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パンダロスに向き合う。珠玉のパンダ映画6選

  • 2026.1.10
Getty Images,AI

2026年1月、上野動物園の双子パンダ、シャオシャオとレイレイが中国に返還され、国内でパンダに会える場所がゼロになる。この行き場のない寂しさと、パンダたちへの感謝の気持ちが入り混じる今こそ、スクリーンのなかの彼らに癒やされたい。ここでは日本とパンダのヒストリーを振り返りつつ、注目のパンダ映画を新作&旧作交えて一挙にお届け。

SADAYUKI MIKAMI / Aflo

1972年、パンダが初来日!

座り込みながらもぐもぐとずっと食事しているマイペースな成人パンダや、母親に甘えたり、駆け回って転がりまわる無邪気な赤ちゃんパンダ、のんびりと思い思いに過ごすパンダたち…累計20頭以上に及ぶ日本で飼育された歴代パンダは、一頭ずつ個性が光っていた。

振り返れば最初に日本にパンダがやってきたのは1972年。日中国交正常化を記念し、カンカンとランランのペアが中国から上野動物園へ到着した。そのなんともマイペースで愛くるしい姿は瞬く間に人々の心をつかみ、一躍すさまじいパンダブームを列島に巻き起こした。

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1980年代には、ホァンホァンとフェイフェイから、初めて日本でパンダ(チュチュ、トントン、ユウユウ)が誕生した。

上野動物園だけでなく、国内各地でパンダが見られる場所が増えたのも'80年代だ。1988年、和歌山県のアドベンチャーワールドに初めてシンシンとケイケイが来園。そののち1994年、日中共同繁殖研究の一環でメイメイとヨウヒンが来園し、かの名高きパンダファミリーの礎を築くことになる。

2000年には、神戸市立王子動物園にタンタンが来日。阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとして長きに渡り愛された。

写真:1987年上野動物園にて、巧みに木登りするファンファンの様子。

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2010年代には、上野動物園にリーリーとシンシンが来園。娘のシャンシャンが人気を集め、2021年にはシャオシャオとレイレイという双子も誕生。シャオシャオ(オス)は活発な甘えん坊。レイレイ(メス)はおっとりマイペースでなんでも器用、対照的な性格のふたりが無邪気に戯れる姿は愛らしく、令和のパンダブームが巻き起こる。 国内最後となったその2頭が、このたび日本を離れることになった。

写真:上野動物園の双子パンダ シャオシャオとレイレイ

またいつかどこかで会える日を信じて、心にパンダを刻みたい。そんな思いで、ここからはパンダまつわる名作映画をご紹介する。

知ればもっと好きになる!

『パンダのすごい世界』2026年2月6日(金)より全国順次公開

7つの自然保護区と9つの自然公園からなる四川省のジャイアントパンダ保護研究センターを中心に北京や香港で暮らすパンダたちの姿に密着。その誕生から育成、野生復帰の訓練、老後の生活までの様子と手厚くサポートする訓練員たちの絆を描くドキュメンタリー。アドベンチャーワールドのパンダたちが暮らす成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地では世界中からファンが詰め掛ける大人気スター、ファーファーが愛くるしい様子を披露。おにぎりのような容姿にときめく。雅安碧峰峡基地ではあのシャンシャンの姿がちらり。韓国にいたフーバオも一瞬、登場。対照的に高齢で役目を終えたパンダたちが介護されながら静かに暮らす、隠居後の光景は衝撃的。

スター同士が夢の競演

『パンダプラン』2026年1月23日(金)より全国順次公開

ジャッキー・チェンとパンダ、世界に誇る中国の宝がまさかの共演。71歳のジャッキーがいつも通りスタントなし、今回は本人役で登場するコメディ・アクション。ムービースターのジャッキーはアクション映画の出演が続き、退屈気味。そんな折、パンダの里親になるという依頼が飛び込み、動物園へ駆けつける。赤ちゃんパンダ"ダーバオ(大宝)"の可愛さに癒されるのも束の間、なんとダーパオが傭兵集団に誘拐されてしまう。彼らを雇っていたのは大富豪。白血病を患う幼い娘の夢を叶えるためだった。小さな子パンダの身を守るために優しいアクションでジャッキーが大奮闘。パンダの可愛さとジャッキー人気は万国共通と納得。

