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【スカッと漫画】「運なんて、諦めの言葉でしかない」6.4万人が共感!「運」に翻弄される大人たちの心理戦が心地よい【作者に聞く】

  • 2026.3.14

朝の占い、ふとした瞬間のツキ。もしも「運」がアプリで数値化され、ここぞという場面でチャージして使えるとしたら――。今井大輔(@dice_k_imai)さんがX(旧Twitter)に投稿した短編漫画『ラッキーポイント』が、6.4万超の「いいね」を集め、大きな反響を呼んでいる。

重要な会議で「運」を使い、成功を掴もうとする主人公・杉本。しかし、運に見放された部下の存在が、物語を予想もしない方向へと加速させていく。緻密な心理描写と、あえて「結末を描ききらない」独自の演出。本作に込めた意図を、今井さんにインタビューした。

「運の数値化」という粗い設定を、スピード感で読み切らせる技術

「ラッキーポイント」01 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018
「ラッキーポイント」01 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018
02 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018
02 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018
他人より運がいいという主人公だが…!? 03 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018
他人より運がいいという主人公だが…!? 03 画像提供:(C)今井大輔(秋田書店)2018

本作は、担当編集者とのアイデア出しから生まれたオムニバス連載の第1回目だ。着想の源は、朝のテレビで流れていた星座占いだったという。

「運の数値化」というのは、正直だいぶ粗い設定です。1話読み切りの短編だからこそ成立するもので、その粗さを感じさせる前に読者を一気に引き込む、展開の速さを意識しました。

さらに今井さんは、物語の幕引きに大胆な工夫を凝らした。

この作品は「ここからハッピーエンドに向かうんだろうな」と分かるところで止めています。多くの人にラストを想像させた時点で、物語の役割は終わっている。あえて最後まで描かないことが、本作の工夫です。

「運とは、言い訳と慰め」。リアリストが描くからこそ響く、不条理な世界の真実

運を自在に操る物語を描きながらも、今井さん自身の「運」に対する視線は驚くほど冷徹で、現実的だ。

運とは「言い訳」であり「慰め」だと思います。基本的に世の中は不平等で不条理。事実のあとで理由を分析しきれないときに使う、諦めの言葉でしかないと思っています。ただ、そう諦めた結果、僕自身は運がいいと思っているんですけど。

劇中、杉本が大事な会議に「60ポイント」という私生活に支障が出るほどの数値を全振りするシーンについても、「出世する人、結果を出す人は、ここぞという時に能力を全振りしている気がする」という今井さんの鋭い人間観察が反映されている。

喜怒哀楽の“間”にある、名前のついていない感情を描きたい

『古都こと』や『パッカ』など、多彩なジャンルを手掛けてきた今井さん。今後の展望について伺うと、ジャンルへのこだわり以上に、「人間の内面」への飽くなき探求心が返ってきた。

喜怒哀楽だけじゃない、「喜」と「怒」と「哀」と「楽」の間にある感情、まだ名前のついていない感情を描きたいです。だから、ジャンルや枠は何でもいい。今後自分がどうなるかは僕にも分かりませんが、楽しんでもらえるように工夫していきたいです。

数値化された「運」というフィルターを通して見えてくる、割り切れない人間のエゴや優しさ。今井大輔が描く、名前のない感情の機微を、ぜひ本作で味わってほしい。

取材協力:今井大輔(@dice_k_imai)

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