをやるという選択をしたこともありました。

ーー自分の疑問をそのままアウトプットに反映させる、素敵な英断、選択だと思いました。最後に、デジタルネイティブ社会を生きる若者に、今のMizukiさんができるアドバイスやメッセージをお願いします。

Mizukiさん:SNS社会のおかげで、自分のためではなく”誰かに見せるため”のボディケアやセルフケア情報が反乱していることに気づいています。脱毛サロンに来る動機も誰かのために体を磨くことと捉えられがちですが、私たちが伝えたい思いはそうではありません。「誰かに見られるために毛を無くそう」という来店動機があっても私たちは歓迎しますが、ホテルで過ごすようにただ心身を整える場所として来店してほしいなとも思っています。

自分のための癒し、自分のための自分磨きが本当のセルフケアになっていると感じますし、心も体も整い、結果として日々が整ってくるとこれからの子達に伝えたいです。そのために「まず、自分を満たし喜ばせるものは何か?」を知ることから始めると良いと思います。

Profile:Mizukiさん

Mizuki
photo by Poko

2018年からオーガニック製品の使用やワックス容器の再利用、寄付実施などを通し、店としてSDGsにも力を入れる。

Instagram@hotelandpark

腰塚安菜

慶應義塾大学法学部政治学科卒業。学生時代から一般社団法人 ソーシャルプロダクツ普及推進協会で「ソーシャルプロダクツ・アワード」審査員を6年間務めた。 2016年よりSDGs、ESD、教育、文化多様性などをテーマにメディアに寄稿。2018年に気候変動に関する国際会議COP24を現地取材。2021年以降はアフターコロナの健康や働き方、生活をテーマとした執筆に転向。次の海外取材復活を夢に、地域文化や韓国語・フランス語を学習中。コロナ後から少しずつ始めたヨガ歴は約5年。

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