『私の親愛なるフーバオ』(2025)

韓国で初めて生まれたジャイアントパンダ、フーバオと飼育員の1354日間を記録したドキュメンタリー。2024年、4歳のフーバオの中国返還が決まると、最後のお別れをしようとファンが殺到。飼育員たちは「元気に中国で戻れるよう、応援してあげよう」と気丈に振る舞うが、生まれる前からフーバオの世話をしていたカン・チョルウォン氏の心境は複雑だった。国中が愛と関心を寄せたスターパンダと「パンダじいじ」とファンから慕われたカン氏。特別な愛情で結ばれ、カン氏の言葉を理解しているようなフーバオの素ぶりがたまらない。エンディングクレジットには「一緒に映画を作った人たち」としてクラウドファンディングに参加した人々の名が。

パンダと生きる日々に密着!

『パンダフルライフ』(2008)

和歌山県のアドベンチャーワールドで生まれた双子の雄パンダ、隆浜と秋浜が4歳になり、中国にある成都大熊猫繁育基地に里帰りすることに。双子パンダの成長と旅立ち、そして成都大熊猫繁育基地の可愛いパンダたちの日常を収めたドキュメンタリー。隆浜と秋浜の母、梅梅は世界で初めて自力で双子を育てた母パンダ。愛情深い子育て風景は貴重映像の一つ。梅梅は2008年10月15日に永眠。梅梅との間に6頭、全部で16頭の子をもうけた名物お父さんパンダの永明も記録保持者で、2023年双子の娘と中国へ渡った。永明以降、アドベンのパンダは雌だけとなり、その雌も昨年、6月に全4頭が帰還。パンダたちがのびのび暮らす当時の映像に気持ちが千々に乱れる。

最強で最愛のヒーロー

『カンフー・パンダ』シリーズ(2008-)

現在、5作目の映画が制作中の人気アニメーション・シリーズ。Netflixでは映画を基に制作されたスピンオフのアニメシリーズが配信中。カンフーオタクでカンフー未経験のジャイアントパンダのポーがなぜか「龍の戦士」に選ばれ、レッサーパンダのカンフーマスター、シーフー老師に弟子入り。アクションとギャグ満載で子どもから大人まで楽しめ、ポンコツのポーが成長する姿に心温まる。映画版オリジナルの声優は主人公ポーにジャック・ブラック、シーフー老師にダスティン・ホフマン、カンフーの天才で雪豹のタイ・ランにアンジェリーナ・ジョリー、陽気で敏捷性に優れたマスター・モンキーにジャッキー・チェンと超豪華。

ずっと心のなかにある、パンダの原風景

『パンダコパンダ』(1972)

上野動物園にカンカンとランランが来園し、日本中にパンダブームを巻き起こした1972年に高畑勲と宮﨑駿コンビが制作。いまなお愛され続けている名作アニメ。昨年の「高畑勲展ー日本のアニメーションを作った男。」でも大人気。小学生のミミ子はおばあちゃんを法事に送り出し、一人暮らし。そんな折、周囲に竹藪に囲まれた一軒家に可愛いパンちゃんと大きなパパンダの親子がやって来る。その頃、動物園はパンダが逃げ出し、大騒動に。2027年には劇場公開から55周年を迎える名作。

最後にドラマも紹介!

「癒されパンダ~リーリーとシンシン~」(2020)

いよいよ2026年1月、中国に返還されるシャオシャオとレイレイ。その両親であるリーリーとシンシンが日がな一日、のんびりと過ごす様子をカメラが捉えたそのままのドキュメンタリー。頭の尖った木登り好きのリーリー、目に特徴のある可愛い丸顔のシンシンは食欲旺盛。観ていると個性的で目が離せなくなる2匹はまさに癒されパンダ。何も起きない60分に満たされる。2005年に生まれた2匹は2011年に来日。直後に東日本大震災を経験し、日本を元気づけるアイドルとなった。2024年、高齢のため輸送に耐えられる健康状態のうちに中国に返還され、現在は四川省雅安パンダ碧峰峡基地で暮らしている。

ⓒ吉田修一/朝日新聞出版 ⓒ2025映画「国宝」製作委員会

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