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仕事で疲れた日は「スマホやテレビを少し見る」と回復が促される

  • 2026.1.9
Credit: canva

仕事でヘトヘトになった日の夜、「こんなことをしていていいのだろうか」と罪悪感を覚えながらスマートフォンを眺めたり、テレビをつけたりした経験はないでしょうか。

実はその時間、単なる怠けではなく、心と脳を回復させる大切な役割を果たしている可能性が、カナダ・トロント大学ミシサガキャンパス(UTM)の最新研究で明らかになりました。

ただし、ポイントは「長時間ダラダラ見ること」ではなく、「少しだけに留めること」。

仕事の疲れを引きずらないための、意外と合理的な休み方かもしれません。

研究の詳細は2025年4月7日付で学術誌『Journal of Community & Applied Social Psychology』に掲載されています。

目次

  • 「家に帰っても休めない」現代人の現実
  • スマホやゲームが「気分のクッション」になる理由

「家に帰っても休めない」現代人の現実

仕事のストレスが心身に悪影響を与えることは、これまで数多くの研究で示されてきました。

特に重要なのが、仕事後にしっかりと「回復」する時間を持てるかどうかです。

この回復が不十分だと、燃え尽き症候群や抑うつ、慢性的な疲労につながりやすくなります。

しかし問題は、多くの人にとって「家=休める場所」ではなくなっていることです。

子どもの世話、家事、同居人とのやり取りなど、帰宅後も次々と要求が押し寄せます。

研究では、家庭の人数が多いほど、疲労感やストレスが高くなりやすいことが確認されています。

そこで注目されたのが、仕事後の過ごし方です。

アメリカの大規模調査データを分析した研究では、子どもがいる家庭ほど疲れやすい一方で、テレビを見る時間がある人ほど「疲労やストレスが少ない」と感じていることが分かりました。

テレビの前に座る行為は、家の中にいながら一時的に要求から距離を置く手段になっていたのです。

スマホやゲームが「気分のクッション」になる理由

同様の傾向は、学生を対象にした調査でも確認されています。

自宅が騒がしく落ち着かないと感じている人ほど、気分はネガティブになりがちでした。

しかし、夜にスマートフォンを使う時間がある場合、そのネガティブな気分は弱まっていました。

さらに、夜にビデオゲームをしていた学生は、翌日に授業や作業へ戻る際の切り替えが比較的スムーズでした。

同居人が多いほど翌日の集中が難しくなる傾向はありましたが、ゲームをしていた人ではその影響が和らいでいたのです。

研究者はこの働きを「ストレスの緩衝材」と表現しています。

スマホやテレビ、ゲームは、家庭や仕事の要求から一時的に切り離される空間をつくり、脳を休ませる役割を果たしていると考えられます。

ただし、ここで重要なのは「適度さ」です。

研究者自身も、スマホ依存や長時間使用の影響は今回の分析に含まれていないと明言しています。

使いすぎれば、逆に疲労が増し、回復効果が失われる可能性があります。

この研究が伝えているのは、「もっとスマホを使え」「テレビを長時間見ろ」という話ではありません。

仕事で消耗した脳を回復させるには、ほんの少し、自分を責任から解放する時間が必要だということです。

短時間のスクリーンタイムは、呼吸を整えるような役割を果たします。

何もしないでぼんやり画面を見る時間は、決して無意味ではなく、次の日にまた働くための準備でもあるのです。

「疲れた日にスマホを見てしまった」と自分を責める必要はありません。

大切なのは量ではなく、うまく区切りをつけながら、心と脳を回復させることなのです。

参考文献

Long day at work? Go ahead and watch some TV, research suggests
https://phys.org/news/2026-01-day-tv.html

A little TV after a long day is good for your brain
https://www.popsci.com/health/tv-good-for-brain/

元論文

Household Ecology and Recovery Among Young Adults: Digital Device Use as a Mixed Advantage
https://doi.org/10.1002/casp.70080

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部

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