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【日本版アトランティス?】与那国の海に眠る「古代都市のような地形」とは

  • 2026.1.19
与那国島海底地形/ Credit: commons.wikimedia

沖縄県の最西端に位置する与那国島。

その沖合の海底には、初めて目にした人が思わず「遺跡ではないのか」と声を上げてしまうような、不思議な地形が広がっています。

平坦な面、直線的な段差、巨大な岩が階段状に連なる姿は、まるで古代都市の廃墟がそのまま海に沈んだかのようです。

この正体不明の構造物は、実際にはどのような存在なのでしょうか。

目次

  • まるで海底都市?「与那国島海底地形」の正体
  • なぜ自然なのに「人工物のよう」に見えるのか

まるで海底都市?「与那国島海底地形」の正体

与那国島海底地形/ Credit: commons.wikimedia

与那国島海底地形が発見されたのは1986年から1987年にかけてのことです。

地元のダイビング関係者によって確認されたこの地形は、水深およそ6メートルから24メートルの範囲に広がり、東西約250メートル、南北約150メートル、高低差は最大で25メートルにも及びます。

最大の特徴は、その「整いすぎた」外観です。

巨大な岩盤が切り出されたように平らな面を持ち、直角に近い角や、規則正しい段差が連続して現れます。

自然の岩場でありながら、まるで人の手で削り出された石段や段丘のように見えるため、「海底遺跡」「海底都市」といった呼び名が広まりました。

この外観から、琉球大学の地質学者は当時、「与那国島海底地形が過去に人の手で加工、あるいは建造された可能性がある」と主張してきました。

氷期末に海面が上昇する以前、陸上に存在した人工構造物が水没したという見方です。

ただし、この「人工説」は学界全体では少数派にとどまっています。

現在の地質学・水中考古学の分野では、与那国島海底地形は「自然に形成された地形」とする見解が主流です。

なぜ自然なのに「人工物のよう」に見えるのか

では、なぜ自然の地形が、これほど人工物に似て見えるのでしょうか。

鍵となるのは、与那国島周辺の地質と地殻環境です。

与那国島の海底は、主に砂岩や泥岩といった堆積岩で構成されています。

これらの岩石には「層理面」と呼ばれる、堆積の境界にあたる平坦な面(地層をつくる物質が堆積した時の面)が存在します。

層理面は岩石の中でも割れやすい弱点であり、広く平らな面をつくりやすい特徴があります。

さらに、これと直交する方向には「節理」と呼ばれる割れ目が発達します。

節理は地震などの応力によって生じるもので、互いに平行な割れ目が規則正しく並ぶことがあります。

与那国島は断層帯に近く、地震活動が活発な地域です。

そのため、岩盤が規則的に割れ、巨大なブロック状に分離しやすい条件がそろっています。

海底で地震が起きるたびに、岩石はこうした弱点に沿って割れ、わずかにずれ動きます。

「亀の岩」と呼ばれる地形/ Credit: ja.wikipedia

そこへ海流による侵食が加わることで、割れ目は広がり、岩の表面は削られて平坦になります。

長い時間をかけてこの過程が繰り返されると、階段状で直線的な地形が自然に生み出されるのです。

実際、与那国島の陸上にも、形はより丸みを帯びていますが、配置としては海底地形とよく似た岩体が確認されています。

これは、同じ地質構造が、海中と陸上という異なる環境で、異なる侵食の結果を示していると考えられています。

考古学的遺物や人為活動の痕跡は見つかっておらず、与那国島海底地形は、砂岩が海底で風化・侵食され続けた結果として説明できると結論づけられています。

「失われた都市」でなくても、十分にロマンはある

与那国島海底地形は、現時点では「古代文明の遺跡」と認められているわけではありません。

科学的に見れば、地震と侵食という自然の力が、何千年、何万年もかけて作り上げた巨大な岩の造形です。

しかし、それは決して夢のない話ではありません。

むしろ、人の手を一切借りずに、ここまで幾何学的で壮大な景観を生み出してしまう地球そのものの力こそが、最大の驚きです。

海底都市の正体が自然地形であったとしても、与那国島海底地形は、今なお私たちの想像力を強く刺激し続けています。

参考文献

Mysterious Underwater ‘Atlantis’ Is Like a Lost City in The Ocean
https://www.sciencealert.com/mysterious-underwater-atlantis-is-like-a-lost-city-in-the-ocean

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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